Forever
名前
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「きろ、起きろ…名前」
大切な人の声が聞こえる。
奴を殺して大切な人の後を追うように自殺したから、ここはあの世だろう。
それなのに身体が重い。まるで実体があるみたい。
瞳を開けると警察学校のジャージに身を包んだ大切な人…陣平が私の顔をじっと見ていた。
「じん、ぺい…?」
「おはよう名前。
早くしねえとうるさい教官に怒られるぞ?」
陣平が口づけた場所が温もりを感じる。確かに死んだはずなのに、これが現実みたいな…。
「キス…あたたかい」
「当たり前だろ、生きてんだから。
怖い夢でも見たのか?」
「生きてる…陣平」
「一回じゃ物足りないのか?
名前が望むなら何度だってするからな」
腕を引っ張られて上半身を起こすと少しだるい。
おでこと頬に何度もキスしてくれて、すごくあたたかくて気持ち良い。
「じんぺい…陣平っ!」
「おっ、と。
今日の名前はいつもより甘ぇな」
陣平に抱きつくと抱き締め返してくれて頭を撫でてくれた。
温もりも口づけも撫でてくれるのも、あの時と変わらない。
嬉しくて涙が零れると陣平が舌で舐め取ってくれた。好き、大好き。
神様がいるといたら奴を殺したごほうびなのかな?
こんな夢を見続けられたら私はすごく幸せ者だなあ。
「好きだよ、陣平」
「俺も名前が好きだ」
陣平にたくさんキスしてもらってると勢いよく扉が開く音がした。
振り向くと萩が呆れたような顔をしてこちらに近づいてくる。
「陣平ちゃん、教官が怒ってる。早くしろって」
「わかってるけど名前が可愛いから仕方ねえだろ」
「まったく陣平ちゃんは…。
あれ、名前泣いたの?瞳赤いけど。
もしかして陣平ちゃんにいじめられた?
だったら陣平ちゃんじゃなくて、俺の胸に飛び込んでおいで」
「俺が名前をいじめるわけねえだろ。俺の事が好きすぎて泣いただけだよ」
「はあ…?
なるべく急げよ。俺は扉の向こうで待ってるから」
「ああ」
扉が閉まると陣平は私をベッドから出させて、手慣れた手つきで服を脱がしてジャージに着替えさせる。
陣平と手を繋げば、ちゃんと感触があって温もりもちゃんとある。夢ってこんなにはっきりしてるっけ。
それにさっき陣平が生きてる、怖い夢でも見たのかって…。
もしもこれが夢じゃなくて、本当に過去に戻っているんだとしたら…。