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Gatto che corre nel cielo notturno

「ゾンビの次はこれ?」
 同じ頃、ヒス、ヨンジン、ミリはプラザのダンススタジオ「ゴーステップ」でラリー院長に詰め寄っていた。
「はい。・・・地獄に送られた悪霊にまとわりつく泥まみれの人間です。」
 下を向いて答えるラリー。
「ゾンビとどう違うのよ!」
 ヨンジンが不服そうに言う。
「ァァァァァァ!」
「ひっ!!」
 ラリー院長渾身の演技にミリの顔が引きつる、が、
「ゾンビと同じね!」
 ヒスとヨンジンに一蹴されてしまった。
「・・・頑張ります。」
 彼女らに悲しげな背中を見せながら、ラリーは更衣室へ消えた。



 また時を同じくして、同じビルの地下。暖薬寺ではあのお経が響き渡っていた。
「コングラッチュレイション、コングラッチュレイション〜〜」
 信者こそ集まらないが、あの美術館潜入捜査日以来結婚式をここで挙げたいと言うカップルが時々現れるので、こうして数ヶ月に1組のペースでこのお経が唱えられている。
 稀に、お経の途中で感極まった新郎が、木魚を奪い激しく叩き出すと言う話もあるとかないとか。そして、ここでの挙式を終えた新郎新婦は親族たちが待つトトのイタリアンレストランで披露宴を行うこともあるらしい。



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