break cafe(トリコ/オールキャラ)
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来店を知らせるベルが鳴る
「はーい、少々お待ちください」
日替わりランチをテーブルに届ければカウンターに戻ってお客様に向き合う、一段高くなってるそこは大抵のお客様と目線が合う高さなのだけどその日のお客様はそれでも私が見上げる高さのとても体躯の良い方でした。
「ホットコーヒーとミックスサンドイッチを、」
「珈琲豆はいかがなされますか?」
「え、あー…すみません、豆にはあまり詳しくなくて」
「かしこまりました、こちらが詳しい説明ですが…もし苦手な物がないようでしたらこちらのブラックスノーは如何でしょうか。本日のミックスサンドと相性がいいものとなっております。」
「それならそれを、」
「かしこまりました」
にっこりと微笑みながらお客様に番号札をお渡ししてお好きなお席へどうぞ。とお声がけをすればサンドイッチを作る為に食パンを取り出してスライスする。
すると後ろから店長に声をかけられる
「ブラックスノー?」
「はい、ミックスサンドとご一緒です」
注文を伝えながら手は止めない。
店長はそれを聞きながら「それなら少し細かい方がいいかなぁ」と言いながら珈琲豆を砕き始めて珈琲を淹れ始める、豆の良い香りが店内に漂いながら穏やかな店内BGMと絶妙にマッチして心地いい空間。
私はスライスした食パンの端を切り落としバターを塗り食材を乗せ上からもう一枚食パンを乗せてサンドすれば半分に切るよう包丁を入れ長方形のサンドイッチを作り上げる、4切れのサンドイッチを真っ白のお皿に並べれば店長が淹れたコーヒーをサンドイッチと共にお持ちする。
「お待たせいたしました。ブラックスノーとミックスサンドでございます」
そう告げれば開いていた本を閉じてこちらに微笑んでくださるお客様、その気遣いだけで店員としては嬉しい。
…あら、よく見たら………
少しだけジッとお客様のお顔を見つめてしまっていることに気づいた私は誤魔化すように微笑み「ごゆっくり」と決まり文句を告げ番号札を回収する。
カウンターに戻れば店長がおかわり用のコーヒーを淹れていた。
「店長、あのお客様…」
「(名前)ちゃん、お客様の詮索はマナー違反だよ」
ハッとする様に軽く口元に手を添え「すみません」と謝る。
店長はあまり気にしない様子で
「いいよいいよ、でもまぁ気にはなるよねぇ。」とのんびりとした口調で会話をしながらお客様に少し視線を向ける、なんてったって私が先程お席にサンドイッチとコーヒーをお持ちしたのはあの有名な美食四天王・ココなのだから、やはり少しだけ気になる。
白のハイネックにブラックブラウンのジャケット、お話に聞いていたターバンは巻いていないようだけれどその涼し気な目元に眉頭がしっかりしてる短く太めの眉、それと男性らしさを表す様にしっかりとしたもみあげ。
そして極めつけがジャケット越しにもわかる鍛え上げられた体。
確かに人気があるのも頷ける、基本お客様にあまり視線を向けない店長も少しだけ目が奪われるほどの気立ての良さ。
しかし気になるのはこの何にもない駅の近くにある何でもない喫茶店にこんなお客様が来る事、うちが店を構えるこの場所はお世辞にも都会とは言い難い。
夜行列車の停車駅にはなっているがただそれだけ。
目当てになる様な観光地もなければ名産品もあまり思いつかない、
はて、何か目新しいものでも出来てたかしら。何て考えながらお席を立った他のお客様の使っていたテーブルを片付ける、食器をシンクに下げれば絞った布巾を手に再び席に行きテーブルを拭き椅子やシュガーポットの位置を元に戻せば元通り。
カウンターに戻ると店内に居るお客様の人数分のコーヒーカップ、私は左から順にお客様にお届けをする。基本はリピーターの多いこのお店、大抵のお客様は会釈だけで通じてしまうが今日は初めての方もいらっしゃるのでその方にはお声がけをする。
「失礼致します、コーヒーはお口に合いましたか?」
「あ、はい。サンドイッチの甘さによく合って美味しかったです。」
「それは良かった、こちらおかわりです。」
新しいコーヒーの入ったカップを置き空になった方をトレイに乗せると「頼んでない」と言う視線が来る。
「当店からのサービスです」
にっこりと微笑みながらそう告げると納得したご様子で「ありがとう」と言われる。
そのお言葉に再び笑顔で返しカウンターに戻れば食器を片付けていてくれた店長が振り返りながら私に休憩を告げる。
少しあのお客様が気にならないわけじゃないけどでもやはりあくまでもお客様。
気に入ってくださればまた訪れてくださるかしら。と考えながら特製賄いミックスサンドを手短に拵え店長が淹れてくれたコーヒーを手に取り二階のテラス、スタッフの休憩所に足を運んだ。
──────
それが私、しがないカフェ店員と美食四天王・ココさんとのファーストコンタクトでした。
──────
あれから数年、今となってはもはや立派な常連となった美食四天王・ココとの出会いを思い出しながら(名前)はコーヒーを淹れていた。
さてそろそろかしら…
あの方がいらっしゃるのは決まって午前中の少し早い時間。
そう考えていれば来店を知らせるベルが鳴る
「いらっしゃいませ」
「やぁ」
「お久しぶりです。今回は少し時間が開きましたね」
「それでも君は分かってたんだろ?」
「あらやだ、なんの事ですか?」
「知らないふりは君の十八番だったね、ミックスサンドとコーヒーを。」
「珈琲豆はいかがなさいますか。」
「君のオススメを」
「でしたらブラックスノーは如何でしょうか?本日のミックスサンドはこの子に合うよう作っております」
「僕にはそれしか出さないよね」
「あら、お嫌いでした?」
「まさか。」
それをお願いするよ。そう答えるお客様に番号札をお渡し、お好きなお席へどうぞ。と告げる
今日のミックスサンドは少し味が濃いめだから豆は粗挽きに…なんて考えながらコーヒーを淹れる。
あんな軽口が叩けるくらいにはお客様が通われてる事実が純粋に嬉しい。
例えお客様の来店ペースが一定でなくても、次来られた時に求められるものを、
一休みできる空間をご提供出来れば。
ココさんはただ、あの日のコーヒーとサンドイッチを求められてここに来られる。
だから私はそれを提供する、どんな日でもココさんが来られる時には必ずミックスサンドとブラックスノーの豆だけは切らさないように。
「お待たせしました。」
「はーい、少々お待ちください」
日替わりランチをテーブルに届ければカウンターに戻ってお客様に向き合う、一段高くなってるそこは大抵のお客様と目線が合う高さなのだけどその日のお客様はそれでも私が見上げる高さのとても体躯の良い方でした。
「ホットコーヒーとミックスサンドイッチを、」
「珈琲豆はいかがなされますか?」
「え、あー…すみません、豆にはあまり詳しくなくて」
「かしこまりました、こちらが詳しい説明ですが…もし苦手な物がないようでしたらこちらのブラックスノーは如何でしょうか。本日のミックスサンドと相性がいいものとなっております。」
「それならそれを、」
「かしこまりました」
にっこりと微笑みながらお客様に番号札をお渡ししてお好きなお席へどうぞ。とお声がけをすればサンドイッチを作る為に食パンを取り出してスライスする。
すると後ろから店長に声をかけられる
「ブラックスノー?」
「はい、ミックスサンドとご一緒です」
注文を伝えながら手は止めない。
店長はそれを聞きながら「それなら少し細かい方がいいかなぁ」と言いながら珈琲豆を砕き始めて珈琲を淹れ始める、豆の良い香りが店内に漂いながら穏やかな店内BGMと絶妙にマッチして心地いい空間。
私はスライスした食パンの端を切り落としバターを塗り食材を乗せ上からもう一枚食パンを乗せてサンドすれば半分に切るよう包丁を入れ長方形のサンドイッチを作り上げる、4切れのサンドイッチを真っ白のお皿に並べれば店長が淹れたコーヒーをサンドイッチと共にお持ちする。
「お待たせいたしました。ブラックスノーとミックスサンドでございます」
そう告げれば開いていた本を閉じてこちらに微笑んでくださるお客様、その気遣いだけで店員としては嬉しい。
…あら、よく見たら………
少しだけジッとお客様のお顔を見つめてしまっていることに気づいた私は誤魔化すように微笑み「ごゆっくり」と決まり文句を告げ番号札を回収する。
カウンターに戻れば店長がおかわり用のコーヒーを淹れていた。
「店長、あのお客様…」
「(名前)ちゃん、お客様の詮索はマナー違反だよ」
ハッとする様に軽く口元に手を添え「すみません」と謝る。
店長はあまり気にしない様子で
「いいよいいよ、でもまぁ気にはなるよねぇ。」とのんびりとした口調で会話をしながらお客様に少し視線を向ける、なんてったって私が先程お席にサンドイッチとコーヒーをお持ちしたのはあの有名な美食四天王・ココなのだから、やはり少しだけ気になる。
白のハイネックにブラックブラウンのジャケット、お話に聞いていたターバンは巻いていないようだけれどその涼し気な目元に眉頭がしっかりしてる短く太めの眉、それと男性らしさを表す様にしっかりとしたもみあげ。
そして極めつけがジャケット越しにもわかる鍛え上げられた体。
確かに人気があるのも頷ける、基本お客様にあまり視線を向けない店長も少しだけ目が奪われるほどの気立ての良さ。
しかし気になるのはこの何にもない駅の近くにある何でもない喫茶店にこんなお客様が来る事、うちが店を構えるこの場所はお世辞にも都会とは言い難い。
夜行列車の停車駅にはなっているがただそれだけ。
目当てになる様な観光地もなければ名産品もあまり思いつかない、
はて、何か目新しいものでも出来てたかしら。何て考えながらお席を立った他のお客様の使っていたテーブルを片付ける、食器をシンクに下げれば絞った布巾を手に再び席に行きテーブルを拭き椅子やシュガーポットの位置を元に戻せば元通り。
カウンターに戻ると店内に居るお客様の人数分のコーヒーカップ、私は左から順にお客様にお届けをする。基本はリピーターの多いこのお店、大抵のお客様は会釈だけで通じてしまうが今日は初めての方もいらっしゃるのでその方にはお声がけをする。
「失礼致します、コーヒーはお口に合いましたか?」
「あ、はい。サンドイッチの甘さによく合って美味しかったです。」
「それは良かった、こちらおかわりです。」
新しいコーヒーの入ったカップを置き空になった方をトレイに乗せると「頼んでない」と言う視線が来る。
「当店からのサービスです」
にっこりと微笑みながらそう告げると納得したご様子で「ありがとう」と言われる。
そのお言葉に再び笑顔で返しカウンターに戻れば食器を片付けていてくれた店長が振り返りながら私に休憩を告げる。
少しあのお客様が気にならないわけじゃないけどでもやはりあくまでもお客様。
気に入ってくださればまた訪れてくださるかしら。と考えながら特製賄いミックスサンドを手短に拵え店長が淹れてくれたコーヒーを手に取り二階のテラス、スタッフの休憩所に足を運んだ。
──────
それが私、しがないカフェ店員と美食四天王・ココさんとのファーストコンタクトでした。
──────
あれから数年、今となってはもはや立派な常連となった美食四天王・ココとの出会いを思い出しながら(名前)はコーヒーを淹れていた。
さてそろそろかしら…
あの方がいらっしゃるのは決まって午前中の少し早い時間。
そう考えていれば来店を知らせるベルが鳴る
「いらっしゃいませ」
「やぁ」
「お久しぶりです。今回は少し時間が開きましたね」
「それでも君は分かってたんだろ?」
「あらやだ、なんの事ですか?」
「知らないふりは君の十八番だったね、ミックスサンドとコーヒーを。」
「珈琲豆はいかがなさいますか。」
「君のオススメを」
「でしたらブラックスノーは如何でしょうか?本日のミックスサンドはこの子に合うよう作っております」
「僕にはそれしか出さないよね」
「あら、お嫌いでした?」
「まさか。」
それをお願いするよ。そう答えるお客様に番号札をお渡し、お好きなお席へどうぞ。と告げる
今日のミックスサンドは少し味が濃いめだから豆は粗挽きに…なんて考えながらコーヒーを淹れる。
あんな軽口が叩けるくらいにはお客様が通われてる事実が純粋に嬉しい。
例えお客様の来店ペースが一定でなくても、次来られた時に求められるものを、
一休みできる空間をご提供出来れば。
ココさんはただ、あの日のコーヒーとサンドイッチを求められてここに来られる。
だから私はそれを提供する、どんな日でもココさんが来られる時には必ずミックスサンドとブラックスノーの豆だけは切らさないように。
「お待たせしました。」