日常
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「そんなことがあったの。」
誘拐事件の翌日、私は食堂でブルマさんに昨夜起こった一連の出来事を話していた。
「ちょっと待ってて。」とわざわざ席を立ち「はい。」と、暖かいココアを差し出してくれる。
「ありがとうございます。」
「いいのよ。それより、怪我が無いようで良かったわね。」
「むぐ、もぐ、むぐぐんんぐ!」
隣に座っていた悟空さんが口に物を詰め込みながら、何かを喋っている。……なぜここに?
「ちょっと孫くん!飲み込んでから喋りなさいよ!って言うか、あんたウイスさんに用があって来たんでしょ?何、人ん家の食堂で寛いでんの!」
ブルマさんが優雅に食事をしているウイスさんを指差して怒った。
そう言うことか、また修行だな。
納得しているとブルマさんに見えない位置で「これもあげる。」とトランクスくんが自分のお皿から野菜を移動させている。
目が合うとシーっと人差し指を立てるジェスチャーをした。可愛いな。仕方ない、見なかった事にしてあげよう。
言葉を発する為にもぐもぐと口を動かしている悟空さんを待っていると、ビルス様が起きて来た。
「おや、おはようございますビルス様。」
「ウイス!お前、何ボクより先に美味しいものにありついちゃってんの。」
「すみません。ビルス様がなかなか起きて来られなかったもので。先に頂いておりました。」
「…あの、おはようございます。ビルス様。」
ビルス様がこちらに視線をよこす。
昨日の誘拐事件以来、私のビルス様に対する印象が少し変わった。
ビルス様に対する恐怖がすっかり消えた
「………おはよう。」
……訳ではないが、以前より対面する時の緊張が和らいだ。
なんと、挨拶をする時に吃らないようになったのだ!!これは自分でも素晴らしい成長だと思う。
昨日の帰り道もビルス様の物腰がいつもより少し柔らかかった気がした。
ビルス様とこれから少しずつコミュニケーションを図ってみようかなと考える程だ。もしかしたら見えていなかった側面が見えてくるかもしれない。
「おい悟空、そこをどけ。」
「ごくん!え?何でだ?そこ、空いてっぞ。」
悟空さんがお箸で他の席を指す。
「いいからそこをどけ!!ボクの命令が聞けないって言うのか…?」
不穏な空気になって来た所でブルマさんが慌てて悟空さんを張り手で退ける。
ベシャリと悟空さんが滑り落ちてビルス様がその席にドカリと座った。何故だ…。
私の隣に座ったビルス様は何も言葉を発さない。
「………。」
「…………。」
…コミュニケーションを取ってみようと思っていたが、少しずつの話だ…!いくらなんでも前触れが無さすぎる…!
沈黙の気まずさに耐えきれず、頭をさすっている悟空さんに声を掛けた。
「そう言えば、悟空さん。さっき何て言ったんですか?」
「ん?あぁ。おめぇ、ビルス様のとばっちり受けたんだってな!災難だったな!!」
…笑いながら悟空さんが言った一言に食堂が静まり返った。
皆さんの表情が固まって悟空さんを凝視している。
「ん?そいつらビルス様に恨みを持ってるやつだったんだろ?」
「そ、そうかもしれないけど孫くん…!」
「…それ言っちゃダメなやつなんじゃないの?」
ブルマさんとトランクスくんがひそひそと悟空さんに詰め寄った。
そういえば……たしかに…。
助けていただいた事に感謝の念がいっぱいで抜け落ちていたが、そもそもビルス様への復讐に巻き込まれる形で連れ去られたような…。
気がついてしまった事実に苦笑していると、ビルス様が悟空さんの頭を殴った。
「いってー!!何すんだよビルス様!」
「お前が余計なこと言うからだ!!!」
「オラ余計なことなんて言ってねぇぞ。」と、不平を垂れている悟空さんにウイスさんがやれやれとため息を吐く。
「藪蛇ですね。」
「…夢主。お前今、『たしかに』って思ったな…?」
ビルス様がぐりんと顔をこちらに向け、凄みのある声で聞いてくる。
喉の奥がキュッと締まり、体が硬直する。
「…お、思ってません…!微塵も…!」
「本当だろうなぁ…?」
「ほ、本当です…!」
震えた声で必死に答えていると見兼ねたウイスさんがフォローを入れてくれた。
「ビルス様。八つ当たりはいけませんよ。………そんなに睨むとまた元に戻っちゃいますよ。」
「ぐぎぎぎ…!!!」
歯ぎしりをしながら、悟空さんの頭をもう1発殴って食べ物を取りに席を離れた。
「少し、地球に長居しすぎましたね。こちらを頂いたらお土産を貰って帰りましょうか。」とウイスさんが1人呑気に言った。
難を逃れた事で肩の荷が降り脱力する。
…誰だ…物腰が柔らかくなったとか勘違いした馬鹿は………私か……。
そこでハッと思い当たる。
……もしかして、物腰が柔らかく感じたのは誘拐事件に責任を感じていたから…なのでは…?
そうだ、あの時感じたものは限定的なものだったに違いない。
……危なかった。早合点で調子に乗ってしまう所だった。やはり、私なんかが馴れ馴れしく接してはいけないのだ。
ガンガン行かず、以前のように油断せずに行こう。コマンドは命を大事にだ。……下手を打てばただの屍になってしまう……。
「夢主。」
「…っ、はい!」
意識を改めた直後に料理を抱えたビルス様が戻ってくる。
「…………不味そうだからお前が食べろ。」
その中で手の付けられていないプリンを私の前に置いた。
…先程の一件が尾を引いているのであろう、とうとう残飯処理係まで担当になってしまったようだ……。
「なんだビルス様!いらねーんならオラが食うぞ!」
「お前は本当に破壊されたいのかっ…!!」
悟空さんに歯をむき出しにして怒鳴るビルス様を尻目に、私は目の前のプリンを悟空さんに譲るべきか思考を巡らせた。
誘拐事件の翌日、私は食堂でブルマさんに昨夜起こった一連の出来事を話していた。
「ちょっと待ってて。」とわざわざ席を立ち「はい。」と、暖かいココアを差し出してくれる。
「ありがとうございます。」
「いいのよ。それより、怪我が無いようで良かったわね。」
「むぐ、もぐ、むぐぐんんぐ!」
隣に座っていた悟空さんが口に物を詰め込みながら、何かを喋っている。……なぜここに?
「ちょっと孫くん!飲み込んでから喋りなさいよ!って言うか、あんたウイスさんに用があって来たんでしょ?何、人ん家の食堂で寛いでんの!」
ブルマさんが優雅に食事をしているウイスさんを指差して怒った。
そう言うことか、また修行だな。
納得しているとブルマさんに見えない位置で「これもあげる。」とトランクスくんが自分のお皿から野菜を移動させている。
目が合うとシーっと人差し指を立てるジェスチャーをした。可愛いな。仕方ない、見なかった事にしてあげよう。
言葉を発する為にもぐもぐと口を動かしている悟空さんを待っていると、ビルス様が起きて来た。
「おや、おはようございますビルス様。」
「ウイス!お前、何ボクより先に美味しいものにありついちゃってんの。」
「すみません。ビルス様がなかなか起きて来られなかったもので。先に頂いておりました。」
「…あの、おはようございます。ビルス様。」
ビルス様がこちらに視線をよこす。
昨日の誘拐事件以来、私のビルス様に対する印象が少し変わった。
ビルス様に対する恐怖がすっかり消えた
「………おはよう。」
……訳ではないが、以前より対面する時の緊張が和らいだ。
なんと、挨拶をする時に吃らないようになったのだ!!これは自分でも素晴らしい成長だと思う。
昨日の帰り道もビルス様の物腰がいつもより少し柔らかかった気がした。
ビルス様とこれから少しずつコミュニケーションを図ってみようかなと考える程だ。もしかしたら見えていなかった側面が見えてくるかもしれない。
「おい悟空、そこをどけ。」
「ごくん!え?何でだ?そこ、空いてっぞ。」
悟空さんがお箸で他の席を指す。
「いいからそこをどけ!!ボクの命令が聞けないって言うのか…?」
不穏な空気になって来た所でブルマさんが慌てて悟空さんを張り手で退ける。
ベシャリと悟空さんが滑り落ちてビルス様がその席にドカリと座った。何故だ…。
私の隣に座ったビルス様は何も言葉を発さない。
「………。」
「…………。」
…コミュニケーションを取ってみようと思っていたが、少しずつの話だ…!いくらなんでも前触れが無さすぎる…!
沈黙の気まずさに耐えきれず、頭をさすっている悟空さんに声を掛けた。
「そう言えば、悟空さん。さっき何て言ったんですか?」
「ん?あぁ。おめぇ、ビルス様のとばっちり受けたんだってな!災難だったな!!」
…笑いながら悟空さんが言った一言に食堂が静まり返った。
皆さんの表情が固まって悟空さんを凝視している。
「ん?そいつらビルス様に恨みを持ってるやつだったんだろ?」
「そ、そうかもしれないけど孫くん…!」
「…それ言っちゃダメなやつなんじゃないの?」
ブルマさんとトランクスくんがひそひそと悟空さんに詰め寄った。
そういえば……たしかに…。
助けていただいた事に感謝の念がいっぱいで抜け落ちていたが、そもそもビルス様への復讐に巻き込まれる形で連れ去られたような…。
気がついてしまった事実に苦笑していると、ビルス様が悟空さんの頭を殴った。
「いってー!!何すんだよビルス様!」
「お前が余計なこと言うからだ!!!」
「オラ余計なことなんて言ってねぇぞ。」と、不平を垂れている悟空さんにウイスさんがやれやれとため息を吐く。
「藪蛇ですね。」
「…夢主。お前今、『たしかに』って思ったな…?」
ビルス様がぐりんと顔をこちらに向け、凄みのある声で聞いてくる。
喉の奥がキュッと締まり、体が硬直する。
「…お、思ってません…!微塵も…!」
「本当だろうなぁ…?」
「ほ、本当です…!」
震えた声で必死に答えていると見兼ねたウイスさんがフォローを入れてくれた。
「ビルス様。八つ当たりはいけませんよ。………そんなに睨むとまた元に戻っちゃいますよ。」
「ぐぎぎぎ…!!!」
歯ぎしりをしながら、悟空さんの頭をもう1発殴って食べ物を取りに席を離れた。
「少し、地球に長居しすぎましたね。こちらを頂いたらお土産を貰って帰りましょうか。」とウイスさんが1人呑気に言った。
難を逃れた事で肩の荷が降り脱力する。
…誰だ…物腰が柔らかくなったとか勘違いした馬鹿は………私か……。
そこでハッと思い当たる。
……もしかして、物腰が柔らかく感じたのは誘拐事件に責任を感じていたから…なのでは…?
そうだ、あの時感じたものは限定的なものだったに違いない。
……危なかった。早合点で調子に乗ってしまう所だった。やはり、私なんかが馴れ馴れしく接してはいけないのだ。
ガンガン行かず、以前のように油断せずに行こう。コマンドは命を大事にだ。……下手を打てばただの屍になってしまう……。
「夢主。」
「…っ、はい!」
意識を改めた直後に料理を抱えたビルス様が戻ってくる。
「…………不味そうだからお前が食べろ。」
その中で手の付けられていないプリンを私の前に置いた。
…先程の一件が尾を引いているのであろう、とうとう残飯処理係まで担当になってしまったようだ……。
「なんだビルス様!いらねーんならオラが食うぞ!」
「お前は本当に破壊されたいのかっ…!!」
悟空さんに歯をむき出しにして怒鳴るビルス様を尻目に、私は目の前のプリンを悟空さんに譲るべきか思考を巡らせた。