君とはじめての夏
まるでどこかの異世界に来た様な気分だ。
大袈裟に聞こえるが、ずっと都会で暮らしていた俺にとっては普通じゃない光景だった。
目の前にはブロック塀があった。塀の上には草むらが広がっていた。その塀が続く方に目を向けていくと、遠くの方まで続いていた。
カシャ、とスマホを横にし、写真を撮った。
すぐさま俺は、友達と連絡を取り合っているラインを開いた。
とあるグループのトーク画面を開く。
都会にいた時の、特に一緒にいた二人だ。
「ど田舎」と皮肉なコメントを付け、その写真を二人に送った。
スマホをズボンのポケットに入れ、再び足を動かした。
悠河「本当に何もねーな」
しばらく歩いても、何かしらの建物が全然見えてこない。
悠河「近くにコンビニもねーのか…」
そんなことを言っていると、誰かから着信が来た。
今の時間帯で友達からは流石にないなと思い、どうせ母さんからだろうとスマホをポケットから出した。
ラインを開いて見てみるとやはり母さんからだった。「明日すぐ学校なんだから早めに帰って来るのよ」と書かれてあった。
適当に返信を送った後、俺はハッと思いつく。
悠河「学校…行ってみるか」
此処で通う学校の名前を思い出して検索をし、なんとか場所を特定することができた。
悠河(本当、スマホが無かったら俺ここでやってけねーな)
苦笑いをした俺はスマホ画面の地図を頼りに、学校へと向かった。
悠河「ここで…合ってるよな」
*
無事、学校に着くことができた。
俺は校門からチラッと中を覗いた。
間から草が生えているレンガと木の板が敷き詰められたの道の先に、校舎があった。校庭は裏にあるのか。
こんなに小さいんだな。まあそりゃ人も少ないだろうしな。
校舎は、二階建ての小さなものだった。古びた茶色の木でできていて、黒い瓦の三角屋根だった。
校舎の向こう側にある校庭から、笛の音と共に声が聞こえてきた。
おそらく体育の授業だと思う。今はもう6時限目くらいだろうか。
悠河「…あっち」
そう呟きながら、人差し指でTシャツの襟に隙間を作り、風を送った。
結構歩いたため、汗だくだった。Tシャツが肌に張り付き、心地が悪かった。
スマホを取り出して時間を見てみると、既に3時を回っていた。
悠河「帰るか。……っ!」
引き返そうとした瞬間、校舎の向こう側からサッカーボールがこっちめがけて飛んできた。
すかさず俺は両手でキャッチした。
「ちょっとー!飛ばしすぎだよー!」
「アハハ、わりーわりー!」
校舎の向こう側からそんな声が聞こえた。
と同時に、走って来る誰かの足音が近づいてきた。
こっちに来る。
俺はどうすることもなく、ただ両手にサッカーボールを持ち、立ちすくむだけだった。
置いて行ってしまおうか、とも思った。
悠河「…あ」
そんなことを考えていると、さっきの足音の主が現れた。
???「もう、こっちまで来るの面倒なの…に……」
辺りを見渡して、ついにこちらへと視線が向けられた。俺の存在に驚いたのか、言葉の最後の方が途切れ途切れになった。
大袈裟に聞こえるが、ずっと都会で暮らしていた俺にとっては普通じゃない光景だった。
目の前にはブロック塀があった。塀の上には草むらが広がっていた。その塀が続く方に目を向けていくと、遠くの方まで続いていた。
カシャ、とスマホを横にし、写真を撮った。
すぐさま俺は、友達と連絡を取り合っているラインを開いた。
とあるグループのトーク画面を開く。
都会にいた時の、特に一緒にいた二人だ。
「ど田舎」と皮肉なコメントを付け、その写真を二人に送った。
スマホをズボンのポケットに入れ、再び足を動かした。
悠河「本当に何もねーな」
しばらく歩いても、何かしらの建物が全然見えてこない。
悠河「近くにコンビニもねーのか…」
そんなことを言っていると、誰かから着信が来た。
今の時間帯で友達からは流石にないなと思い、どうせ母さんからだろうとスマホをポケットから出した。
ラインを開いて見てみるとやはり母さんからだった。「明日すぐ学校なんだから早めに帰って来るのよ」と書かれてあった。
適当に返信を送った後、俺はハッと思いつく。
悠河「学校…行ってみるか」
此処で通う学校の名前を思い出して検索をし、なんとか場所を特定することができた。
悠河(本当、スマホが無かったら俺ここでやってけねーな)
苦笑いをした俺はスマホ画面の地図を頼りに、学校へと向かった。
悠河「ここで…合ってるよな」
*
無事、学校に着くことができた。
俺は校門からチラッと中を覗いた。
間から草が生えているレンガと木の板が敷き詰められたの道の先に、校舎があった。校庭は裏にあるのか。
こんなに小さいんだな。まあそりゃ人も少ないだろうしな。
校舎は、二階建ての小さなものだった。古びた茶色の木でできていて、黒い瓦の三角屋根だった。
校舎の向こう側にある校庭から、笛の音と共に声が聞こえてきた。
おそらく体育の授業だと思う。今はもう6時限目くらいだろうか。
悠河「…あっち」
そう呟きながら、人差し指でTシャツの襟に隙間を作り、風を送った。
結構歩いたため、汗だくだった。Tシャツが肌に張り付き、心地が悪かった。
スマホを取り出して時間を見てみると、既に3時を回っていた。
悠河「帰るか。……っ!」
引き返そうとした瞬間、校舎の向こう側からサッカーボールがこっちめがけて飛んできた。
すかさず俺は両手でキャッチした。
「ちょっとー!飛ばしすぎだよー!」
「アハハ、わりーわりー!」
校舎の向こう側からそんな声が聞こえた。
と同時に、走って来る誰かの足音が近づいてきた。
こっちに来る。
俺はどうすることもなく、ただ両手にサッカーボールを持ち、立ちすくむだけだった。
置いて行ってしまおうか、とも思った。
悠河「…あ」
そんなことを考えていると、さっきの足音の主が現れた。
???「もう、こっちまで来るの面倒なの…に……」
辺りを見渡して、ついにこちらへと視線が向けられた。俺の存在に驚いたのか、言葉の最後の方が途切れ途切れになった。