Gatto che corre nel cielo notturno
ゴーステップとアルノの中間での案内も終え、机を片付け始めたヨンホ食堂の親子めがけて、あの2人組が駆け込んできた。
話で聞いていた二人だ!と親子は理解すると、
「なんなのあんたたち!今演奏中よ。」
「ロビーではお静かに、って知らないのか。」
親子は即座に男たちのみぞおちにストレートを喰らわせた。
突然のことに理解が追い付かないが殴られた箇所から広がる鈍く重い痛みに、二人はうずくまり、伸びてしまった。
物音を聞きつけ、アルノ店内から
「何かあったんですかー?」
客が声を掛けた。
ヨンホはアルノのガラス戸の前で
「なんでもありません。どうぞ続けてください。」
と、あらかじめ用意していたメッセージボードをゴルフ会場の「Please be quiet」札のように掲げた。
それを見たアルノに居る者たちは落ち着きを取り戻して食事と演奏を再開した。
物音を聞きつけたナム事務長がゴーステップから出てきた。
「こいつら、どうする?」
ヒスが顎で二人を指すと、
「事務所に連れていきたいところですが、どっち周りでも会場前を通るしか・・・」
ナムがうーん、と悩んでいると、
「2階のトイレに放り込んどこうや。」
2階から追いかけてきたスナムが提案した。
「そうね。それなら安心だわ。」
ヒスは手を消毒しヨンホにも消毒を促すと、
「あとはよろしくね。」
そう言って、スナムたちに二人組を任せた。
「さ、運ぼうぜ。」
ソクドがやれやれ、と言った顔でニット帽の方へ手を伸ばす。そこへ、男たちをのした、とヨンホから連絡を受け、アン、チョ、そして紺色のドレスに身を包んだジェナが現れた。
「この人だよ!悪い人!」
ジェナが男を指さしそう言うと、
「そうだよ、悪い人だよ、俺は!」
気を失っていたはずの男は自分を指さすジェナの腕を手繰り寄せ立ち上がると、彼女の首にナイフをあてた。
「ジェナ!!」
「ママ、ごめんなさい。捕まったのが本当に同じ人なのか確認してたくて、飛び出しちゃった。」
申し訳なさそうに顔を曇らせるジェナにチャヨンは言った。
「確かに確認は大事よ。」
「おい!無視すんじゃねえ!お前も起きろ!起きるんだよ!」
ニット帽は足元で伸びている相棒をつま先でつついて起こす。起こされた男は飛び上がるとすかさずチャヨンを拘束する。
「ははは!形勢逆転だな!」
「黄金の仏像が無いってんなら、ここにいる奴ら全員から金目の物を奪ってやる。さあ、全員集めてこい!」
人質を取られたプラザの面々は素直に命令に従うほか無かった。
そして、あっという間にメイン会場ゴーステップにはプラザ住民と発表会参加者、関係者、観客らが集められた。
駐屯地からプラザまでの道中、シジンが運転する車が前を行くほかの車を次々に追い越してゆく。
そこへ、アンからの通信が入る。
「聞こえますか。」
「あぁ。状況を聞かせてくれ。」
ヴィンツェンツォはシジンに差し出されたスマホから返事をする。
「隙を突かれ人質を取られてしまいました。チャヨンさんとジェナちゃんです。」
「なんだと・・・」
「申し訳ありません。現在、ゴーステップに全員集められています。目当ての物がなかったので逆上して全員から金目の物を奪うつもりです。今は3階のテナント全てを物色中・・・あ、戻ってきました。切ります。」
アンからの通信が切れる。
「クソ!」
ヴィンツェンツォは食い込んだ爪で血が滲むのではないかという位強く握られた拳でドアを激しく叩いた。
「ヴィンツェンツォさん・・・」
シジンとソ・デヨンの声が小さく車内に震えた。
二人はせめて少しでも安心させようと、
「もうすぐ着きます。」
シジンはそう伝えるが、ヴィンツェンツォからの返事は無い。
シジンとソ・デヨンはミラー越しに顔を見合わせた。
しかし、その直後、
「シジンさん、ウルフさん、作戦がある。」
そう言って、ヴィンツェンツォは立てこもり強盗犯たちから皆を開放する方法を二人に提案した。
話で聞いていた二人だ!と親子は理解すると、
「なんなのあんたたち!今演奏中よ。」
「ロビーではお静かに、って知らないのか。」
親子は即座に男たちのみぞおちにストレートを喰らわせた。
突然のことに理解が追い付かないが殴られた箇所から広がる鈍く重い痛みに、二人はうずくまり、伸びてしまった。
物音を聞きつけ、アルノ店内から
「何かあったんですかー?」
客が声を掛けた。
ヨンホはアルノのガラス戸の前で
「なんでもありません。どうぞ続けてください。」
と、あらかじめ用意していたメッセージボードをゴルフ会場の「Please be quiet」札のように掲げた。
それを見たアルノに居る者たちは落ち着きを取り戻して食事と演奏を再開した。
物音を聞きつけたナム事務長がゴーステップから出てきた。
「こいつら、どうする?」
ヒスが顎で二人を指すと、
「事務所に連れていきたいところですが、どっち周りでも会場前を通るしか・・・」
ナムがうーん、と悩んでいると、
「2階のトイレに放り込んどこうや。」
2階から追いかけてきたスナムが提案した。
「そうね。それなら安心だわ。」
ヒスは手を消毒しヨンホにも消毒を促すと、
「あとはよろしくね。」
そう言って、スナムたちに二人組を任せた。
「さ、運ぼうぜ。」
ソクドがやれやれ、と言った顔でニット帽の方へ手を伸ばす。そこへ、男たちをのした、とヨンホから連絡を受け、アン、チョ、そして紺色のドレスに身を包んだジェナが現れた。
「この人だよ!悪い人!」
ジェナが男を指さしそう言うと、
「そうだよ、悪い人だよ、俺は!」
気を失っていたはずの男は自分を指さすジェナの腕を手繰り寄せ立ち上がると、彼女の首にナイフをあてた。
「ジェナ!!」
「ママ、ごめんなさい。捕まったのが本当に同じ人なのか確認してたくて、飛び出しちゃった。」
申し訳なさそうに顔を曇らせるジェナにチャヨンは言った。
「確かに確認は大事よ。」
「おい!無視すんじゃねえ!お前も起きろ!起きるんだよ!」
ニット帽は足元で伸びている相棒をつま先でつついて起こす。起こされた男は飛び上がるとすかさずチャヨンを拘束する。
「ははは!形勢逆転だな!」
「黄金の仏像が無いってんなら、ここにいる奴ら全員から金目の物を奪ってやる。さあ、全員集めてこい!」
人質を取られたプラザの面々は素直に命令に従うほか無かった。
そして、あっという間にメイン会場ゴーステップにはプラザ住民と発表会参加者、関係者、観客らが集められた。
駐屯地からプラザまでの道中、シジンが運転する車が前を行くほかの車を次々に追い越してゆく。
そこへ、アンからの通信が入る。
「聞こえますか。」
「あぁ。状況を聞かせてくれ。」
ヴィンツェンツォはシジンに差し出されたスマホから返事をする。
「隙を突かれ人質を取られてしまいました。チャヨンさんとジェナちゃんです。」
「なんだと・・・」
「申し訳ありません。現在、ゴーステップに全員集められています。目当ての物がなかったので逆上して全員から金目の物を奪うつもりです。今は3階のテナント全てを物色中・・・あ、戻ってきました。切ります。」
アンからの通信が切れる。
「クソ!」
ヴィンツェンツォは食い込んだ爪で血が滲むのではないかという位強く握られた拳でドアを激しく叩いた。
「ヴィンツェンツォさん・・・」
シジンとソ・デヨンの声が小さく車内に震えた。
二人はせめて少しでも安心させようと、
「もうすぐ着きます。」
シジンはそう伝えるが、ヴィンツェンツォからの返事は無い。
シジンとソ・デヨンはミラー越しに顔を見合わせた。
しかし、その直後、
「シジンさん、ウルフさん、作戦がある。」
そう言って、ヴィンツェンツォは立てこもり強盗犯たちから皆を開放する方法を二人に提案した。