Gatto che corre nel cielo notturno
クムガプラザ16:30
当初の予定よりも観客が入っていた。彼らは開演までの時間をアルノで飲み物や軽食を楽しみつつ心待ちにしていた。
「まるで本物のコンサートホールみたいね。」
「正装で来て正解だった。」
「孫の演奏をこんな素敵な場所で観られるなんて。ミリ先生に感謝しなくちゃ。」
「夜になるとお酒と食事も楽しめるって!」
皆、プラザの面々が設営した会場に満足しているようだ。
一方、暖薬寺を襲撃した男たちは、
「なんなんだこのビルは!空き部屋が多すぎる!」
「もうここの階はいいから、早く声がするところへ行こう」
「バカ、ガキが走って逃げたからって俺たちから逃げられるもんか。それに、人目に付いたら厄介だっていってるだろう。」
二人は早く皆のいる3階へいけばジェナを見つけられるというのに、それはそれは慎重に1階から順番に各フロアに取り残されたテナントの抜け殻を確認していた。
「だいたい、こんな真っ暗なとこにガキがいるわけないだろ・・・怖ぇえし。」
「誰かいると分かれば怖くねえ!って言ってたのはお前だろうが。」
「それは坊主たちが居たからだ!この階には人の気配がねえ・・・。それに廃墟じゃねえかよ。」
「ほとんどが廃墟ってだけだ。しっかりしろ!」
怖がる相棒をニット帽の男が小突く。
「1階はもういい。上に行くぞ。」
ニット帽が階段を上がると、
「お前らか。不審者ってのは。」
「黒尽くめで見るからに悪い奴だ。」
チョルウクとソクドに鉢合わせた。
「みんなに見つけた、って伝えてこい。」
セロイ、ではなくスナムがヨンジンとヤンの二人にそう告げると二人はうなずき足早に階段を駆けあがていった。
「なんだお前ら。」
ニット帽は3人をにらみつけた。
「このビルの住民さ。善良な質屋の主だ。その靴、5ウォンで買い取ってやろう。」
「遠くへ行きたけりゃ、俺を頼れ。生きるか死ぬかはお前の運しだいだけどな。」
「(何そのかっこいいの)・・・パク・セロイじゃない!俺はスナムだ!」
一人だけ謎の口上ではあったが、3人の威圧感に男たちは一瞬ひるむ。
しかし、
「ッヤアアアアアア!!!!」
と、叫びながらニット帽でない方の男はラグビーのタックルのように3人を弾き飛ばそうとした。
が、3人はか弱い一市民ではない。スナム一人で男を抱え込むと踊り場から弾き飛ばし返した。
「いってぇ・・・」
男は尻もちをついて呻いた。ニット帽は相棒の尻をはたきながら立たせると、
「正面突破なんて、俺たちのやり方じゃねえだろうが」
そう言うと、3人の目の前までゆっくりを歩み寄り、
「悪かった。これをやるから・・・」
と、3人の顔が自分の手元に移ったのを確認しつつ、尻のポケットから取り出した何かから霧状のものを噴射した。
3人はたちまち目を開けられなくなる。不審者たちはそのすきにソクドを突き倒すと、階段を駆け上がっていった。
チョルウクは、
「催涙スプレーだ!」
噴射されたものを浴びて開けられなくなった瞼の分まで開いた大きな口で叫んだ。
全員前が見えない為、スナムがうっかり足元に転がるソクドを踏みつけてしまう。
「おい!!」
「アニキ!ごめん!」
スナムは手探りでソクドの手を掴み彼を立たせると、ソクドは腰をさすりながらため息交じりに言った。
「ただの不審者かと思ってたが、慣れてるな。」
「はい。おそらく軽犯罪常習犯です。」
「ウチのシマでシノギとはな」
「許さん!」
3人の威勢は素晴らしいものだったが、まだ目は開けられないようだ。
そこへソクドのスマホに着信が入る。
「チャヨンか。」
ソクドたちは手すりを頼りに2階へ上がる。
「グループ通話にしてる。不審者のことは二人から聞いたわ。今どうなっているの?」
「男二人を見つけはしたが、催涙スプレーで目が開けられない。あいつらは2階へ行っちまった。」
「用意周到ね。常習犯かしら。」
「違いない。」
「警察は呼んでおいて正解だったわね。」
「いつ来るんだ?」
「それが、パトカーが出払ってるから歩いて向かう。って」
「呑気なもんだな」
「不審者情報じゃ、ね。」
やはり、警察は役に立たない。そもそも来るのだろうか。全員が同じことを考えた。
チャヨンの後方で沈黙を保っていた国家情報院組は皆の輪からひそかに抜け出すと、以前アンが利用していた空き店舗へ向かった。
「どうします?」
空き店舗に着くや否や、手際よく電子機器のセッティングを始めるアンにチョは尋ねた。
「迎えに行けないし、ここには遅かれ早かれ警察も来る。困ったな。」
「とりあえず、シジンさんに連絡を。」
「今そうしている。」
ノートパソコンのセッティングを瞬く間に終わらせると、チョはモニターに見慣れないアプリを見つけた。
「なんですかこれ。」
「ミリさんに作ってもらった連絡ツールだ。ほら、あの時作ってもらったんだよ。」
アンがアプリを開くと、連絡先一覧が表示された。そこには、二つの連絡先が表示されていた。
「かわいらしい動物のアイコンは誰ですか?あとこの鳩のマークは・・・」
「可愛い方はシジンさんで、鳩はルカさんだよ。」
「ルカさん?」
アンは連絡先のシジンを選択し、「発信」と表示された部分をクリックした。
「あとは相手が出るまで待つ。上空だと電波が不安定かもな。・・・あぁ、コンシリエーレがイタリアで唯一心を許しているお方だ」
「どうやって連絡先を?」
当初の予定よりも観客が入っていた。彼らは開演までの時間をアルノで飲み物や軽食を楽しみつつ心待ちにしていた。
「まるで本物のコンサートホールみたいね。」
「正装で来て正解だった。」
「孫の演奏をこんな素敵な場所で観られるなんて。ミリ先生に感謝しなくちゃ。」
「夜になるとお酒と食事も楽しめるって!」
皆、プラザの面々が設営した会場に満足しているようだ。
一方、暖薬寺を襲撃した男たちは、
「なんなんだこのビルは!空き部屋が多すぎる!」
「もうここの階はいいから、早く声がするところへ行こう」
「バカ、ガキが走って逃げたからって俺たちから逃げられるもんか。それに、人目に付いたら厄介だっていってるだろう。」
二人は早く皆のいる3階へいけばジェナを見つけられるというのに、それはそれは慎重に1階から順番に各フロアに取り残されたテナントの抜け殻を確認していた。
「だいたい、こんな真っ暗なとこにガキがいるわけないだろ・・・怖ぇえし。」
「誰かいると分かれば怖くねえ!って言ってたのはお前だろうが。」
「それは坊主たちが居たからだ!この階には人の気配がねえ・・・。それに廃墟じゃねえかよ。」
「ほとんどが廃墟ってだけだ。しっかりしろ!」
怖がる相棒をニット帽の男が小突く。
「1階はもういい。上に行くぞ。」
ニット帽が階段を上がると、
「お前らか。不審者ってのは。」
「黒尽くめで見るからに悪い奴だ。」
チョルウクとソクドに鉢合わせた。
「みんなに見つけた、って伝えてこい。」
セロイ、ではなくスナムがヨンジンとヤンの二人にそう告げると二人はうなずき足早に階段を駆けあがていった。
「なんだお前ら。」
ニット帽は3人をにらみつけた。
「このビルの住民さ。善良な質屋の主だ。その靴、5ウォンで買い取ってやろう。」
「遠くへ行きたけりゃ、俺を頼れ。生きるか死ぬかはお前の運しだいだけどな。」
「(何そのかっこいいの)・・・パク・セロイじゃない!俺はスナムだ!」
一人だけ謎の口上ではあったが、3人の威圧感に男たちは一瞬ひるむ。
しかし、
「ッヤアアアアアア!!!!」
と、叫びながらニット帽でない方の男はラグビーのタックルのように3人を弾き飛ばそうとした。
が、3人はか弱い一市民ではない。スナム一人で男を抱え込むと踊り場から弾き飛ばし返した。
「いってぇ・・・」
男は尻もちをついて呻いた。ニット帽は相棒の尻をはたきながら立たせると、
「正面突破なんて、俺たちのやり方じゃねえだろうが」
そう言うと、3人の目の前までゆっくりを歩み寄り、
「悪かった。これをやるから・・・」
と、3人の顔が自分の手元に移ったのを確認しつつ、尻のポケットから取り出した何かから霧状のものを噴射した。
3人はたちまち目を開けられなくなる。不審者たちはそのすきにソクドを突き倒すと、階段を駆け上がっていった。
チョルウクは、
「催涙スプレーだ!」
噴射されたものを浴びて開けられなくなった瞼の分まで開いた大きな口で叫んだ。
全員前が見えない為、スナムがうっかり足元に転がるソクドを踏みつけてしまう。
「おい!!」
「アニキ!ごめん!」
スナムは手探りでソクドの手を掴み彼を立たせると、ソクドは腰をさすりながらため息交じりに言った。
「ただの不審者かと思ってたが、慣れてるな。」
「はい。おそらく軽犯罪常習犯です。」
「ウチのシマでシノギとはな」
「許さん!」
3人の威勢は素晴らしいものだったが、まだ目は開けられないようだ。
そこへソクドのスマホに着信が入る。
「チャヨンか。」
ソクドたちは手すりを頼りに2階へ上がる。
「グループ通話にしてる。不審者のことは二人から聞いたわ。今どうなっているの?」
「男二人を見つけはしたが、催涙スプレーで目が開けられない。あいつらは2階へ行っちまった。」
「用意周到ね。常習犯かしら。」
「違いない。」
「警察は呼んでおいて正解だったわね。」
「いつ来るんだ?」
「それが、パトカーが出払ってるから歩いて向かう。って」
「呑気なもんだな」
「不審者情報じゃ、ね。」
やはり、警察は役に立たない。そもそも来るのだろうか。全員が同じことを考えた。
チャヨンの後方で沈黙を保っていた国家情報院組は皆の輪からひそかに抜け出すと、以前アンが利用していた空き店舗へ向かった。
「どうします?」
空き店舗に着くや否や、手際よく電子機器のセッティングを始めるアンにチョは尋ねた。
「迎えに行けないし、ここには遅かれ早かれ警察も来る。困ったな。」
「とりあえず、シジンさんに連絡を。」
「今そうしている。」
ノートパソコンのセッティングを瞬く間に終わらせると、チョはモニターに見慣れないアプリを見つけた。
「なんですかこれ。」
「ミリさんに作ってもらった連絡ツールだ。ほら、あの時作ってもらったんだよ。」
アンがアプリを開くと、連絡先一覧が表示された。そこには、二つの連絡先が表示されていた。
「かわいらしい動物のアイコンは誰ですか?あとこの鳩のマークは・・・」
「可愛い方はシジンさんで、鳩はルカさんだよ。」
「ルカさん?」
アンは連絡先のシジンを選択し、「発信」と表示された部分をクリックした。
「あとは相手が出るまで待つ。上空だと電波が不安定かもな。・・・あぁ、コンシリエーレがイタリアで唯一心を許しているお方だ」
「どうやって連絡先を?」