日常
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…これは、二日酔いが見せる幻覚だろうか…?
「くかぁ〜…むぐむぐ…。」
喉の乾きで目が覚め、水を飲みに広間へ行くと、ビルス様がソファで寝息を立てていた。それは別に可笑しなことではない。
私が潰れてしまった後も、恐らくお酒を飲み続けてそのままここで眠ってしまったのだろう。
可笑しいのは…
「子、ども…?」
ビルス様のサイズだ…。
悟天くんやトランクスくんと同じくらいだろうか。
「おはようございます。…アルコールの匂いが篭ってますね…。……おや…。」
「おはようございますウイスさん。…あの、来てみれば既にこの有様で…。」
ウイスさんが転がっていた酒瓶の1つを手に取る。
「これは…以前ジャンパ様が飲むと面白い事になると言っていた……。これですね。」
つまりはこの現状の原因はジャンパ様ということか…。
「だれ?」
小さなビルス様が顔を擦りながら眠そうな目でこちらを凝視する。
「あ…おはようございます…ビルス様…。」
「だれなのお前…ここどこ。なんでボクのなまえ知ってるの?」
「はぁ…面倒な事になりましたね。」
映像の奥で小さくなったビルス様を見てシャンパ様がゲラゲラと笑う。
「いい様だな!!ビルス!!」
「なんだよあのおデブ…!なんかボクの知ってるやつにすっごく似ててムカつくんだけど!」
「シャンパ様、こちらの品を覚えておられますか?…ビルス様が飲んでしまわれてご覧の通り…。…どのくらいで元に戻るのか教えていただきたいのですが。」
ひとしきり笑って落ち着いたシャンパ様がフンっと鼻を鳴らす。
「さぁな。…1年って書いてあった気がするけど、仮にも破壊神だしな。そのうちすぐ元に戻んじゃね?じゃあな!」
そんなアバウトな言葉を残して通信が切れた。
「だ、そうですのでビルス様には元に戻るまで、この星で大人しくしておいてもらいましょう。」
「イヤだね。なんでボクがお前の言うことを聞かなきゃならないんだ。お前らの事情なんか知ったこっちゃない。ボクはボクの好きなようにする。」
どうやら、わがままで気まぐれなのはこの時から変わらないようだ。
「そうは申されましても、ビルス様にその状態でここから出ていかれては後々面倒な事になります。」
「知らないって言ってるだろ。邪魔するならお前を倒して出て行くだけだ!!」
「くっそー!!なんであいつに勝てないんだ!!!」
あの後、ウイスさんに飛びかかったビルス様は返り討ちにあってしまった。
そのイライラが収まらないのか、ずっと悪態をついている。
「お前も!なんでボクについて回るんだよ!破壊するぞ!」
「…そう言われましても…私はビルス様の使用人ですし…。」
ウイスさんにお世話を頼まれたのだから仕方がないじゃないか…。
『ビルス様が脱走出来ないように結界を張ってきますので、ビルス様のお世話をお願いしますね。後、くれぐれも今のビルス様に関することはなるべく教えない様にして下さいね。』
ウイスさんの言葉を回想をしていると、ぐううう、と大きな音が鳴る。
「〜〜!むううう…!くっそぉ…!」
「……何かお作りしますね。」
と、言ったものの忘れていた…。昨日の酒盛りで地球の食材を殆ど使い切ってしまったのだった…。
どこかの星のカラフルな魚は有るが調理する勇気は無いので、仕方なく唯一残っていた卵を使って卵焼きと、目玉焼きと、スクランブルエッグを作った。
卵オンパレードで料理と呼べるか怪しいが、致し方ないだろう…。
ビルス様の前に並べると、手をつけず睨みつけている。
「心配しなくても毒なんか入っていませんよ?」
「……どうだかな。…先にお前が食べろ。」
2つの目玉焼きを真ん中で割いて、1つ寄越す。警戒心が強いな。
仕方なく取り分けられた目玉焼きにケチャップをかけて食べて見せた。
「それ、なんだ?なにをかけた?」
少し興味深そうにビルス様が言った。
「ケチャップです。目玉焼きにかけると美味しいんですよ。」
しばらくジィーっと睨みつけていたが、やがて私の真似をしてケチャップをかける。
スンスンと匂いを嗅ぎ、そのまま一口でパクリと食べた。
「どうですか?」
「…………うまい。」
しかめっ面だけど、尻尾が揺れているので嘘ではないのだろう。
そのあとは言葉を発さずにムシャムシャと咀嚼していた。
「くっそ…。やっぱり勝てない…。」
食べ終わった後もビルス様はウイスさんに食ってかかり、その度に軽くあしらわれていた。
その攻防は夜まで続き、くたびれた様子のビルス様がうな垂れている。
「まあ…ウイスさんはとてもお強いですから…。」
未来の貴方のお師匠様ですからね…、とは口に出さず、苦笑いをする。
「今日はもう、お休みになられてはいかがですか?」
「………きぶんがわるすぎて寝られない。」
忌々しそうに零すビルス様に、何と声をかけていいものか分からず「あー…。」と困った声が出る。
「……ボクより強いやつがいるなんて思いもしなかった。」
拳を握りしめ、悔しそうに呟くビルス様の目が潤む。
…慰めの言葉より先に無意識に手を伸ばしていた。
「…っ!…?」
はっ!しまった!思わず、頭を撫でてしまった…!
いくら小さいとは言え、プライドの高いビルス様の頭を撫でるなんて破壊案件だ…!
「あ、す、すみません!今のは…」
「いい。続けていい…。」
「え、でも…。」
「いいからはやくナデナデしろ!!」
「は、はい!!」
終いには「そこに座れ。」とソファーに促され、膝に頭を乗せられた。
完全に寝る体勢だ…。
疲れて手を止めると、髪の毛を2回ひっぱられて"止めるな"の合図を送ってくる。
それはビルス様が眠るまで繰り返された。
「シャンパ様はああ言っていましたが、調べてみると元に戻る効果があるものも存在するようですし、取りに行った方が確実でしょうねぇ。破壊神がいつまでもこのままの訳には行きませんし、突っかかられるのもいい加減面倒ですし。」
後者が本音だな…、と考えながら眠っているビルス様を抱え直す。
ビルス様が眠った後、足が痺れたので抜け出そうとすると、寝ぼけたビルス様に首にしがみつかれて離れなくなってしまった。
…子供ながら凄い力だ…。
「今から出発されるのですか?…夜ですが。」
「問題ありません。私は睡眠をとりませんし、今から行けば丁度明日の朝には戻って来れますしね。」
私とウイスさんの話し声に「うぅん…。」と唸ってビルス様が目を覚まされる。
ウイスさんと私を寝ぼけ目で見比べた後、しがみついていた手にギュウーッ!と力を込める。
「え、ちょ…ビ、ビルス様…!く、苦し…!」
「夢主はボクの使用人なんだろ…!だったらこいつと話すな…!!」
な、なんでそうなるんだ…!
「いけませんよビルス様。今は御守りの力も弱まっているんですから。そのままだと夢主さんが死んでしまわれますよ。」
むっすー、とした顔でビルス様が渋々力を抜く。
た、助かった…。
「では、行ってきます。先ほども言いましたが、距離が有りますので今日中には帰って来れません。明日の朝頃に戻ります。」
光に包まれ飛んでいくウイスさんにベーッと舌を出すビルス様。
勝てなかったことが余程悔しいのだろう、随分根に持っているようだ…。
「さて、ではもうお休みになりましょうか。降りてくださいな。」
「やだ。」
即答されてしまった。えぇ…どうしよう…。
「眠くありませんか?」
「ねむい。」
「では、お布団に入りましょう。降りてく…」
「やだ。」
…えぇ…(2回目)
イヤイヤ期…だろうか…。
グリグリと頭を押し付けて首を振る。ちょっと可愛いな。
「夢主も…。」
「はい?」
「…ボクといっしょに寝ろ。」
「いいですよ。では、その前にまず歯磨きです。」と返事をして、引っ付くビルス様の背中をポンポンと軽く叩いた。
***
普段、寝汚くなかなか起きないビルスはこの日ばかりは目覚め3秒で眠気が吹き飛び、文字通り飛び起きた。
「え……?なん……?は…?」
今しがた自分が飛び出したベッドには夢主が寝息をたてており、事態が飲み込めないビルスの口からは疑問符が溢れ出る。
「ただいま戻りました。…おや、ビルス様。お戻りになられたんですね。では、これは無駄になってしまいましたね。」
「…おい…ウイス…。どういう事か説明しろ…。」
冷や汗を流し、夢主を凝視するビルスにウイスが呑気に口を開く。
「今朝の経緯ですか?私の知る限りですと、ビルス様が夢主さんに引っ付いて離れなくなり、この現状を見る限り…そのまま同衾したようですね。」
「子供になったビルス様が。」と最後に付け足した頃にはフリーズしており、その言葉はしばしビルスの耳には届かなかった。
「くかぁ〜…むぐむぐ…。」
喉の乾きで目が覚め、水を飲みに広間へ行くと、ビルス様がソファで寝息を立てていた。それは別に可笑しなことではない。
私が潰れてしまった後も、恐らくお酒を飲み続けてそのままここで眠ってしまったのだろう。
可笑しいのは…
「子、ども…?」
ビルス様のサイズだ…。
悟天くんやトランクスくんと同じくらいだろうか。
「おはようございます。…アルコールの匂いが篭ってますね…。……おや…。」
「おはようございますウイスさん。…あの、来てみれば既にこの有様で…。」
ウイスさんが転がっていた酒瓶の1つを手に取る。
「これは…以前ジャンパ様が飲むと面白い事になると言っていた……。これですね。」
つまりはこの現状の原因はジャンパ様ということか…。
「だれ?」
小さなビルス様が顔を擦りながら眠そうな目でこちらを凝視する。
「あ…おはようございます…ビルス様…。」
「だれなのお前…ここどこ。なんでボクのなまえ知ってるの?」
「はぁ…面倒な事になりましたね。」
映像の奥で小さくなったビルス様を見てシャンパ様がゲラゲラと笑う。
「いい様だな!!ビルス!!」
「なんだよあのおデブ…!なんかボクの知ってるやつにすっごく似ててムカつくんだけど!」
「シャンパ様、こちらの品を覚えておられますか?…ビルス様が飲んでしまわれてご覧の通り…。…どのくらいで元に戻るのか教えていただきたいのですが。」
ひとしきり笑って落ち着いたシャンパ様がフンっと鼻を鳴らす。
「さぁな。…1年って書いてあった気がするけど、仮にも破壊神だしな。そのうちすぐ元に戻んじゃね?じゃあな!」
そんなアバウトな言葉を残して通信が切れた。
「だ、そうですのでビルス様には元に戻るまで、この星で大人しくしておいてもらいましょう。」
「イヤだね。なんでボクがお前の言うことを聞かなきゃならないんだ。お前らの事情なんか知ったこっちゃない。ボクはボクの好きなようにする。」
どうやら、わがままで気まぐれなのはこの時から変わらないようだ。
「そうは申されましても、ビルス様にその状態でここから出ていかれては後々面倒な事になります。」
「知らないって言ってるだろ。邪魔するならお前を倒して出て行くだけだ!!」
「くっそー!!なんであいつに勝てないんだ!!!」
あの後、ウイスさんに飛びかかったビルス様は返り討ちにあってしまった。
そのイライラが収まらないのか、ずっと悪態をついている。
「お前も!なんでボクについて回るんだよ!破壊するぞ!」
「…そう言われましても…私はビルス様の使用人ですし…。」
ウイスさんにお世話を頼まれたのだから仕方がないじゃないか…。
『ビルス様が脱走出来ないように結界を張ってきますので、ビルス様のお世話をお願いしますね。後、くれぐれも今のビルス様に関することはなるべく教えない様にして下さいね。』
ウイスさんの言葉を回想をしていると、ぐううう、と大きな音が鳴る。
「〜〜!むううう…!くっそぉ…!」
「……何かお作りしますね。」
と、言ったものの忘れていた…。昨日の酒盛りで地球の食材を殆ど使い切ってしまったのだった…。
どこかの星のカラフルな魚は有るが調理する勇気は無いので、仕方なく唯一残っていた卵を使って卵焼きと、目玉焼きと、スクランブルエッグを作った。
卵オンパレードで料理と呼べるか怪しいが、致し方ないだろう…。
ビルス様の前に並べると、手をつけず睨みつけている。
「心配しなくても毒なんか入っていませんよ?」
「……どうだかな。…先にお前が食べろ。」
2つの目玉焼きを真ん中で割いて、1つ寄越す。警戒心が強いな。
仕方なく取り分けられた目玉焼きにケチャップをかけて食べて見せた。
「それ、なんだ?なにをかけた?」
少し興味深そうにビルス様が言った。
「ケチャップです。目玉焼きにかけると美味しいんですよ。」
しばらくジィーっと睨みつけていたが、やがて私の真似をしてケチャップをかける。
スンスンと匂いを嗅ぎ、そのまま一口でパクリと食べた。
「どうですか?」
「…………うまい。」
しかめっ面だけど、尻尾が揺れているので嘘ではないのだろう。
そのあとは言葉を発さずにムシャムシャと咀嚼していた。
「くっそ…。やっぱり勝てない…。」
食べ終わった後もビルス様はウイスさんに食ってかかり、その度に軽くあしらわれていた。
その攻防は夜まで続き、くたびれた様子のビルス様がうな垂れている。
「まあ…ウイスさんはとてもお強いですから…。」
未来の貴方のお師匠様ですからね…、とは口に出さず、苦笑いをする。
「今日はもう、お休みになられてはいかがですか?」
「………きぶんがわるすぎて寝られない。」
忌々しそうに零すビルス様に、何と声をかけていいものか分からず「あー…。」と困った声が出る。
「……ボクより強いやつがいるなんて思いもしなかった。」
拳を握りしめ、悔しそうに呟くビルス様の目が潤む。
…慰めの言葉より先に無意識に手を伸ばしていた。
「…っ!…?」
はっ!しまった!思わず、頭を撫でてしまった…!
いくら小さいとは言え、プライドの高いビルス様の頭を撫でるなんて破壊案件だ…!
「あ、す、すみません!今のは…」
「いい。続けていい…。」
「え、でも…。」
「いいからはやくナデナデしろ!!」
「は、はい!!」
終いには「そこに座れ。」とソファーに促され、膝に頭を乗せられた。
完全に寝る体勢だ…。
疲れて手を止めると、髪の毛を2回ひっぱられて"止めるな"の合図を送ってくる。
それはビルス様が眠るまで繰り返された。
「シャンパ様はああ言っていましたが、調べてみると元に戻る効果があるものも存在するようですし、取りに行った方が確実でしょうねぇ。破壊神がいつまでもこのままの訳には行きませんし、突っかかられるのもいい加減面倒ですし。」
後者が本音だな…、と考えながら眠っているビルス様を抱え直す。
ビルス様が眠った後、足が痺れたので抜け出そうとすると、寝ぼけたビルス様に首にしがみつかれて離れなくなってしまった。
…子供ながら凄い力だ…。
「今から出発されるのですか?…夜ですが。」
「問題ありません。私は睡眠をとりませんし、今から行けば丁度明日の朝には戻って来れますしね。」
私とウイスさんの話し声に「うぅん…。」と唸ってビルス様が目を覚まされる。
ウイスさんと私を寝ぼけ目で見比べた後、しがみついていた手にギュウーッ!と力を込める。
「え、ちょ…ビ、ビルス様…!く、苦し…!」
「夢主はボクの使用人なんだろ…!だったらこいつと話すな…!!」
な、なんでそうなるんだ…!
「いけませんよビルス様。今は御守りの力も弱まっているんですから。そのままだと夢主さんが死んでしまわれますよ。」
むっすー、とした顔でビルス様が渋々力を抜く。
た、助かった…。
「では、行ってきます。先ほども言いましたが、距離が有りますので今日中には帰って来れません。明日の朝頃に戻ります。」
光に包まれ飛んでいくウイスさんにベーッと舌を出すビルス様。
勝てなかったことが余程悔しいのだろう、随分根に持っているようだ…。
「さて、ではもうお休みになりましょうか。降りてくださいな。」
「やだ。」
即答されてしまった。えぇ…どうしよう…。
「眠くありませんか?」
「ねむい。」
「では、お布団に入りましょう。降りてく…」
「やだ。」
…えぇ…(2回目)
イヤイヤ期…だろうか…。
グリグリと頭を押し付けて首を振る。ちょっと可愛いな。
「夢主も…。」
「はい?」
「…ボクといっしょに寝ろ。」
「いいですよ。では、その前にまず歯磨きです。」と返事をして、引っ付くビルス様の背中をポンポンと軽く叩いた。
***
普段、寝汚くなかなか起きないビルスはこの日ばかりは目覚め3秒で眠気が吹き飛び、文字通り飛び起きた。
「え……?なん……?は…?」
今しがた自分が飛び出したベッドには夢主が寝息をたてており、事態が飲み込めないビルスの口からは疑問符が溢れ出る。
「ただいま戻りました。…おや、ビルス様。お戻りになられたんですね。では、これは無駄になってしまいましたね。」
「…おい…ウイス…。どういう事か説明しろ…。」
冷や汗を流し、夢主を凝視するビルスにウイスが呑気に口を開く。
「今朝の経緯ですか?私の知る限りですと、ビルス様が夢主さんに引っ付いて離れなくなり、この現状を見る限り…そのまま同衾したようですね。」
「子供になったビルス様が。」と最後に付け足した頃にはフリーズしており、その言葉はしばしビルスの耳には届かなかった。