リーブ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
スキンケアには余念なく。
石鹸は専用の物を丁寧に泡立てキメの細かいふわふわの泡を作り上げたら摩擦を起こさない様丁寧に洗う
髪はお気に入りのシャンプーで洗って短い髪にトリートメントを丁寧に刷り込めば洗い流して身体を洗う。
濡れた肌を柔らかいタオルで丁寧に水分を拭き取る。
下着もまとわずそのまま化粧台に足を勧めて乾燥に抗うよう化粧水を3回叩き込む。
美容液と乳液で水分に蓋をすればそのまま椅子に座って腕と脚、デコルテにお尻…全身くまなくボディクリームを塗る。
次にヘアオイルを髪に、この間買ったヘアオイルは効果はまだ分からないけど少なくとも香りはお気に入り。
美容院特有の説明し難いいい香りを堪能すればそこまでして始めて下着を纏って寝間着を着る。
本当はこのままドライヤーをした方がいいと分かりつつ面倒くさくなった(名前)はそのままリビングのソファに座るとケット・シーがトテトテと可愛く側に来て(名前)の膝に座る。
「(名前)はんってお肌の手入れいっつも念入りやね」
「まぁね、触り心地、いいでしょ?」
ケット・シーは(名前)の腕を撫でたらキュッと抱きついて頬ずりをする。
ケット・シーの頬を人差し指で撫でてるとリーブの執務室の扉が開く音とともに空のコーヒーカップを片手にこちらに来るリーブ。
「おかえりなさい」
「ただいま、ごめんね先にシャワー浴びた」
「気になさらないで、気を使ってくれたんでしょ」
「砂まみれだったからね」
コーヒーメーカーを手慣れた手付きで操作をするリーブの後ろ姿を眺める。
数分、リーブが(名前)の隣に座ってカップを机に置く。
「それで、ケット・シーはなんで(名前)さんの腕にずっと擦り寄ってるんですか」
ケット・シーが(名前)の膝に乗ってるのはいつもの事だが腕にしがみついてるその様子はいつもと少し違う、リーブが尋ねる。
「(名前)はんの肌っていつも綺麗やねって話てたんよ」
「確かに、」
(名前)の湿った髪にに指を通しながら頬を撫でて首に触れる。その触り心地はしっとりとしていてとても心地良い。
ふと(名前)の鏡台に目を向けると化粧水のロゴが目に入る。
女性向け化粧品に詳しくないリーブにとっても聞いた事のある有名なそれは質もさることながら値段も良いと先日秘書の子が他の社員と話してる時こぼしていたのを思い出す。
勿論その類のもの全て、(名前)は自分の財布で買っていた。自分ほどじゃないにしても一般社員よりもいい給料がそれを可能にしている事を想像するのは容易だった為特に気に留めて居なかったが(名前)の性格を考えると若さへの美に固執するとはあまり考えにくかった。
それだけに考え始めたら少しずつその疑問は膨れてくる。
「んー、仕事上ねぇ」
「仕事上??」
ケット・シーが聞き返す。
「いい女ってのは肌がきれいなのよぉ」
間延びした言い方でリーブの手に頬を擦り寄せる(名前)。
リーブは(名前)の言う“仕事”が何を指すのか察した、
顔が少し不満そうにむくれる。
「嫉妬?」
「少し。」
リーブの隠そうとしないその姿に少し(名前)は少し満更でもなさそうな顔をする。
「でも最近は少ないよー、護衛がメインだし。」
ね?と言いながら両足を上げてリーブに見せる。
鋭い蹴りを繰り広げるその脚は見てわかる程に鍛えられ、そして傷がたくさん付いていた。
縫い傷、銃痕、薬品による白斑…その脚は正しく“戦う人間”の脚だった。
「年齢を考えてもそろそろハニー・トラップの担当から外してもらえると思うんだけどねぇ」
さわり心地はいいけど綺麗じゃないのよ、と溢す(名前)の顔はリーブから見ると少し暗く見えた。
「綺麗ですよ」
「はは、ありがとう。」
「信じてませんね」
「そんなことないよ」
この世のどんなお世辞より信用してる。微笑みながらリーブの顔を覗き込むその表情は穏やかだった。
「まぁでも、」
「リーブにそう言ってもらう為に手入れは怠ってない、かな」
「─とんだ殺し文句だ」
「本当よ?仕事の為はそのついで」
「嬉しい、ですね。そう言ってもらえるのは」
「ふふ、」
「僕も(名前)はんのすべすべお肌好きやで!」
「あら、ありがとうケット・シー。私も君のもふもふ好きだよ」
「へへ」
(名前)を覗き込むように見上げていたケット・シーは褒められた自分の肌触りを(名前)の胸元にもたれるようにしておりこうに膝の上に姿勢を正した。
そんなケット・シーを後ろからぎゅう、と抱きしめる(名前)。
「リーブはまだ仕事残ってるんじゃないの?」
「はい、まだ少し。」
「(名前)さんは明日、」
「朝から任務。」
「それなら先に寝て下さい」
「……うん、」
「リーブはんは分かってないなぁ」
やれやれ、という仕草をしながらケット・シーがリーブに指摘する。
「あんな会話してんのやで?今日くらい(名前)はんは一緒に寝たいに決まってるやん」
「ケット・シー、」
「ええねんで、(名前)はんのすべすべお肌は僕が独占できるしね!」
(名前)の言葉を他所に鼻を鳴らしながらケット・シーはリーブに言う。どう返してくるか、よく知っているからこその挑発。
でもその挑発を静止して立ち上がったのは(名前)だった。
「駄目だよ、仕事の邪魔をする気はないんだから。」
「せやけど、」
「それにケット・シーが一緒に寝てくれるでしょ?」
「そりゃね!」
「(名前)さん、」
「ケット・シーの言った事は気にしないで、本当に邪魔をするつもりは何もないの。」
「──…いえ、私ももう寝る事にします。」
「リーブ。」
(名前)の咎める声を他所にコーヒーカップを煽って空にする。
「既に眠気覚ましとしてコーヒーを飲んでたんです、そろそろ休めと身体が言ってます。」
「明日辛いわよ」
「寝不足で辛いよりまっしですよ」
「…屁理屈。」
「なんとでも」
リーブはコーヒーカップをシンクに置けば口を尖らせながらケット・シーを抱えてベッドルームに行く(名前)の後ろを追いかけた。
─────────────
「僕ね、実はこの時間好きなんよ」
「??」
「僕、(名前)はん、リーブはん。3人で寝れるの好きなんよ」
「私もだよ。」
「へへ、」
「───…ねぇリーブ、」
「はい。」
「…幸せ、だな」
「私もです。」
背後から二人分の寝息を聞きながらケット・シーはパチリと目を開ける。
「(ホンマにふたりとも疲れてたんやね、僕、寝やんでもええの忘れてもうてるもん)」
ケット・シーは静かに瞼を閉じた。