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前世の終わり
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視界が真っ暗になっていく。私は両面宿儺に胴体を上下に真っ二つにされて、何かを考える間も無く死んだ。
後悔のない死だ。やっと傑達の元へ行けるのか。
そんなことを暗闇の中で考えていると、視界がだんだん明るくなる気がした。
そして気が付くと、空港の様な場所へいた。
「やあ。目が覚めたかい。」
目の前には白い服を纏った若い男がいた。ニコニコと笑いながら程よく耳に響く声で話しかけてくるので、なんだか不気味だ。
「覚めたよ。ところで貴方は誰なの?ここが死後の世界なのはわかるけど。」
「私は君たちの言う神だよ。物分かりが早くて助かるね。」
神様とやらは笑顔を崩さないまま、手をこちらに指したりと身振り手振りしながら話してくる。ラフな雰囲気にしようとしているのだろうが、相変わらず怪しさ満点なので警戒を崩さないように私は接する。
「へぇ〜。それで神様が何の用なの?」
「冷たいねぇ〜。普段の君からは考えられないくらいだ。一つ提案がある。」
仕方がないじゃないか。
特別に信じているものがあるわけではないが、一応神道の家系なので一概に神だと言われてもどの神だか分からない。しかも怪しさしかないし。
しかし神様と名乗る男は、ふざけていた口調から急に真面目な雰囲気になったので、私は思わず唾をごくりと飲み込んだ。
「君、納得してる雰囲気出してるけど、心の底では『もう一回生きて、誰かを守りたい』って思っているでしょ。それも相当強く、ね。だから転生させてあげようかなって思ってさ。君のような人間は大歓迎さ。」
ニコニコと話す彼の言葉に私は驚いた。
「転生!?」
「そうそう、転生。前とは違う世界に転生させようと思うんだけど。どうかな?」
「ええ…」
当たり前かのように話す彼に私は戸惑っていた。流石に軽すぎやしないだろうか。
「なあに遠慮はいらないさ!さあさ!北行きの飛行機に乗って!」
___新しい自分になりたいなら北へ。昔の自分へ戻りたいなら南に向かいなさい。
そんな冥冥 の言葉を思い出す。
「わかった。」
私は神様に背中をぐいと押されて、少し体勢を崩しそうになりながらも、まっすぐ歩き始めた。
「おい!!」
しばらく歩き進めていると、突然後ろから声がした。
最近のことのはずなのになんだか懐かしい声、ずっと聞きたかった声だ。思わず頬が緩んでしまう。それと同時にほんの少しだけ、目の辺りが熱くなった気がした。
「次の人生頑張れよ!」
振り返ると、学生時代の姿の悟達がいた。ずっと前に遠い空へ消えてしまった傑や雄もいる。この私のすぐ近くで壊れてしまった建人だっている。私の少し前に、同じように真っ二つにされてしまった悟だっている。
みんなが私の目の前にいるという事実がただ、嬉しくて嬉しくて、でもどこか胸が苦しくてたまらなかった。
「久しぶり!次会える時は次死んだ時だね!」
雄がすこぶる笑顔で言う。これであの日から10年か、それ以上だろうか。でもこの笑顔はあの時からずっと変わっていないや。
「そうだね!」
「笑顔でそんなこと言わないでください。不吉です。」
「七海、夜空たちにそれを求めてはいけないよ。」
私がそれに出来る限りの笑顔で答えると、建人が淡々と返事をする。少し前までは大人の姿だったので、久しぶりの学生姿に少し戸惑った。
「夜空、本当にごめんね。呪詛師なんかなったりして。」
「うん。許さないよ。」
「今の完全に許す流れだったよな!?」
突然の傑の謝罪だったが、私は即座に切り捨てる。いくら後悔しているとはいえ、羂索をあそこまで動かすきっかけになってしまったのだ。しかも悟を青春囚われおじさんにしてしまった。許すわけにはいかないだろう。
そんな私の返答にすかさず悟はツッコんだ。流石は28歳児といったところだろうか。ツッコミの技術も速度も素晴らしい。拍手を送ろうではないか。
「まあ仕方がないことだよ。」
傑は困ったように、そして申し訳ないようにしながら眉を下げている。そんな顔をされても困るのはこっちなのだが。
「そろそろ行かないんですか?」
話も長くなってしまったところで建人が話を切り上げようとした。確かにそろそろ行かねば、一生ここに残ってしまいそうだ。寂しさも残るが、せっかくの機会なのだ。行くしか選択肢はないだろう。
「そうだね!」
「わかったよ。」
そう返事だけして、私はみんなに背中を向けて歩き出した。本当は今すぐにでも振り返って走り出したいところだが、我慢しよう。
しばらくすると、悟と傑が声をあげた。
「頑張れよ!」「頑張りなよ!」
___最強!
どうやら私は二人に大きな看板を背負わされてしまったようだ。
きっと私は今困った顔でもしているだろう。それなのになんだか笑いも込み上げてくる。
もうこんな呪術師なんて呪縛から放たれて、呪いとされていた言葉すらも吐いてしまおうではないか。次を信じる言葉を吐き出してしまおうではないか。
「またね!!」
振り返るとみんなが笑顔で手を振っているのが見えた。私も大きく手を振ってみる。
そして私はゲートを潜り、独り飛行機に乗った。
無駄に広い空間に違和感を感じる。飛行機ってガラ空きだとこんななのか。
私がシートに着いて、飛行機が離陸したかと思うと、突然視界は暗くなった。
後悔のない死だ。やっと傑達の元へ行けるのか。
そんなことを暗闇の中で考えていると、視界がだんだん明るくなる気がした。
そして気が付くと、空港の様な場所へいた。
「やあ。目が覚めたかい。」
目の前には白い服を纏った若い男がいた。ニコニコと笑いながら程よく耳に響く声で話しかけてくるので、なんだか不気味だ。
「覚めたよ。ところで貴方は誰なの?ここが死後の世界なのはわかるけど。」
「私は君たちの言う神だよ。物分かりが早くて助かるね。」
神様とやらは笑顔を崩さないまま、手をこちらに指したりと身振り手振りしながら話してくる。ラフな雰囲気にしようとしているのだろうが、相変わらず怪しさ満点なので警戒を崩さないように私は接する。
「へぇ〜。それで神様が何の用なの?」
「冷たいねぇ〜。普段の君からは考えられないくらいだ。一つ提案がある。」
仕方がないじゃないか。
特別に信じているものがあるわけではないが、一応神道の家系なので一概に神だと言われてもどの神だか分からない。しかも怪しさしかないし。
しかし神様と名乗る男は、ふざけていた口調から急に真面目な雰囲気になったので、私は思わず唾をごくりと飲み込んだ。
「君、納得してる雰囲気出してるけど、心の底では『もう一回生きて、誰かを守りたい』って思っているでしょ。それも相当強く、ね。だから転生させてあげようかなって思ってさ。君のような人間は大歓迎さ。」
ニコニコと話す彼の言葉に私は驚いた。
「転生!?」
「そうそう、転生。前とは違う世界に転生させようと思うんだけど。どうかな?」
「ええ…」
当たり前かのように話す彼に私は戸惑っていた。流石に軽すぎやしないだろうか。
「なあに遠慮はいらないさ!さあさ!北行きの飛行機に乗って!」
___新しい自分になりたいなら北へ。昔の自分へ戻りたいなら南に向かいなさい。
そんな
「わかった。」
私は神様に背中をぐいと押されて、少し体勢を崩しそうになりながらも、まっすぐ歩き始めた。
「おい!!」
しばらく歩き進めていると、突然後ろから声がした。
最近のことのはずなのになんだか懐かしい声、ずっと聞きたかった声だ。思わず頬が緩んでしまう。それと同時にほんの少しだけ、目の辺りが熱くなった気がした。
「次の人生頑張れよ!」
振り返ると、学生時代の姿の悟達がいた。ずっと前に遠い空へ消えてしまった傑や雄もいる。この私のすぐ近くで壊れてしまった建人だっている。私の少し前に、同じように真っ二つにされてしまった悟だっている。
みんなが私の目の前にいるという事実がただ、嬉しくて嬉しくて、でもどこか胸が苦しくてたまらなかった。
「久しぶり!次会える時は次死んだ時だね!」
雄がすこぶる笑顔で言う。これであの日から10年か、それ以上だろうか。でもこの笑顔はあの時からずっと変わっていないや。
「そうだね!」
「笑顔でそんなこと言わないでください。不吉です。」
「七海、夜空たちにそれを求めてはいけないよ。」
私がそれに出来る限りの笑顔で答えると、建人が淡々と返事をする。少し前までは大人の姿だったので、久しぶりの学生姿に少し戸惑った。
「夜空、本当にごめんね。呪詛師なんかなったりして。」
「うん。許さないよ。」
「今の完全に許す流れだったよな!?」
突然の傑の謝罪だったが、私は即座に切り捨てる。いくら後悔しているとはいえ、羂索をあそこまで動かすきっかけになってしまったのだ。しかも悟を青春囚われおじさんにしてしまった。許すわけにはいかないだろう。
そんな私の返答にすかさず悟はツッコんだ。流石は28歳児といったところだろうか。ツッコミの技術も速度も素晴らしい。拍手を送ろうではないか。
「まあ仕方がないことだよ。」
傑は困ったように、そして申し訳ないようにしながら眉を下げている。そんな顔をされても困るのはこっちなのだが。
「そろそろ行かないんですか?」
話も長くなってしまったところで建人が話を切り上げようとした。確かにそろそろ行かねば、一生ここに残ってしまいそうだ。寂しさも残るが、せっかくの機会なのだ。行くしか選択肢はないだろう。
「そうだね!」
「わかったよ。」
そう返事だけして、私はみんなに背中を向けて歩き出した。本当は今すぐにでも振り返って走り出したいところだが、我慢しよう。
しばらくすると、悟と傑が声をあげた。
「頑張れよ!」「頑張りなよ!」
___最強!
どうやら私は二人に大きな看板を背負わされてしまったようだ。
きっと私は今困った顔でもしているだろう。それなのになんだか笑いも込み上げてくる。
もうこんな呪術師なんて呪縛から放たれて、呪いとされていた言葉すらも吐いてしまおうではないか。次を信じる言葉を吐き出してしまおうではないか。
「またね!!」
振り返るとみんなが笑顔で手を振っているのが見えた。私も大きく手を振ってみる。
そして私はゲートを潜り、独り飛行機に乗った。
無駄に広い空間に違和感を感じる。飛行機ってガラ空きだとこんななのか。
私がシートに着いて、飛行機が離陸したかと思うと、突然視界は暗くなった。
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