Forever
名前
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「おまっ、ゼロ…」
「安室です」
「いや、どう見ても…」
「安室です」
安室と名乗る店員はどっからどう見ても降谷さんだ。耳の形だって同じだし。
もしかしてイケメン店員って降谷さんの事だったのか…?
相席でも構わないかと訊かれたので良いよと言ったら、女子高生二人が座ってる席に案内された。
本当はソファーに陣平と密着して座りたかったが仕方なく向かい合わせに座った。
「サンドイッチ二つとコーヒーとオレンジジュース」
「かしこまりました」
テーブル越しだと陣平とくっつけないから、料理が来るまで暇になっちゃったなあ。
せめて手だけでも陣平と繋ごうと思い、手の平を見せたら優しく握ってくれた。
陣平優しい…。かっこいい顔をじっと見てると、隣に座ってたカチューシャの子が話しかけてきた。
「二人ともお熱いですねえ。
恋人同士なんですか?」
「ちょっと園子!
すみません、初対面なのに…」
「別に構わねえよ。
幼なじみで将来を誓った仲だよ。なあ、名前」
「うん。もう一人幼なじみいる」
「へえ…じゃあもう一人の幼なじみさんは?」
「さっき名前が投げ飛ばして来た」
カチューシャの子めっちゃ質問してくるな。
もしかして陣平がかっこいいから狙ってる?だとしたら規制しないと。
陣平がかっこいいからって恋しちゃダメだからと言ったらカチューシャの子が大口開けて笑った。
「そんな心配しなくても平気ですよ!
京極さんっていう世界一かっこいい彼氏がいますから!」
「へえ…(彼氏持ちなのに陣平を狙ったのか)」
「それに友達の蘭も旦那がいるから、名前さん心配しないでくださいね!」
旦那がいるってことは結婚してるの!?今どきの女子高生凄いな。
自分なんてもう少しで三十なのに…。
いやいや、結婚だけが幸せじゃないし。結婚しなくても陣平がいるから幸せだし。
陣平が生きてるだけで幸せじゃないか。
カチューシャの子が気をきかせて席を交換してくれた。
私の隣に陣平が移動して座ると、さっき離した手をまた繋ぎ直してくれて、頬に口づけをしてくれた。
「家に帰ったら口にしてね」
「ああ。たくさん可愛がるからな」
「ん…嬉しい」
陣平は繋いでないもう片方の手を、ズボン越しでおまたを優しく撫でてくれた。
かっこいい顔がさらに近くて、店内で撫でられてどきどきする。
そんな事されたら直接触って欲しくなっちゃう。
けど食事を終えたらまた別の仕事を押し付けられるだろうし、ここは我慢しないと。
「お待たせしました。ご注文の品です」
「いや、そんなに待ってねえよ。むしろ早ぇぐらいだ」
「そうですか?まあお腹が空いているでしょうから、どうぞめしあがってください」
サンドイッチと飲み物が運ばれたら陣平と両手の温もりが離れた。
少し寂しい…と思ってサンドイッチを持ったら、皿にヒビ入ってる…?
サンドイッチを一口食べたが味は普通だった。コンビニよりこっちの方が美味いレベル?
「それと…店内でいちゃいちゃするのは他のお客様に迷惑になりますので」
「あぁん?別に迷惑かけてねえだろうが。
大声だしてる訳じゃねえんだからよ」
「でははっきり言わせてもらいますね。
名前さん、そんな男と付き合うのは止めて僕にしませんか?貴方に一目惚れしたんです」
「はあ!?」
私の手首を掴むと手の甲に口づけをした。
気持ち悪っ!これ本当に降谷さん!?
手を振り払っておしぼりでごしごし拭いてると、残念なんて言ってる。気持ち悪い。
「俺の名前に何しやがる!」
「おっ…と。乱暴な人ですね」
陣平は立ち上がって降谷さんに右ストレートでぶっ飛ばそうとしたがギリギリのところで避けられた。
この店には客がいるし、もしケガでもさせたら上の奴らがうるさいんだよな。何でろくに事件解決しないくせに階級が上なんだろう。何かのコネか?
…まあ、とりあえず陣平を止めよう。
「私は陣平以外興味無いよ」
「それは知ってるけどコイツが俺の名前を…!」
「じゃあ逮捕する?
私と陣平を引き離そうとした罪で」
「それ良いな。はい、お前逮捕」
陣平は自分の手首と降谷さんの手首に手錠をはめて満足そうだ。
けどサンドイッチを全く食べてないのにどうするんだろう…と思ったら女の店員に持ち帰り用に包んでくれと言った。
その間に私はオレンジジュースを、陣平はコーヒーを飲んだ。
会計は私が払ったから後でいっぱいキスしてもらおう。
店を出て近くの路地裏に行くと陣平は降谷さんを壁際に追いやって、手錠を外すと足を壁にドンッと着いた。
「…で?
あれから連絡一つも寄越さねえで、喫茶店で働いてる理由は何だ。景の旦那も連絡とれねえし」
「潜入調査をしているんだ。景光は…もう…」
「分かった」
私は警察学校を卒業した後、一人になって隙をついた風見を脅し、ノックとバレた諸伏君の事を色々とやってもらった。
降谷さんはその事を知らないから、諸伏君が死んだと思っているのだろう。
「君達は相変わらずなんだな。元気そうで良かったよ。他の二人は?」
「萩も班長も元気だよ」
「そうか…なら良かった。
久しぶりに二人の顔を見れて良かったよ」
「俺は良くねえよ。
久しぶりに会ったと思ったら名前の手にキスしやがっ…て!」
陣平は降谷さんに向かって回し蹴りをしたが、腕をクロスしてダメージを和らげた。
「まだ名前を狙ってんのかよ。いい加減諦めろ」
「君こそ早く名字を解放したらどうだ。いつまで側に置いてるつもりなんだ」
「ああん?
俺が死ぬまで隣に置くに決まってんだろ」
「僕に譲る気は?」
「無えよ!」
言い合いしてたら陣平と降谷さんは殴り合いをし始めた。
これ始まるとなかなか終わらないんだよなあ。
桜の木の下でやり合った時も陣平の差し歯が飛んでも止まらなかったし。
それにあの時は互いに警察学校だから良かったけど、今の立場は公安で潜入捜査官と捜査一課。明らかに陣平が悪者にされる。早く止めないと。
「ね、陣平。
降谷さんに構ってばかりだと寂しいな」
「そうか、そうだよな…。
おい、今日はこのくらいで勘弁してやる。
次会った時また名前に嫌がらせしたら…お前の自慢の顔面をぼこぼこにしてやるよ」
「はっ、できたらな」
「行くぞ名前」
「うん。
またね、降谷さん」
陣平と手を繋いで愛車に向かう。
口ではああ言ってたが、久しぶりに友人に会えて嬉しかったのだろう。口元が少し上がってるし。
助手席に座ってシートベルトを締める。
運転中の陣平にさっきのサンドイッチを口元に運べば、味はまあまあと言いながらも完食した。
「あー喉渇いたな」
「ジュースならあるよ」
「飲ませてくれるか?」
赤信号で車が止まっている時にジュースを口に含んで、それを陣平の口に流しこんだ。
ごくっと陣平の喉が動いたのがえっちすぎる。
こんなえっちなの見せられたら、このまま家に帰って可愛がられたくなっちゃう。けど今は休憩中だから仕事に戻らないと。ああ面倒だなあ。
愛車を駐車して陣平が先に降りて、ドアを開けて手を差し伸べてくれる。
その手を握って愛車を降りると、ちゅっとキスしてくれた。
「好きだ名前」
「私も好きだよ、陣平」
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