トキシックのせいにしたい【ANST】
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
.
集会は憂鬱だ。参加するまでにボロ校舎から本校舎までの道のりで体も心もすっかりくたびれてしまうから。それでも待ち受けるひどい差別に平気な振る舞いをするのは惨めな気持ちになる。でも悔しい顔をするのは向こうが楽しそうに笑うのでもっとイヤ。だから私は息を整えるとき心の準備もした。できるだけ無表情で。傷ついてませんよとでもいいだけな表情を。
ゼエゼエ肩で息をするカエデに手を貸して立つが昼休み返上してまでやっているから二人ともちょっとお腹が空いていた。他のみんなも持ち直したようで体育館への移動を開始する。赤羽はサボるのを決めたらしく向こうでくつろいでいたので随分いいご身分だ。烏間先生なんかに迷惑がかかりそうなのに。
私はほんの少しだけ浅野と目があったのを気がつかないフリをした。
.
.
.
.
.
.
.
こちら側になってようやく理解するくらいに私は未熟だったのだが、多数の人間の前で笑い者になるのは想像以上に苦痛で恥ずかしい気持ちに襲われた。自分がA組にいた頃は考えようともしなかった。可哀想だなと思っていただけ。知らず知らずのうちに握りしめられた拳が痛くて震える。でも震えちゃダメだ。余計惨めになるから。
「我々にはこの学園で携えた希望溢れる才能を駆使し、輝かしい栄光を掴みとる権利と義務があるのです」
「・・・」
「そうです! 才能も行き着く栄光も無い負け組の・・・!」
生徒会発表で不意に壇上の生徒と目が合う。浅野と一緒に五英傑とも持て囃されていたうちの一人の荒木だ。彼は楽しそうにつらつらと(この表現は嫌味も入っている)E組を馬鹿にするための言葉を吐き出していたはずなのに、私と目が合って狼狽えているようだった。私が元A組だったからだろうか。
「どうしようもない誰かさんたちのようには、な、ならないよ、う・・・!」
いつものように笑い声が上がる。明らかに語尾が掠れていったけれど他の組たちは脅かしのように思ったみたいでいつも以上に大袈裟に笑われていた。私は勢いが失われたことが不可解でもう一度荒木を見た。やはり目が合っている。ひくついた口の端が不自然なことにE組の何人かは気がついたようだった。
その後おちょくられても殺せんせーの働きでどうにか助かることができた。けれど私は、私だけは、浅野を含めた五英傑。それどころかA組の生徒に横目で見られていることに気がついてしまい不信感で顔を歪めないようするのに必死だった。
.
集会は憂鬱だ。参加するまでにボロ校舎から本校舎までの道のりで体も心もすっかりくたびれてしまうから。それでも待ち受けるひどい差別に平気な振る舞いをするのは惨めな気持ちになる。でも悔しい顔をするのは向こうが楽しそうに笑うのでもっとイヤ。だから私は息を整えるとき心の準備もした。できるだけ無表情で。傷ついてませんよとでもいいだけな表情を。
ゼエゼエ肩で息をするカエデに手を貸して立つが昼休み返上してまでやっているから二人ともちょっとお腹が空いていた。他のみんなも持ち直したようで体育館への移動を開始する。赤羽はサボるのを決めたらしく向こうでくつろいでいたので随分いいご身分だ。烏間先生なんかに迷惑がかかりそうなのに。
私はほんの少しだけ浅野と目があったのを気がつかないフリをした。
.
.
.
.
.
.
.
こちら側になってようやく理解するくらいに私は未熟だったのだが、多数の人間の前で笑い者になるのは想像以上に苦痛で恥ずかしい気持ちに襲われた。自分がA組にいた頃は考えようともしなかった。可哀想だなと思っていただけ。知らず知らずのうちに握りしめられた拳が痛くて震える。でも震えちゃダメだ。余計惨めになるから。
「我々にはこの学園で携えた希望溢れる才能を駆使し、輝かしい栄光を掴みとる権利と義務があるのです」
「・・・」
「そうです! 才能も行き着く栄光も無い負け組の・・・!」
生徒会発表で不意に壇上の生徒と目が合う。浅野と一緒に五英傑とも持て囃されていたうちの一人の荒木だ。彼は楽しそうにつらつらと(この表現は嫌味も入っている)E組を馬鹿にするための言葉を吐き出していたはずなのに、私と目が合って狼狽えているようだった。私が元A組だったからだろうか。
「どうしようもない誰かさんたちのようには、な、ならないよ、う・・・!」
いつものように笑い声が上がる。明らかに語尾が掠れていったけれど他の組たちは脅かしのように思ったみたいでいつも以上に大袈裟に笑われていた。私は勢いが失われたことが不可解でもう一度荒木を見た。やはり目が合っている。ひくついた口の端が不自然なことにE組の何人かは気がついたようだった。
その後おちょくられても殺せんせーの働きでどうにか助かることができた。けれど私は、私だけは、浅野を含めた五英傑。それどころかA組の生徒に横目で見られていることに気がついてしまい不信感で顔を歪めないようするのに必死だった。
.