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「やっほ〜!アイーダちゃん、いる〜!?」
静かな世界図書館に突如元気な声が響く。本の整理をしていたアイーダはため息をつくと、登っていた梯子から降り、声のした方へと向かう。
そこに居たのは、1人の少女だった。青みが混ざった黒髪で左右で長さの違うツインテール、少女らしい大きな瞳は暗い海を閉じ込めたような碧 。帽子と併せて可愛らしい服装とは対照的に、大きなショルダーバッグを肩から下げていた。
「あ、アイーダちゃん!やっほっほ〜!元気?」
「私は元気ですわ。ですがここは世界図書館。もう少しお声を下げて下さりますか、アヴィスちゃん?」
「あ、ごめんごめん。久しぶりにアイーダちゃんに呼ばれたのが嬉しくってつい大きな声出しちゃった☆」
てへっと笑うアヴィスと呼ばれた少女は悪びれることなく言う。彼女がここに来る度に注意しているはずだが、一向に直す気配は見られないため、今後も変わらないだろう。
「まぁ、声に反応するような禁書は出してはいないですし、大丈夫だとは思うのだけれど…いつかあなた、やってくれそうなのよねぇ」
「そこまで悪いことは流石にしないしない!カミサマに怒られちゃうもん!」
「気付かずにやるかもしれないから心配していますのよ…」
そう言ってため息をつくアイーダ。しないもん、とアヴィスは頬を膨らませたが、すぐに興味が尽きたのか、そうだ、と自身で話題転換を始めた。
「アイーダちゃんが欲しいって言ってたやつ、ソフィア様が纏めてくれたから持ってきたよ」
「あら、思っていたよりお早いですわね」
「まぁ有名だしねぇ。ソフィア様もスパパパーン、って見つけてたよ」
「そうでしたの。流石はソフィアさんね」
この場に居ないソフィアという人物に賞賛の言葉を送るアイーダに、アヴィスは再び頬を膨らませる。
「すぐ持ってきたあたしは?どうなの?」
「フフ、アヴィスちゃんも助かりましたわ。ありがとうね」
「フフーン、そりゃああたし、運ぶのがお仕事だもん♪」
そう言って自慢気にいうアヴィスに、お茶の誘いを入れる。待っていましたと言わんばかりに誘いに乗ったアヴィスと共に、アイーダはカウンターの奥、自身の私室へと案内する。
紅茶を用意している間に、アヴィスはバッグの中から書類の束を取り出すと、机の上に置いた。
「それにしても珍しいね、アイーダちゃん。こんな昔の一族の資料を纏めてほしいなんてさ」
「私自身が読む訳ではありませんわ。ただ、可愛らしいお客様を驚かせたお詫びにプレゼントを、と思いましてね」
そう言って、紅茶のはいったティーポットと2つのティーカップ、少しのお茶菓子を抱えてアイーダは戻ってくる。カップに注がれる紅茶を見ながら、アヴィスは首をこてんと横に傾げた。
「可愛らしいお客様?」
「えぇ。変わった運命を持つ、可愛らしいお客様ですわ」
「ふーん、可愛くて、変わった運命、ねぇ……」
紅茶を受け取ったアヴィスは、角砂糖を摘みながら、まるで同情するかのように言葉を続ける。
「まぁ、『御魂守 』が関わってるような時点で、運命は可愛くなさそうだけどね」
寧ろ可哀想。
そう言いながら、アヴィスは紅茶に角砂糖をポチャリと落とした。
「あら、果たしてそうかしらね」
「アイーダちゃんは違うって思ってるの?」
「フフ、さぁ?どうでしょうね?」
曖昧な返事を返すアイーダに、アヴィスはあー、と声を上げる。
「アイーダちゃん、最近反抗期だから、カミサマの言う事聞かないつもりだ〜」
「私は深くは介入しませんわよ。あの子の傍には頼れる子がいますもの」
「頼れる子?」
「えぇ、頼れる騎士 ……いえ、王様 かしらね」
フフフ、と楽しそうに笑うアイーダに、アヴィスは再び首を傾げる。
「ふーん?ま、アイーダちゃんが楽しそうならいっか。あ、でもでもでも!お仕事もちゃんとしないとダメだよ?反抗期も程々にしないと、カミサマに怒られちゃうよ?」
「フフ、考えておきますわ」
「あたしそれ知ってる。絶対考えないやつでしょ」
「あらあら、バレてしまいましたか?」
キャッキャと笑い合う2人のお茶会は、暫く続くのだった。
静かな世界図書館に突如元気な声が響く。本の整理をしていたアイーダはため息をつくと、登っていた梯子から降り、声のした方へと向かう。
そこに居たのは、1人の少女だった。青みが混ざった黒髪で左右で長さの違うツインテール、少女らしい大きな瞳は暗い海を閉じ込めたような
「あ、アイーダちゃん!やっほっほ〜!元気?」
「私は元気ですわ。ですがここは世界図書館。もう少しお声を下げて下さりますか、アヴィスちゃん?」
「あ、ごめんごめん。久しぶりにアイーダちゃんに呼ばれたのが嬉しくってつい大きな声出しちゃった☆」
てへっと笑うアヴィスと呼ばれた少女は悪びれることなく言う。彼女がここに来る度に注意しているはずだが、一向に直す気配は見られないため、今後も変わらないだろう。
「まぁ、声に反応するような禁書は出してはいないですし、大丈夫だとは思うのだけれど…いつかあなた、やってくれそうなのよねぇ」
「そこまで悪いことは流石にしないしない!カミサマに怒られちゃうもん!」
「気付かずにやるかもしれないから心配していますのよ…」
そう言ってため息をつくアイーダ。しないもん、とアヴィスは頬を膨らませたが、すぐに興味が尽きたのか、そうだ、と自身で話題転換を始めた。
「アイーダちゃんが欲しいって言ってたやつ、ソフィア様が纏めてくれたから持ってきたよ」
「あら、思っていたよりお早いですわね」
「まぁ有名だしねぇ。ソフィア様もスパパパーン、って見つけてたよ」
「そうでしたの。流石はソフィアさんね」
この場に居ないソフィアという人物に賞賛の言葉を送るアイーダに、アヴィスは再び頬を膨らませる。
「すぐ持ってきたあたしは?どうなの?」
「フフ、アヴィスちゃんも助かりましたわ。ありがとうね」
「フフーン、そりゃああたし、運ぶのがお仕事だもん♪」
そう言って自慢気にいうアヴィスに、お茶の誘いを入れる。待っていましたと言わんばかりに誘いに乗ったアヴィスと共に、アイーダはカウンターの奥、自身の私室へと案内する。
紅茶を用意している間に、アヴィスはバッグの中から書類の束を取り出すと、机の上に置いた。
「それにしても珍しいね、アイーダちゃん。こんな昔の一族の資料を纏めてほしいなんてさ」
「私自身が読む訳ではありませんわ。ただ、可愛らしいお客様を驚かせたお詫びにプレゼントを、と思いましてね」
そう言って、紅茶のはいったティーポットと2つのティーカップ、少しのお茶菓子を抱えてアイーダは戻ってくる。カップに注がれる紅茶を見ながら、アヴィスは首をこてんと横に傾げた。
「可愛らしいお客様?」
「えぇ。変わった運命を持つ、可愛らしいお客様ですわ」
「ふーん、可愛くて、変わった運命、ねぇ……」
紅茶を受け取ったアヴィスは、角砂糖を摘みながら、まるで同情するかのように言葉を続ける。
「まぁ、『
寧ろ可哀想。
そう言いながら、アヴィスは紅茶に角砂糖をポチャリと落とした。
「あら、果たしてそうかしらね」
「アイーダちゃんは違うって思ってるの?」
「フフ、さぁ?どうでしょうね?」
曖昧な返事を返すアイーダに、アヴィスはあー、と声を上げる。
「アイーダちゃん、最近反抗期だから、カミサマの言う事聞かないつもりだ〜」
「私は深くは介入しませんわよ。あの子の傍には頼れる子がいますもの」
「頼れる子?」
「えぇ、頼れる
フフフ、と楽しそうに笑うアイーダに、アヴィスは再び首を傾げる。
「ふーん?ま、アイーダちゃんが楽しそうならいっか。あ、でもでもでも!お仕事もちゃんとしないとダメだよ?反抗期も程々にしないと、カミサマに怒られちゃうよ?」
「フフ、考えておきますわ」
「あたしそれ知ってる。絶対考えないやつでしょ」
「あらあら、バレてしまいましたか?」
キャッキャと笑い合う2人のお茶会は、暫く続くのだった。
