私の願った幸せな世界(東リべ/マイキー)
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「また喧嘩したの?今度は何。」
「「俺は悪くない」」
声を揃えてお互いの顔を指差す二人に私は呆れながら救急箱の中から必要なものを取り出す。
ガーゼに消毒液を染み込ませたら圭介の頬にある擦り傷へ当てる、少し染みるみたいだけど眉間に少しシワを寄せるだけで何も言ってこない。そのまま絆創膏を貼って次はマイキーの方に同じように手当をする。
だけどマイキーは圭介と違ってものすごく文句を言ってくる、痛いとかもっと優しくしてくれとか。そんなこと言うなら喧嘩なんてしなきゃいいのに、って思うし何回も言ったけど二人とも聞く耳持ちやしない。
だから私はマイキーの言葉を右から左でなれた手付きで手当を終わらせる。
救急箱に消毒液を片付けて使ったガーゼとかのゴミを綺麗にまとめて救急箱の隣に置いたら本邸側の縁側から真一郎君とエマちゃんがガサガサとビニール袋の音をさせながらこっちに来る。
「お前らあんまり(名前)ちゃんに迷惑かけんなよー。」
いつもありがとうな、と私の頭を少し手荒く撫でながらそう言う真一郎君に私は嫌な気がしないけど少しの照れ隠しも兼ねて「そんなんだから彼女できないんだよ」って言ったら「どこにそんな要素あった!?」って傷ついてた。
女の子の頭をそんな乱暴に撫でたらだめなんだよ。なんて言ってあげないけどエマちゃんは気づいてるみたいで真一郎君のそんな姿に少し呆れ顔。
ふと目があって二人でクスクス、と笑いが溢れる。
「何買ってきたの?」
「アイス!(名前)ちゃんソーダ味好きだったよね?」
ガサ、と袋を両手で開いて見せてくれた中身には色んなアイス達が入ってた。
暑いから真一郎君が買ってくれたらしい。袋の中を覗き込んでる私の両隣からマイキーと圭介が一緒になって覗き込む、エマちゃんはバニラが好きだからカップのやつは選ばないとして…色々考えていた私を他所に「俺これ!」と我先に手を伸ばしてガリガリ君をさらっていたマイキー。
圭介もそれが食べたかったらしくマイキーの方へ駆けていく。今手当したばかりなのにまた喧嘩し始めるものだから私はその中に残ったアイスの1つを手にとって圭介に声をかける。
「圭介!これ、私とはんぶんこしようよ」
呼ばれて素直に私の方へ振り向く圭介に見えるように掲げるそれはソーダ味じゃない茶色のコーヒー味のパピコ。
袋から取り出してパキッと割って片方を圭介に差し出したら少し口を尖らせながらも素直に受け取ってくれた。
その後ろからマイキーがなにか文句言ってるが聞かない。本来ならそのガリガリ君は私のものなのだから。
縁側でエマちゃんと圭介に挟まれながらハピコを咥える。
マイキーが圭介の隣から身を乗り出してあろう事か私のパピコまで強請り始めたのでデコピンを一発お見舞いしたら大人しくなった。
そんな様子をずっと見てた真一郎君は愉快そうに少し離れたところで煙草に火を付けた。
─────これは確かにあった平和で幸せな時間。
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