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授業も終わり放課後、ミコトはイクスやラメリア、エトワールと共に玄関に向かいながら、スペードから出された課題について話していた。
「名前と向き合うかー。初めてのタイプの課題だよねー」
「でも確かにって思うところもあったし、やって損はなさそうだなって思ったかな。私個人的にはラメさんの家名が有名なのはびっくりしたけど」
「まぁラメちのお家はねぇ、ヨドじゃ知らない人がいないくらいおっきいからねぇ。なんせ公爵様のお家だし?」
「え、そうなの?」
イクスの言葉に、思わずミコトは聞き返す。
「そうだよー。一人娘のラメちはその次期当主様ってわけ。かっこいいよね〜」
「イっちゃんだって侯爵家でしょ。そもそもなんであたしより鼻高々なの?」
「だってラメちのお家はヨドみんなの自慢だもん♪かっこいいんだよ〜、ラメちのお家の人!平民貴族関係なく国民の為ならばって毎日駆け回ってるんだから!」
「確かにそれはそうだけど…っ!」
「あ、でもでも、うちもラメちのことも貴族だからとか、特に気にしないで欲しいな」
そう言って笑うイクスに、エトワールも続ける。
「まぁ、私もそれに関しては同じだから、気にしないわよ」
「あ、そっか。エっちゃんも有名なお家だもんねぇ。はじまりの一族だっけ?」
「そう。地属性のね。まぁ、家族含め、私は地属性だけを極めてる訳ではないし、はじまりの一族っていわれてもはぁそうですか、くらいなのだけれど」
「なんか…何も無い普通の家でごめんって思えてきた…」
「ミコっちゃん〜、気にしないでったら〜!」
「そうよ〜!寧ろこんなおっきい家名抱えたうちらでごめん〜!」
そう言いながら抱きつくイクスとラメリア。最早何に対しての謝りなのか分からない言い分だが、本当に気にせず接して欲しい気持ちは十分に伝わってきた。
「2人ともどさくさに紛れて抱きつかない。ミコトちゃんが潰れるでしょ。2人の方が大きいんだから自重なさい」
「「えー!?」」
「えーじゃないの」
2人を引き剥がすエトワールはため息を吐くと、ミコトを心配そうに見遣る。
「ミコトちゃんも、毎回大人しく抱かれなくていいのよ?何だったら嫌って殴ってもいいわけだし」
「殴るのはちょっと…それに、別に嫌とかはないよ。むしろ、皆が最初の友達だから、その、嬉しい、というか…」
少し言いながら照れるミコトにイクスとラメリアが再度抱きつく。
「うちらが最初の友達なの?いいの??」
「えっと、皆が嫌じゃなければ…」
「どうしよう、ミコっちゃんが今日もとてつもなく可愛い。日々可愛いが増す。どうしよう?」
「保護する?ミコトっちのこと保護する??」
「それはミコトちゃんが困るからやめなさい」
きゃいきゃいと騒ぎながら、ふと会話はある人物の話題に変わる。
「そういえば、有名で言えばスペード先生、なんでクラウンドールの名前は挙げなかったんだろうね?アルベーヌで、というよりこの学園で知らない人の方が少ない家名じゃない?」
「確かに…フレイルよりクラウンドールの方が有名度高そうだけど、そこら辺どうなの?ミコトっち、レオンくんと幼馴染ってことはアルベーヌ出身でしょ?」
「まぁ、確かにフレイルの一族は王族だし、アルベーヌでは知らない人は居ないけど…有名度で言えば、今はクラウンドールの方が上じゃないかな。何よりレオが人気タレントな訳だし」
そう言うミコトの言葉に、3人は首を傾げる。
「スペード先生がそれを知らないわけないよねぇ?レオンくんと仲良いんでしょ?」
「何か出さない事情があるとか?」
「出さない事情?」
「例えば、痴情の縺れとか。今やってるアキ様主演のドラマでやってるみたいなやつ的な」
「痴情の縺れって…エっちゃん好きだねぇ、そういうの」
ラメリアがやや引き気味に言う。言われたエトワールはあら、案外面白いわよ、と心外そうな表情で返した。
イクスも若干引き気味の表情を見せつつ、まぁ、と口を開いた。
「スペード先生の中で何か考えあってのことなんじゃない?それが何かはわかんないけど」
「それもそうよね」
そこで丁度他エリアへの分かれ道となり、唯一寮に入っているミコトと3人はそこで別れることとなった。
先程までの賑やかさとはうってかわり、1人の道はどこか静かで寂しく思う。
「自分の名前と向き合う、か……」
そうポツリと零しながら、ミコトは自身の父親の番号を見つめる。名前について、父親に聞けばすぐに答えてくれるだろう。しかし、ミコトの中ではある葛藤が自身を悩ませる。
誰にも言っていない、言ってはいけない、言えない事が。
どうしようか、そう悩むミコトに後ろから声が掛けられる。
「調べてみる?」
突然掛けられたその言葉に驚きながら振り返ると、そこにいたのはレオンだった。
「ごめん、驚かせた?」
「ちょっとびっくりした…で、調べてみるって?」
「あの人が出した課題で悩んでるんでしょ?」
あの人、と名前こそは出さないが、それがスペードを指している事は直ぐにわかった。こくりとミコトは頷き、肯定の意を返す。
「名前は流石におじさんに聞かないと難しいだろうけど、家名くらいは僕たちでも調べられるよ」
「調べられる?そんな場所、あったっけ?」
「あるよ。ここではないけど」
そう言って、レオンはとある場所の名前を上げる。
「世界図書館。そこでなら、家名やその歴史は誰でも調べられるよ」
世界図書館。そこは、どの国にも属さない完全な中立であり、この世界全ての知識が収められていると言われる場所である。
「名前と向き合うかー。初めてのタイプの課題だよねー」
「でも確かにって思うところもあったし、やって損はなさそうだなって思ったかな。私個人的にはラメさんの家名が有名なのはびっくりしたけど」
「まぁラメちのお家はねぇ、ヨドじゃ知らない人がいないくらいおっきいからねぇ。なんせ公爵様のお家だし?」
「え、そうなの?」
イクスの言葉に、思わずミコトは聞き返す。
「そうだよー。一人娘のラメちはその次期当主様ってわけ。かっこいいよね〜」
「イっちゃんだって侯爵家でしょ。そもそもなんであたしより鼻高々なの?」
「だってラメちのお家はヨドみんなの自慢だもん♪かっこいいんだよ〜、ラメちのお家の人!平民貴族関係なく国民の為ならばって毎日駆け回ってるんだから!」
「確かにそれはそうだけど…っ!」
「あ、でもでも、うちもラメちのことも貴族だからとか、特に気にしないで欲しいな」
そう言って笑うイクスに、エトワールも続ける。
「まぁ、私もそれに関しては同じだから、気にしないわよ」
「あ、そっか。エっちゃんも有名なお家だもんねぇ。はじまりの一族だっけ?」
「そう。地属性のね。まぁ、家族含め、私は地属性だけを極めてる訳ではないし、はじまりの一族っていわれてもはぁそうですか、くらいなのだけれど」
「なんか…何も無い普通の家でごめんって思えてきた…」
「ミコっちゃん〜、気にしないでったら〜!」
「そうよ〜!寧ろこんなおっきい家名抱えたうちらでごめん〜!」
そう言いながら抱きつくイクスとラメリア。最早何に対しての謝りなのか分からない言い分だが、本当に気にせず接して欲しい気持ちは十分に伝わってきた。
「2人ともどさくさに紛れて抱きつかない。ミコトちゃんが潰れるでしょ。2人の方が大きいんだから自重なさい」
「「えー!?」」
「えーじゃないの」
2人を引き剥がすエトワールはため息を吐くと、ミコトを心配そうに見遣る。
「ミコトちゃんも、毎回大人しく抱かれなくていいのよ?何だったら嫌って殴ってもいいわけだし」
「殴るのはちょっと…それに、別に嫌とかはないよ。むしろ、皆が最初の友達だから、その、嬉しい、というか…」
少し言いながら照れるミコトにイクスとラメリアが再度抱きつく。
「うちらが最初の友達なの?いいの??」
「えっと、皆が嫌じゃなければ…」
「どうしよう、ミコっちゃんが今日もとてつもなく可愛い。日々可愛いが増す。どうしよう?」
「保護する?ミコトっちのこと保護する??」
「それはミコトちゃんが困るからやめなさい」
きゃいきゃいと騒ぎながら、ふと会話はある人物の話題に変わる。
「そういえば、有名で言えばスペード先生、なんでクラウンドールの名前は挙げなかったんだろうね?アルベーヌで、というよりこの学園で知らない人の方が少ない家名じゃない?」
「確かに…フレイルよりクラウンドールの方が有名度高そうだけど、そこら辺どうなの?ミコトっち、レオンくんと幼馴染ってことはアルベーヌ出身でしょ?」
「まぁ、確かにフレイルの一族は王族だし、アルベーヌでは知らない人は居ないけど…有名度で言えば、今はクラウンドールの方が上じゃないかな。何よりレオが人気タレントな訳だし」
そう言うミコトの言葉に、3人は首を傾げる。
「スペード先生がそれを知らないわけないよねぇ?レオンくんと仲良いんでしょ?」
「何か出さない事情があるとか?」
「出さない事情?」
「例えば、痴情の縺れとか。今やってるアキ様主演のドラマでやってるみたいなやつ的な」
「痴情の縺れって…エっちゃん好きだねぇ、そういうの」
ラメリアがやや引き気味に言う。言われたエトワールはあら、案外面白いわよ、と心外そうな表情で返した。
イクスも若干引き気味の表情を見せつつ、まぁ、と口を開いた。
「スペード先生の中で何か考えあってのことなんじゃない?それが何かはわかんないけど」
「それもそうよね」
そこで丁度他エリアへの分かれ道となり、唯一寮に入っているミコトと3人はそこで別れることとなった。
先程までの賑やかさとはうってかわり、1人の道はどこか静かで寂しく思う。
「自分の名前と向き合う、か……」
そうポツリと零しながら、ミコトは自身の父親の番号を見つめる。名前について、父親に聞けばすぐに答えてくれるだろう。しかし、ミコトの中ではある葛藤が自身を悩ませる。
誰にも言っていない、言ってはいけない、言えない事が。
どうしようか、そう悩むミコトに後ろから声が掛けられる。
「調べてみる?」
突然掛けられたその言葉に驚きながら振り返ると、そこにいたのはレオンだった。
「ごめん、驚かせた?」
「ちょっとびっくりした…で、調べてみるって?」
「あの人が出した課題で悩んでるんでしょ?」
あの人、と名前こそは出さないが、それがスペードを指している事は直ぐにわかった。こくりとミコトは頷き、肯定の意を返す。
「名前は流石におじさんに聞かないと難しいだろうけど、家名くらいは僕たちでも調べられるよ」
「調べられる?そんな場所、あったっけ?」
「あるよ。ここではないけど」
そう言って、レオンはとある場所の名前を上げる。
「世界図書館。そこでなら、家名やその歴史は誰でも調べられるよ」
世界図書館。そこは、どの国にも属さない完全な中立であり、この世界全ての知識が収められていると言われる場所である。
