Forever
名前
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「(やっと…この日がやってきた)」
本庁にファックスが送られてきたのを知った。
それは奴が送った爆弾のカウントダウンだと。
陣平を殺されてすぐに犯人を特定した。
すぐにでも殺したいと思ったが、それじゃあ良くないと思って今日まで待った。どうせ殺すなら同じ日付で殺してしまおうと。
「(奴を殺して…それから私は……)」
廃ビルでライフルを組み立ててから、懐にある拳銃に触れた。
全てが終わったら下に待機させてる風見に回収してもらおう。
もうこの世界に居る意味なんて無いんだから。
爆発まであと五分。
携帯を開いて陣平と一緒に撮った写真を見て、携帯に口づけた。
もう少し…もう少しで全てを終わらすからね。
その時がやってくるのを待ってると、後ろから扉が開かれる音がした。
振り向くとグレースーツに身を包んだ男がこちらに近づいて来る。
「名字…」
「どうしたの降谷さん」
胸ぐらを掴まれて降谷さんとの距離が近くなる。
どうせ私を止めにきたのだろう。まあ無駄だけど。
「本気なのか」
「当たり前。
じゃなきゃここに居ない」
「復讐は何も産まないし、殺された人は復讐を望んでない。
こんな馬鹿げた事なんて止めるんだ!奴は法で裁けば良いだろう!」
この脳内お花畑が。何綺麗事言ってんだ。
懐から拳銃を取り出して降谷さんの太ももに二発撃った。
躊躇なんてしなかった。邪魔されたくなかったから。
さすがに降谷さんの命は奪わないよ。そんな事したら陣平に怒られちゃうから。
立ってられなくなったのか、掴まれてた手が離れてその場にしゃがみこんだ。
そんな降谷さんに目線を合わせて私もしゃがんで、降谷さんが持っていた銃を取って自分の懐にしまう。もちろん空薬莢も拾った。
これでもう手出しできないね。
「ねえ降谷さん。綺麗事って大嫌いなんだ。
復讐は何も産まない?復讐を望んで無い?うるせえよ。
あんな奴に私の大切な人を殺された気持ち分かる?分からないか。だからそんな事言えるんだよね。
大切な人を殺されたのに奴はのんきに暮らして、それがすごく腹立たしくて…。
法で裁かれて刑務所で暮らしますって?はあ?ふざけんな。何で私の大切な人を殺したくせに刑務所でぬくぬくするんだよ。何年後かに釈放されるだろうが。
そんな奴がこの世に生きていて良いの?ダメでしょ。殺人者に甘過ぎでしょ。
だからね、私は奴を殺すんだ」
スコープ越しに奴を見ると、今から爆発させるのを楽しそうにしてる。
その周りには警察官が居るな。爆発のタイムリミットまで泳がせているんだろう。まあ無駄に終わりけど。
秒針がゼロになった瞬間、引き金を引いた。
奴は地面に倒れて周りの警察官が集まってる。
奴が死んで心がすっきりした。
大切な人を殺した奴は居なくなったんだ。
復讐したし、もう私がここに居る意味なくなったな。
ライフルを片付けた後、降谷さんの脚を止血してから背負って風見の元に向かう。
助手席に降谷さんを座らせてから、自分は後部座席に座った。
病院に連れて行ってと言ったら理由を聞かずに車のエンジンをかけた。
「風見。後は頼んだ」
心臓に当たる位置に拳銃を向けて瞳を閉じた。
陣平がいない数年間、生きてる意味なんてなかったよ。もし天国か地獄が存在するなら逢えると良いなあ。
「さようなら」
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