日常
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気がつくと、目の前に満天の星が広がっていた。
仰向けに寝ながらピカピカと輝く星をしばらく眺め、こんなにじっくりと星を見るのなんていつ以来だろうと思う。
………あれ、そういえば何で星なんか眺めてるんだっけ?
記憶が混乱しているのか、今の現状がよく理解できない。
確か、お祭りに…あ、そうだ!人質にされて…え、って事はし、死んだの!?
「起きた?」
「っ!?」
ゴツン!
……星空から一変、目の前にぬっとビルス様の顔が現れたので驚いて跳ね起きてしまった。
ひ、額が…!割れるほど痛い……。
「…何するの。」
「ほ、本当にすみません!お、驚いてしまったもので…!」
ビルス様がムッとしかめっ面を作って言った。
私と違い全くダメージを受けていない所に強度の差が現れている。
私が上体を起こしたので、空いたスペースにビルス様が腰掛けた。
改めて周りを見ると、どうやら公園のベンチに寝ていたようだ。
「あ、そうか…ビルス様に助けられて…。」
そう呟くとビルス様が焦ったように両腕を頭の後ろで組んで、やれやれと面倒臭さそうに言う。
「ほんと、面倒ごとに巻き込まないでよね。…焦って探したりなんかしてないから。キレてもなかったし?…だいたい、護身のお守りだってあったんだ。飛ぶなり走るなりして逃げれば…」
ビルス様がそこで言葉を切る。
すると、手の上にポタリと水が落ちてきた。
あれ?と思うと次々と落ちて来て、漸く自分が泣いている事に気付いた。
「ぁ、あれ…。あ、あの。すみません!本当にすみません!」
ビルス様の使用人になってから死にそうな思いなんて何度もした。
ビルス様のお怒りに触れたり、ウイスさんに突き落とされたり。
…でも、純粋な殺気を向けられた事は一度もなかったのだ。
それがあんなにも恐ろしい物だとは知りもしなかったのだ。
決壊したように次々と溢れ出てくる涙を必死に拭う。
「すみません…。ごめんなさい…。」
早く止めないと、面倒だと思われて破壊されてしまうかもしれない。
グシグシと必死に目元を擦っていると、ビルス様に腕を掴まれた。
「……いいよ、別に。………キミなら面倒だとか、思ったりしないから。」
「もう落とすなよ。」と、連れ去られる時に落としてしまったぬいぐるみを顔にあてがわれた。
押し付けられたそのぬいぐるみに、優しさのような暖かさを感じてまた、涙が止まらなくなる。
「落ち着いたら言え。」
そう呟いてビルス様はそれ以降何も喋らなかった。
静かな夜の公園に私の嗚咽だけが響いた。
「ありがとうございます…。もう、大丈夫です。」
「…あ、そう。」
木で鼻をくくったような返事をしてビルス様が立ち上がる。
泣きすぎて目元が重い。これは酷く腫れているだろうな…。
「腕を出せ。」
ビルス様が振り向いて片手をこちらに差し出している。
意味を図りかねて両腕を上げるとすかさず補足した。
「…御守りをしている方の。」
慌てて言われた通りに片手を差し出すと、いつかのようにビルス様がミサンガごと腕を掴む。
前回とは違い、その後にもう片方の手を上から被せた。
ゴウッと強い光が溢れ、ビルス様の手の中から以前よりもより濃い光が漏れている。
その光から目を離す事なく、ビルス様が静かに口を開いた。
「…約束してあげるよ。…もう、置いて行ったりしない。」
本当に何でもないような自然な口調。
でも、何処か誓うような力強さが紛れている……そう感じたのは気のせいなのだろうか。
「それから、」
(ーーボクが絶対に守ってやるから。)
そこで漸く光が収まる。
呆然としている私を他所にビルス様がパッと手を離して欠伸をしながら言った。
「…何でもない。…さて、お腹も空いたし、帰るか。結局出店の食べ物、食べに行けなかったしね。」
さっきの、頭に流れ込んできた台詞は私の妄想…?それとも、幻想…?
ぼーっと見つめている私にビルス様が「何だ?」と訝しげに聞いてくる。
……そんなはずはないだろう。
ただ、これだけはどうしても言っておかなければならない。
「ビルス様。助けてくれて、ありがとうございます。」
「………おう。」
仰向けに寝ながらピカピカと輝く星をしばらく眺め、こんなにじっくりと星を見るのなんていつ以来だろうと思う。
………あれ、そういえば何で星なんか眺めてるんだっけ?
記憶が混乱しているのか、今の現状がよく理解できない。
確か、お祭りに…あ、そうだ!人質にされて…え、って事はし、死んだの!?
「起きた?」
「っ!?」
ゴツン!
……星空から一変、目の前にぬっとビルス様の顔が現れたので驚いて跳ね起きてしまった。
ひ、額が…!割れるほど痛い……。
「…何するの。」
「ほ、本当にすみません!お、驚いてしまったもので…!」
ビルス様がムッとしかめっ面を作って言った。
私と違い全くダメージを受けていない所に強度の差が現れている。
私が上体を起こしたので、空いたスペースにビルス様が腰掛けた。
改めて周りを見ると、どうやら公園のベンチに寝ていたようだ。
「あ、そうか…ビルス様に助けられて…。」
そう呟くとビルス様が焦ったように両腕を頭の後ろで組んで、やれやれと面倒臭さそうに言う。
「ほんと、面倒ごとに巻き込まないでよね。…焦って探したりなんかしてないから。キレてもなかったし?…だいたい、護身のお守りだってあったんだ。飛ぶなり走るなりして逃げれば…」
ビルス様がそこで言葉を切る。
すると、手の上にポタリと水が落ちてきた。
あれ?と思うと次々と落ちて来て、漸く自分が泣いている事に気付いた。
「ぁ、あれ…。あ、あの。すみません!本当にすみません!」
ビルス様の使用人になってから死にそうな思いなんて何度もした。
ビルス様のお怒りに触れたり、ウイスさんに突き落とされたり。
…でも、純粋な殺気を向けられた事は一度もなかったのだ。
それがあんなにも恐ろしい物だとは知りもしなかったのだ。
決壊したように次々と溢れ出てくる涙を必死に拭う。
「すみません…。ごめんなさい…。」
早く止めないと、面倒だと思われて破壊されてしまうかもしれない。
グシグシと必死に目元を擦っていると、ビルス様に腕を掴まれた。
「……いいよ、別に。………キミなら面倒だとか、思ったりしないから。」
「もう落とすなよ。」と、連れ去られる時に落としてしまったぬいぐるみを顔にあてがわれた。
押し付けられたそのぬいぐるみに、優しさのような暖かさを感じてまた、涙が止まらなくなる。
「落ち着いたら言え。」
そう呟いてビルス様はそれ以降何も喋らなかった。
静かな夜の公園に私の嗚咽だけが響いた。
「ありがとうございます…。もう、大丈夫です。」
「…あ、そう。」
木で鼻をくくったような返事をしてビルス様が立ち上がる。
泣きすぎて目元が重い。これは酷く腫れているだろうな…。
「腕を出せ。」
ビルス様が振り向いて片手をこちらに差し出している。
意味を図りかねて両腕を上げるとすかさず補足した。
「…御守りをしている方の。」
慌てて言われた通りに片手を差し出すと、いつかのようにビルス様がミサンガごと腕を掴む。
前回とは違い、その後にもう片方の手を上から被せた。
ゴウッと強い光が溢れ、ビルス様の手の中から以前よりもより濃い光が漏れている。
その光から目を離す事なく、ビルス様が静かに口を開いた。
「…約束してあげるよ。…もう、置いて行ったりしない。」
本当に何でもないような自然な口調。
でも、何処か誓うような力強さが紛れている……そう感じたのは気のせいなのだろうか。
「それから、」
(ーーボクが絶対に守ってやるから。)
そこで漸く光が収まる。
呆然としている私を他所にビルス様がパッと手を離して欠伸をしながら言った。
「…何でもない。…さて、お腹も空いたし、帰るか。結局出店の食べ物、食べに行けなかったしね。」
さっきの、頭に流れ込んできた台詞は私の妄想…?それとも、幻想…?
ぼーっと見つめている私にビルス様が「何だ?」と訝しげに聞いてくる。
……そんなはずはないだろう。
ただ、これだけはどうしても言っておかなければならない。
「ビルス様。助けてくれて、ありがとうございます。」
「………おう。」