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Gatto che corre nel cielo notturno

 催涙スプレーを浴びた顔をトイレで何度も洗い、眼球までしっかり洗浄したチョルウク、ソクド、スナムはそれでもまだ完全に開ききっていない目を凝らして2階を捜索しようやく2人を見つけ出した。
「もう3階まで着いてるかと思ったが、まだいてくれて安心したぜ。」
 ソクドが二人にゆっくりと接近する。
「ふん、何か金目のものがないかとついでで見てみたが、とんだ見当違いだったよ。どうやら、地下で間違いねえようだ。」
 ニット帽が後ずさりながら言うと、
「なんの話だ?」
 それを聞いたスナムがきょとんとした顔になりつつも凄みを取り戻した顔で睨みつける。
「このビルの地下に黄金の仏像が眠ってるんだろ?」
 ニット帽は汚らしい笑みを浮かべながら言ったが、
「黄金?」
「なんか昔もそんな話を聞いたっけな。」
「誰から聞いたんだっけ?」
 ソクドたちは立ち止まると腕組みして考え出した。
 少し考えてチョウルクが、指を鳴らして答えた。
「もしかして、ギルボッってやつから聞いたのか?」
 二人の男は目を見合わせると、
「やっぱりそうなんだな。遥々来たかいがあったぜ!」
 と、互いの手を合わせて飛び上がった。
「まあまあ、話は最後まで聞けよ。」
「そいつの言葉を信じたのか?」
「そいつ、酒飲んでなかったか?」
 3人が2人に再び詰め寄る。
「確かに飲んでいたが、見た目からは想像できない羽振りの良さだった!きっと仏像を一体盗んで売り飛ばしたからだ!」
 ニット帽でない方の男が再び後ずさりながら反論する。
「あいつがそう言ってたのか?」
 ソクドが大きく踏み出して問い詰める。
「い、言ってない。でも!金を巻き上げようとしたらこう言ってた!クムガ洞のクムガプラザには黄金が眠っている。俺の所持金なんて紙切れ同然になる位の黄金がな。きっと仏像とかもある。って」
 男の言い分を聞いた3人は、立ち止まると
「うーーーん。」
 と、また深く腕組みをして考えた。
 そして、
「お前たちのこと見くびってたと思ってたが、やっぱ、お前らただのアホだな。」
「あいつのホラ話をすっかり信じちまって。かわいそうに。」
「黄金はここにあるんだ。一人一人のな。」
 3人はそう言うと、自分の胸、それから2人の胸を指し示した。
「嘘だ!きっと地下にある!なんならお前らにも見せてやるから!ほら、付いて来いよ!」
 ニット帽が狼狽えながら3人をかき分けると、
「おや、どちらへ?」
 月の光に照らされた輝く黄金、ではない頭の持ち主の1人チョクハが現れた。
「お、お前、どうして。」
 ニット帽が顔を引きつらせると、チョクハの後ろからもう1人の坊主頭、チェシンが現れ、
「神に仕えるものへの冒涜は、神への冒涜と見なす。覚悟しろ!」
 と2人に向かって声を張り上げた。
「わあああああああ!」
 これは不利だと判断したのか、ニット帽は再びソクド達をかき分けると相棒そっちのけで逃げ出した。
「ま、待てよぉ!!!」
 置いてけぼりを喰らった方もあわててニット帽が消えた方向へと続いた。
「いかん!3階へ行ったぞ!」
 チョクハが声を上げると、
「追うぞ!」
 5人全員で二人を追いかけた。



「ソクドだ。すまん、3階に逃げた。」
 グループ通話で報告を受けたアンが、
「3階に到達したそうです。参加者たちを守らなくては。僕も行きます!」
 そう言ってパソコンを閉じると空き店舗の隅に折り重なる廃材と化した什器の山にそれを隠した。
 状況は悪化している。ヴィンツェンツォたちはそう判断せざるを得なかった。
「もうすぐクムガ洞に最も近い駐屯地に着きます。そこからは車移動になる。ビンセンジョさん、我々も協力します。」
「君たちは関係ない。俺に関わると下手をすれば軍を追われることになるぞ。」
 シジンの提案をヴィンツェンツォは蹴ったが、
「丁度良かった。」
 ウルフだ。ヴィンツェンツォがウルフの方へ振り返ると、ウルフが軍服から黒尽くめの装備へと着替えを終えていた。
「なんのことだ。」
「我々は祖国に帰国次第非番となります。今から我々は軍人ではなく、一般市民です。友人との約束を守る為、行動を共にするだけです。」
「友との約束?なんだそれは。」
「飲むんでしょ?0泊3日で」
「ウルフは呼んでないぞ?」
「え?」
「え?」
「・・・ははは。そうだった。約束だったね。」
「もうすぐ着きます。残念ながら車も快適ではありませんが。」
「もう慣れたよ。」
 3人はニッと笑いあうと、着陸態勢に入った。



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