ネズユウ
「 妹の友達」 は「 おれの友達」 にもなるのでしょうか?
と、⽇々悩むおれがいる訳でありまして。そう、例えば彼⼥がおれの「 友達」 なら、「 別れる」 なんてこともないわけで。だってそもそも付き合っていないのだから。それって少し永遠じゃないですか。
⼈を好きになるのが少々久し振りなもので、その上によもやその相⼿が妹の親友だなんて事態なもので。歳は離れているし、彼⼥は妹の友達だし、お互いに⽴場はあるし、⾔ってしまえば彼⼥は今のところ、「 おれの友達」 ですらないわけで。
あわよくば恋⼈になってもらえませんかね、と悩んでみたところで、現実は変わらず、ユウリはおれのことを「 マリィのお兄さん」 としか思っていないのです。ステー ジに上がる前に、階段を踏み壊した気分です。最初から頓挫している恋に、どんな先があるだろう。
だったら、「 友達」 になれたらいい。
きみのことが好きだから、キスだってハグだってちょっとだけしたいけれど、別れが来るのが嫌だから、友達がいい。
そうしたら、寂しくてどうしようもないおれが、きみに電話をしてもいいですか。朝までずっと、⻑電話をしてもいいですか。
他⼈の⼼に⼟⾜で踏み込むのはいけないって⾔いますよね。でも、それの全てがいけないこととは、おれは思わないんです。
おれの本当の姿を⾒てくれる⼈なんていない。おれは悪タイプの天才で、イケてるシンガーで、ちょっと怖くて近寄り難い。誰もが想像するおれはそんな感じ。
ぜんっぜん違う。おれはいつだって⾺⿅みたいに泣きたいし、イカつい⾒た⽬は虚勢だ。それを誰かに⾔ったところで、悲しいかな、「 そういうキャラ作りか」 としか思われないのである。誰も、おれの本当のことなんてわかってくれない。わかろうともしないだろう。
けれど。
きみが「 どうして哀しいの」?と聞いてくれたあの⽇。ねえ、信じますか。
おれにそんなことを聞いてくれたのは、あの⽇が、きみが初めてだったんです。今まで誰にも⾔えなかったことを、まるで⼦供のような要領の得なさでグズグズと語ってしまったあの⽇を、なんとなく忘れられない。
これは希望的観測で、もしおれときみが「 友達」 になれたら、なんですが。きみが哀しい時はおれに電話して。おれも、きみに電話しますから。ねえ、ユウリ。そうしたら、朝まできっと語り合おう。あの⽇の続きを、きみに話したいんです。
と、⽇々悩むおれがいる訳でありまして。そう、例えば彼⼥がおれの「 友達」 なら、「 別れる」 なんてこともないわけで。だってそもそも付き合っていないのだから。それって少し永遠じゃないですか。
⼈を好きになるのが少々久し振りなもので、その上によもやその相⼿が妹の親友だなんて事態なもので。歳は離れているし、彼⼥は妹の友達だし、お互いに⽴場はあるし、⾔ってしまえば彼⼥は今のところ、「 おれの友達」 ですらないわけで。
あわよくば恋⼈になってもらえませんかね、と悩んでみたところで、現実は変わらず、ユウリはおれのことを「 マリィのお兄さん」 としか思っていないのです。ステー ジに上がる前に、階段を踏み壊した気分です。最初から頓挫している恋に、どんな先があるだろう。
だったら、「 友達」 になれたらいい。
きみのことが好きだから、キスだってハグだってちょっとだけしたいけれど、別れが来るのが嫌だから、友達がいい。
そうしたら、寂しくてどうしようもないおれが、きみに電話をしてもいいですか。朝までずっと、⻑電話をしてもいいですか。
他⼈の⼼に⼟⾜で踏み込むのはいけないって⾔いますよね。でも、それの全てがいけないこととは、おれは思わないんです。
おれの本当の姿を⾒てくれる⼈なんていない。おれは悪タイプの天才で、イケてるシンガーで、ちょっと怖くて近寄り難い。誰もが想像するおれはそんな感じ。
ぜんっぜん違う。おれはいつだって⾺⿅みたいに泣きたいし、イカつい⾒た⽬は虚勢だ。それを誰かに⾔ったところで、悲しいかな、「 そういうキャラ作りか」 としか思われないのである。誰も、おれの本当のことなんてわかってくれない。わかろうともしないだろう。
けれど。
きみが「 どうして哀しいの」?と聞いてくれたあの⽇。ねえ、信じますか。
おれにそんなことを聞いてくれたのは、あの⽇が、きみが初めてだったんです。今まで誰にも⾔えなかったことを、まるで⼦供のような要領の得なさでグズグズと語ってしまったあの⽇を、なんとなく忘れられない。
これは希望的観測で、もしおれときみが「 友達」 になれたら、なんですが。きみが哀しい時はおれに電話して。おれも、きみに電話しますから。ねえ、ユウリ。そうしたら、朝まできっと語り合おう。あの⽇の続きを、きみに話したいんです。
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