ヴィンセント
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「ヴィンセント」
最愛なる彼女を見つめるように座り込んでる彼に私は声をかける。
彼─ヴィンセント─はこちらを振り返ったりという様子もなく以前として最愛の彼女─ルクレツィア─を見つめていた。
私もまた、彼の近くまで行くとそのまま彼女を見つめて腰を下ろす。
膝を抱えながら、丸まるようにして彼女を見つめる。
彼女、ルクレツィアはずっと綺麗だった。
ここに居る人間─と呼んでいいのか分からないのが─はもう何十年も見た目が変わっていなかった。
昔と何ら変わらない容姿。
20代半ばから後半にかけての見た目をしている私達。
一瞬、時がわからなくなる。
ただ黙って私はルクレツィアを見つめていた。
ヴィンセントも、それは変わらなかった。
静かなこの空間は時間を忘れさせてくれる。
「(名前)、ヴィンセント、ここに居たのですね」
私達を時間の空間に引き戻してきたのはオレンジがかった茶髪の少女─というと彼女はいい顔をしないが私達からしたらどう頑張っても少女だが─だった。
「シェルク」
「クラウド達が探していました。」
「クラウド達が?」
耳を澄ましたら洞窟の出入り口の向こう側から風を切るエンジン音が聞こえてくる。
シドの飛空艇が近くに着けていることがわかった。
「行こう、ヴィンセント」
立ち上がって彼に手を差し伸べる。
てっきり手は取られないと思ったが意外と素直に私の手を取り彼は立ち上がった。
「ヴィンセントは電話に出ないとユフィが言ってました」
「これは私の電話だ」
「連絡がつかないと言う意味です。」
「(名前)にかければいいだろう」
「必ず(名前)が貴方の側に居るという保証はありません」
相変わらずなヴィンセントとそんな彼に彼女の言うところで言う“お節介”な言伝のやり取りを後ろから眺める。
私はふと、振り返る。
「行ってくるね」
───ルクレツィア。
私の最愛なる、親愛なる親友。