トキシックのせいにしたい【ANST】
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結局赤羽の停学明けである一昨日と昨日は母に仮病を使って休んでしまった。進学を考えて皆勤は無理でもどうにか最低限休まないようしてきたのに情けない。気が遠くなるような気分でE組のぼろっちい校舎へと歩いていく。
「おや、奇遇ですねえ。おはようございます。体調は回復しましたか?」
「・・・おはようございます」
「顔色が優れませんよ?」
とんでもない速さで移動できる貴方に何が“奇遇“なのかは全く分からないが薄気味悪く笑う私たちの担任教師。得体の知れない触手をぬるぬるとうねらせるさまは完全に不審者のそれだ。一応信用できるっぽいけどへんにするどいところは嫌い。それでもどうにか笑顔をつくろった。
平気です。大丈夫です。頼むから深入りしないでくれよ。察してください。そんな念を込めて笑うとぬふぬふ笑ったまま歩行(?)している。まさか校舎まで一緒なつもりじゃないでしょうね。いいのに。マッハいくつかは忘れたけどご自慢の速さで先に行ってくれればいいのに。おろしたての安い革靴が痛かった。
「欠席していたので一応知らせておきますが・・・赤羽業くんという男子生徒の停学が明けました。渋沢さんの右隣は空席でしたよね? 実は彼の席だったのです」
「そうですか。仲良くやっていこうと思います」
仲良くやっていこうと思います。仲良くやっていこうと思います。自分で言った言葉がからっぽの頭でリフレイン。これから私は赤羽とうまくやっていかなくてはならない。大丈夫だ。彼のことだから無闇にばらすような真似はしないはず。弱味を知られた以上どうなってしまうか分からないが・・・渚のことだけは私が守らないと。
あとは殺せんせーの土産話やらを聞かされているうち校舎に着いた。この先生の前で具体的な国名を言うと連行されそうになるので適当な相槌を打ちつつ歩く。初夏は憂鬱だ。脳裏に浮かぶ中間テストの存在でA組のことを考えてしまった。あそこに帰ることなんてできないのに。
殺せんせーと職員室で別れる際、不意に先生は私を呼び止めた。どこかへ行ってしまったのか珍しく来るのが遅いのか烏間先生は居ない。
「渋沢さん」
「・・・はい」
「教師はお好きですか?」
不意をつかれて一瞬だけ狼狽えた。どうしてこの人はなにもかもを見透かしたように生きていられるんだろう。でもその質問から逃げるのが癪で愛想よく振り向く。笑顔は意識した訳でもなく自然なように思えた。
「実はちょっとだけ、嫌いなんです」
結局赤羽の停学明けである一昨日と昨日は母に仮病を使って休んでしまった。進学を考えて皆勤は無理でもどうにか最低限休まないようしてきたのに情けない。気が遠くなるような気分でE組のぼろっちい校舎へと歩いていく。
「おや、奇遇ですねえ。おはようございます。体調は回復しましたか?」
「・・・おはようございます」
「顔色が優れませんよ?」
とんでもない速さで移動できる貴方に何が“奇遇“なのかは全く分からないが薄気味悪く笑う私たちの担任教師。得体の知れない触手をぬるぬるとうねらせるさまは完全に不審者のそれだ。一応信用できるっぽいけどへんにするどいところは嫌い。それでもどうにか笑顔をつくろった。
平気です。大丈夫です。頼むから深入りしないでくれよ。察してください。そんな念を込めて笑うとぬふぬふ笑ったまま歩行(?)している。まさか校舎まで一緒なつもりじゃないでしょうね。いいのに。マッハいくつかは忘れたけどご自慢の速さで先に行ってくれればいいのに。おろしたての安い革靴が痛かった。
「欠席していたので一応知らせておきますが・・・赤羽業くんという男子生徒の停学が明けました。渋沢さんの右隣は空席でしたよね? 実は彼の席だったのです」
「そうですか。仲良くやっていこうと思います」
仲良くやっていこうと思います。仲良くやっていこうと思います。自分で言った言葉がからっぽの頭でリフレイン。これから私は赤羽とうまくやっていかなくてはならない。大丈夫だ。彼のことだから無闇にばらすような真似はしないはず。弱味を知られた以上どうなってしまうか分からないが・・・渚のことだけは私が守らないと。
あとは殺せんせーの土産話やらを聞かされているうち校舎に着いた。この先生の前で具体的な国名を言うと連行されそうになるので適当な相槌を打ちつつ歩く。初夏は憂鬱だ。脳裏に浮かぶ中間テストの存在でA組のことを考えてしまった。あそこに帰ることなんてできないのに。
殺せんせーと職員室で別れる際、不意に先生は私を呼び止めた。どこかへ行ってしまったのか珍しく来るのが遅いのか烏間先生は居ない。
「渋沢さん」
「・・・はい」
「教師はお好きですか?」
不意をつかれて一瞬だけ狼狽えた。どうしてこの人はなにもかもを見透かしたように生きていられるんだろう。でもその質問から逃げるのが癪で愛想よく振り向く。笑顔は意識した訳でもなく自然なように思えた。
「実はちょっとだけ、嫌いなんです」