小話
幼児退行した藍染先生の話
2021/10/25 08:56見た目はそのままで精神だけ幼児退行した藍染先生。
あまりにも無垢で幼い言動から推定年齢は4歳頃。
ちょっと目を離した隙に姿が見えなくなって、必死に捜したら学園すぐ側の森林で座り込んでいた。
トト口に会いたかったと無邪気に笑う両手には、溢れんばかりのどんぐりの山。
身長も顔立ちも声色も明らかに成人男性のそれなのに、仕草と表情はあどけない幼児そのもので、見ていると急に不安になってきた。
このまま元に戻らないんじゃないか。
もう前の藍染先生には会えないんじゃないか。
そんなことを考えるうちに視界が滲んで、俯いた拍子に落ちた雫でズボンが点々と濡れた。
「よしよし」
優しい手に頭を撫でられた。
いつもの物腰柔らかな彼とは違い、やや大雑把にワシワシと撫でてくる。
「ツルツルのどんぐり、あげる。どうぞ」
宥めるような口調だ。
きっと彼は幼い頃から面倒見が良かったのだろう。
手渡されたどんぐりはこちらの顔が反射して見えるくらい上等なものだった。
あまりにも無垢で幼い言動から推定年齢は4歳頃。
ちょっと目を離した隙に姿が見えなくなって、必死に捜したら学園すぐ側の森林で座り込んでいた。
トト口に会いたかったと無邪気に笑う両手には、溢れんばかりのどんぐりの山。
身長も顔立ちも声色も明らかに成人男性のそれなのに、仕草と表情はあどけない幼児そのもので、見ていると急に不安になってきた。
このまま元に戻らないんじゃないか。
もう前の藍染先生には会えないんじゃないか。
そんなことを考えるうちに視界が滲んで、俯いた拍子に落ちた雫でズボンが点々と濡れた。
「よしよし」
優しい手に頭を撫でられた。
いつもの物腰柔らかな彼とは違い、やや大雑把にワシワシと撫でてくる。
「ツルツルのどんぐり、あげる。どうぞ」
宥めるような口調だ。
きっと彼は幼い頃から面倒見が良かったのだろう。
手渡されたどんぐりはこちらの顔が反射して見えるくらい上等なものだった。