トキシックのせいにしたい【ANST】
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「のどか!」
「体調は大丈夫なの?」
「おはようカエデ。渚もおはよ。うん。寝たらすっかり治っちゃったから」
教室は普段とは何も変わらない様子で、そのざわめきが私の心をゆっくりと静めていく。大丈夫。挨拶してくれる友達も心配してくれる友達もそれなりに居るんだから。特にカエデとはよく話す。ホームルームが始まるまではこうやってやり過ごすことができる。赤羽がバカ真面目にホームルーム前登校をするとは思えないし。(偏見だが)
そんな偏見が偶然とはいえ見事に打ち砕かれるのを知ったのはたった数秒前だ。ホームルームが始まるから席に着いたっていうのにまさか始まるギリギリで来るなんて。心の中を表面に出す訳にもいかずなんでもないような顔で銃を握りしめたまま座る。早く来るのは他の人達にも珍しがられていたけどなんとなく早く目が覚めたらしい。
「おはよ」
乱暴に座った隣の男から吐き出された挨拶は明らかに私に対して向けられている。無視することはできない。仕方なく彼の方へ顔を向けておはようと挨拶し返すとその顔がやけに楽しそうでものすごく嫌な気持ちになった。見せちゃダメだ。見せちゃダメだ。本当の気持ちは隠しておかないとダメだ。
ホームルームで殺せんせーが出欠をとる間は射撃の時間になっている・・・が、始めてから未だ私たちは一弾も当てられたことがない。この数週間で何も知らなかった頃よりは上達したがそれでもあの未確認生物に当てるのは至難の技だ。冗談抜きに私は銃が下手くそである。今日も間抜けな顔で入ってきた担任へ向けて私たちは発砲しなければならない。
気がつかれないようにちらりと横目で赤羽を見れば銃を構えるような動きはしていなかった。日直の号令が始まる。耳をつんざくような発砲音は苦手だ。時々人に当てているような気がしてやたら躊躇ってしまう。私は後ろの席だから被害は少ないが前の方の人たちは多少なりとも被弾しているんじゃないだろうか。
いつも以上に気が滅入ってしまって銃を下ろした。もうすぐ出欠も終わるだろう。この異常な担任との闘いの最中、私は隣の席の男ともちょっとした戦いがあるんだ。渚の隣の席のカエデがちょっと羨ましいや。このまま渚とカエデがどんどん親しくなっていったらどうしよう。そんな一抹の不安を飲み込むと、やっぱり赤羽は終始銃を発砲していなかったようだった。
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「のどか!」
「体調は大丈夫なの?」
「おはようカエデ。渚もおはよ。うん。寝たらすっかり治っちゃったから」
教室は普段とは何も変わらない様子で、そのざわめきが私の心をゆっくりと静めていく。大丈夫。挨拶してくれる友達も心配してくれる友達もそれなりに居るんだから。特にカエデとはよく話す。ホームルームが始まるまではこうやってやり過ごすことができる。赤羽がバカ真面目にホームルーム前登校をするとは思えないし。(偏見だが)
そんな偏見が偶然とはいえ見事に打ち砕かれるのを知ったのはたった数秒前だ。ホームルームが始まるから席に着いたっていうのにまさか始まるギリギリで来るなんて。心の中を表面に出す訳にもいかずなんでもないような顔で銃を握りしめたまま座る。早く来るのは他の人達にも珍しがられていたけどなんとなく早く目が覚めたらしい。
「おはよ」
乱暴に座った隣の男から吐き出された挨拶は明らかに私に対して向けられている。無視することはできない。仕方なく彼の方へ顔を向けておはようと挨拶し返すとその顔がやけに楽しそうでものすごく嫌な気持ちになった。見せちゃダメだ。見せちゃダメだ。本当の気持ちは隠しておかないとダメだ。
ホームルームで殺せんせーが出欠をとる間は射撃の時間になっている・・・が、始めてから未だ私たちは一弾も当てられたことがない。この数週間で何も知らなかった頃よりは上達したがそれでもあの未確認生物に当てるのは至難の技だ。冗談抜きに私は銃が下手くそである。今日も間抜けな顔で入ってきた担任へ向けて私たちは発砲しなければならない。
気がつかれないようにちらりと横目で赤羽を見れば銃を構えるような動きはしていなかった。日直の号令が始まる。耳をつんざくような発砲音は苦手だ。時々人に当てているような気がしてやたら躊躇ってしまう。私は後ろの席だから被害は少ないが前の方の人たちは多少なりとも被弾しているんじゃないだろうか。
いつも以上に気が滅入ってしまって銃を下ろした。もうすぐ出欠も終わるだろう。この異常な担任との闘いの最中、私は隣の席の男ともちょっとした戦いがあるんだ。渚の隣の席のカエデがちょっと羨ましいや。このまま渚とカエデがどんどん親しくなっていったらどうしよう。そんな一抹の不安を飲み込むと、やっぱり赤羽は終始銃を発砲していなかったようだった。
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