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「あれ、髪切ったの」
事務所のソファに座る私を見て少しの驚きを含んだその声は私に問いかける、その腕に抱かれているジョンも驚いた様子でヌヌ!と私に問う。
「うん、伸ばそうかと思ったけど我慢できなくて切った。本当はもう少し残してもらうはずだったんだけど気づいたらこうなってた」
先程起こった少しの悲しいエピソードを笑いに交えて答える。
その瞬間少しだけ不機嫌そうに眉間にシワを寄せるドラルク、なんであんたが不機嫌になるの。
そう思いながら心配そうに私を見つめるジョンの可愛い頭を撫でているとスルリと冷たい手が私の耳を掠める、反射的に高い声が飛び出るとその声に驚いて目の前に塵の山ができた。死ぬなら触らなきゃ良いのに。
塵の山はぬるっとその形を取り戻して死んだことに気も止めず私の耳を再び見つめる。
ドラルクの体温は低い、それは吸血鬼特有の体温の低さもさることながら平熱がやや高めの私にとっては最早それは“冷たい”と感じる領域に低い。
今日みたいに曇りで気温が高い日なんかは体温の放熱が下手な私にとって丁度いい冷却材なのだが急に耳(急所)を触られるのはそれとコレとでは話が違う。
「君、そんなのつけてたっけ?」
ドラルクの言う“それ”は恐らく耳についてるもののこと。
別にピアスなんて彼と出会う前から穴は開いていたし普段から何でも結構つけている、それ呼ばわりされるような変なものをつけてた覚えはないのだが……
確認するために自分の耳たぶに手を添えると普段の仕事用ピアスより大きいストーンの手触り。
あぁ、さっきピアス買ったんだった。切られすぎて耳にかける髪すらない状態だからこの際新しいピアスを買おう思ってドンキでドラルクの色だなぁって思いながら紫のスワロピアスを……
その瞬間無意識で選んだ私の行動を思い返して耳たぶに刺さる2つのピアスの隙間が暑くなるのを感じる。
「え、急に赤面してどうしたの」
「何でもない!忘れて!!!」
帰る!と席を立ち扉に向かう私の腕を彼はすかさず掴む。
「いやどう考えても無理でしょ。」
何、どうしたの?と優しく問う声を振り切れない。
無意識とはいえ自分の行動が恥ずかしくていたたまれない、だって、こんな、見えるところに彼の色をつけるなんてまるで……
「あなたの所有物みたいじゃない」
「え?」
脈略のない私の言葉に彼は困惑する。
私は自分の感情を処理しきれずぐちゃぐちゃに思いながら感情のまま叫ぶ、
「あなたの色だと思って買ったの!」
その瞬間耳の端を少し砂にしながらもしっかりと未だ原型を保つ彼は少し頬を染めながらもニンマリと、そう、とても悪い笑みで私を見つめてくる。
ふーん、とか、へー、とかわざとらしくニヤニヤと笑いながら私の耳に指を伸ばす。
やっぱり急所は苦手で肩が揺れる。その動きすら嬉しそうに彼は見つめてくる。あぁ、ムカつく。
「私の愛しい人の髪が切られすぎたと聞いてムカついていたがそれを聞いたら全てどうでも良くなってしまったよ」
私の短くなった横髪をすくい取りキスをする。
彼の満足そうな顔を見てしまっては切られすぎたこととか、無意識に彼の色を隠さず纏う恥ずかしさとか、色々あったけど何もかもどうでも良くなってしまって……
私へのその執着心が心地よくて、そう思わされてしまう私ももう焼きが回ってて……たくさん考えて、それなりの理由を取り繕ったとしても結局は私は本当に貴方への気持ちを再認識するだけで、本当に
「ずるい人」
事務所のソファに座る私を見て少しの驚きを含んだその声は私に問いかける、その腕に抱かれているジョンも驚いた様子でヌヌ!と私に問う。
「うん、伸ばそうかと思ったけど我慢できなくて切った。本当はもう少し残してもらうはずだったんだけど気づいたらこうなってた」
先程起こった少しの悲しいエピソードを笑いに交えて答える。
その瞬間少しだけ不機嫌そうに眉間にシワを寄せるドラルク、なんであんたが不機嫌になるの。
そう思いながら心配そうに私を見つめるジョンの可愛い頭を撫でているとスルリと冷たい手が私の耳を掠める、反射的に高い声が飛び出るとその声に驚いて目の前に塵の山ができた。死ぬなら触らなきゃ良いのに。
塵の山はぬるっとその形を取り戻して死んだことに気も止めず私の耳を再び見つめる。
ドラルクの体温は低い、それは吸血鬼特有の体温の低さもさることながら平熱がやや高めの私にとっては最早それは“冷たい”と感じる領域に低い。
今日みたいに曇りで気温が高い日なんかは体温の放熱が下手な私にとって丁度いい冷却材なのだが急に耳(急所)を触られるのはそれとコレとでは話が違う。
「君、そんなのつけてたっけ?」
ドラルクの言う“それ”は恐らく耳についてるもののこと。
別にピアスなんて彼と出会う前から穴は開いていたし普段から何でも結構つけている、それ呼ばわりされるような変なものをつけてた覚えはないのだが……
確認するために自分の耳たぶに手を添えると普段の仕事用ピアスより大きいストーンの手触り。
あぁ、さっきピアス買ったんだった。切られすぎて耳にかける髪すらない状態だからこの際新しいピアスを買おう思ってドンキでドラルクの色だなぁって思いながら紫のスワロピアスを……
その瞬間無意識で選んだ私の行動を思い返して耳たぶに刺さる2つのピアスの隙間が暑くなるのを感じる。
「え、急に赤面してどうしたの」
「何でもない!忘れて!!!」
帰る!と席を立ち扉に向かう私の腕を彼はすかさず掴む。
「いやどう考えても無理でしょ。」
何、どうしたの?と優しく問う声を振り切れない。
無意識とはいえ自分の行動が恥ずかしくていたたまれない、だって、こんな、見えるところに彼の色をつけるなんてまるで……
「あなたの所有物みたいじゃない」
「え?」
脈略のない私の言葉に彼は困惑する。
私は自分の感情を処理しきれずぐちゃぐちゃに思いながら感情のまま叫ぶ、
「あなたの色だと思って買ったの!」
その瞬間耳の端を少し砂にしながらもしっかりと未だ原型を保つ彼は少し頬を染めながらもニンマリと、そう、とても悪い笑みで私を見つめてくる。
ふーん、とか、へー、とかわざとらしくニヤニヤと笑いながら私の耳に指を伸ばす。
やっぱり急所は苦手で肩が揺れる。その動きすら嬉しそうに彼は見つめてくる。あぁ、ムカつく。
「私の愛しい人の髪が切られすぎたと聞いてムカついていたがそれを聞いたら全てどうでも良くなってしまったよ」
私の短くなった横髪をすくい取りキスをする。
彼の満足そうな顔を見てしまっては切られすぎたこととか、無意識に彼の色を隠さず纏う恥ずかしさとか、色々あったけど何もかもどうでも良くなってしまって……
私へのその執着心が心地よくて、そう思わされてしまう私ももう焼きが回ってて……たくさん考えて、それなりの理由を取り繕ったとしても結局は私は本当に貴方への気持ちを再認識するだけで、本当に
「ずるい人」
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