風見パパになる番外編
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風見side
降谷さんが俺を送り届けて。
降谷さんがいなくなってなまえの演技を止めた名字さんは、ふぅ…と息を吐いて壁に寄りかかった。
「名字さん、ありがとうございます。
あの狙撃…貴女ですよね」
「ああ…別に。
風見がピンチなのに、家で大人しく待ってるなんてできなかったから」
「わざわざ元の姿に戻って危険を犯してまで…本当に感謝してます」
「そりゃ元の姿に戻らないと。なまえの姿でライフル扱えないでしょ」
「そう、ですね…」
以前名字さんが「降谷さんに伝えて、もし情報がもれたら二次被害がでる」と言ってた。
降谷さんにバレる可能性が高まるのに、それでも俺を助ける選択をした…都合良く解釈しても良いのか。
「そういえばさ」
「はい」
「降谷さんが私のスマホのパスワードを開けようとしていたんだけど」
「はい」
「結局パスワードが解らなくて、諦めたんだ」
「そうですか…」
実は降谷さんと車内でその会話をしたばかりだ。
なまえが名字さんだと疑って、夜中に部屋を漁ったが何もでてこなかったそうだ。
なまえのスマホのパスワードを知ってるかと訊かれたが、知らないと答えたら、素っ気ない返事をされた。
「パスワード知りたい?」
「良いんですか?」
「風見なら良いよ」
手招きをされたので、名字さんの隣に座ってスマホを除きこんだ。
「パスワードは八桁。
大切な人の誕生日と命日」
「めい、にち……」
「観覧車に設置されていた時限爆弾でドカーンと、ね。
アイツは自分を犠牲にして、沢山の命を助けた」
「命を助けた…」
「爆発する直前に爆弾を仕掛けた場所が表示される仕組みで…。
その日アイツが電話をかけてきて、じゃあな…って。
アイツの写真、このスマホに全部移動したんだけど…」
ほら。と見せてきた人は、クセっ毛でサングラスをしている。
俺と違って、その…すごいイケメンだ。
俺はイケメンと張り合える容姿じゃないし。
死んだ幼なじみを越えるなんて…できるか?
そもそもその人を越える前に、ランク付けしたら降谷さんより俺の方が低いんじゃないか?
考えれば考えるほど虚しくなっていくな…。
俺だって、死んでからもこうやって、ずっと名字さんに想われたい。
「名字さん」
「なに?」
「もしも俺が死んだら…。
パスワードを誕生日と命日にしてくれると嬉しいです」
「は?」
ただ言ってみただけですから、深く考えないでくださいね。
言葉を発しようとしたら、ものすごい低い声で俺の名字が呼ばれた。
「風見」
「…はい」
「私は風見に関するパスワードにしない」
「そう、ですか」
そこまではっきり全否定されると辛いな…。
名字さんは俺の膝に乗っかり、上目使いで見つめた。
「もしも、なんて絶対に無い。
風見が今日みたいに捕まって、敵が何十人、何百人いても……必ず助ける」
「えっ」
「えっ、ってなに。
私は風見がいないとイヤなの」
「イヤって…。
ああ、衣食住がありますからね」
「違う!
私は風見がいない世界なんてイヤなの!!
ここまで言わせないでよ、風見のばかっ」
名字さんは俺の胸に頭をぐりぐりと押し付けた。
きっと顔が赤くなったので隠しているのだろう。ダメだ、可愛すぎる。
ああけど、何だか眠くなってきたな。
降谷さんの前では寝るわけにはいかないと頑張っていたが…名字さんの前だと気がゆるむ。
欠伸するのを堪えていると、一緒にお昼寝しようかと名字さんは言った。
「実はあまり睡眠がとれていなくて」
「お仕事お疲れ様。
私のこと、抱き締めて寝て良いよ」
「ありがとうございます」
名字さんを抱えて布団の中に潜る。
布団はひやりと冷えていたが、俺と名字さんの体温ですぐに温かくなった。
眠い。瞼がくっつきそうだ。
だけど、これだけは伝えたい。
「名字、さん」
「なに?」
「自分も、貴女が、いないと…イヤです」
「そうなの?」
「はい。
だから、これからも、ずっと………」
一緒に、いてください
降谷さんが俺を送り届けて。
降谷さんがいなくなってなまえの演技を止めた名字さんは、ふぅ…と息を吐いて壁に寄りかかった。
「名字さん、ありがとうございます。
あの狙撃…貴女ですよね」
「ああ…別に。
風見がピンチなのに、家で大人しく待ってるなんてできなかったから」
「わざわざ元の姿に戻って危険を犯してまで…本当に感謝してます」
「そりゃ元の姿に戻らないと。なまえの姿でライフル扱えないでしょ」
「そう、ですね…」
以前名字さんが「降谷さんに伝えて、もし情報がもれたら二次被害がでる」と言ってた。
降谷さんにバレる可能性が高まるのに、それでも俺を助ける選択をした…都合良く解釈しても良いのか。
「そういえばさ」
「はい」
「降谷さんが私のスマホのパスワードを開けようとしていたんだけど」
「はい」
「結局パスワードが解らなくて、諦めたんだ」
「そうですか…」
実は降谷さんと車内でその会話をしたばかりだ。
なまえが名字さんだと疑って、夜中に部屋を漁ったが何もでてこなかったそうだ。
なまえのスマホのパスワードを知ってるかと訊かれたが、知らないと答えたら、素っ気ない返事をされた。
「パスワード知りたい?」
「良いんですか?」
「風見なら良いよ」
手招きをされたので、名字さんの隣に座ってスマホを除きこんだ。
「パスワードは八桁。
大切な人の誕生日と命日」
「めい、にち……」
「観覧車に設置されていた時限爆弾でドカーンと、ね。
アイツは自分を犠牲にして、沢山の命を助けた」
「命を助けた…」
「爆発する直前に爆弾を仕掛けた場所が表示される仕組みで…。
その日アイツが電話をかけてきて、じゃあな…って。
アイツの写真、このスマホに全部移動したんだけど…」
ほら。と見せてきた人は、クセっ毛でサングラスをしている。
俺と違って、その…すごいイケメンだ。
俺はイケメンと張り合える容姿じゃないし。
死んだ幼なじみを越えるなんて…できるか?
そもそもその人を越える前に、ランク付けしたら降谷さんより俺の方が低いんじゃないか?
考えれば考えるほど虚しくなっていくな…。
俺だって、死んでからもこうやって、ずっと名字さんに想われたい。
「名字さん」
「なに?」
「もしも俺が死んだら…。
パスワードを誕生日と命日にしてくれると嬉しいです」
「は?」
ただ言ってみただけですから、深く考えないでくださいね。
言葉を発しようとしたら、ものすごい低い声で俺の名字が呼ばれた。
「風見」
「…はい」
「私は風見に関するパスワードにしない」
「そう、ですか」
そこまではっきり全否定されると辛いな…。
名字さんは俺の膝に乗っかり、上目使いで見つめた。
「もしも、なんて絶対に無い。
風見が今日みたいに捕まって、敵が何十人、何百人いても……必ず助ける」
「えっ」
「えっ、ってなに。
私は風見がいないとイヤなの」
「イヤって…。
ああ、衣食住がありますからね」
「違う!
私は風見がいない世界なんてイヤなの!!
ここまで言わせないでよ、風見のばかっ」
名字さんは俺の胸に頭をぐりぐりと押し付けた。
きっと顔が赤くなったので隠しているのだろう。ダメだ、可愛すぎる。
ああけど、何だか眠くなってきたな。
降谷さんの前では寝るわけにはいかないと頑張っていたが…名字さんの前だと気がゆるむ。
欠伸するのを堪えていると、一緒にお昼寝しようかと名字さんは言った。
「実はあまり睡眠がとれていなくて」
「お仕事お疲れ様。
私のこと、抱き締めて寝て良いよ」
「ありがとうございます」
名字さんを抱えて布団の中に潜る。
布団はひやりと冷えていたが、俺と名字さんの体温ですぐに温かくなった。
眠い。瞼がくっつきそうだ。
だけど、これだけは伝えたい。
「名字、さん」
「なに?」
「自分も、貴女が、いないと…イヤです」
「そうなの?」
「はい。
だから、これからも、ずっと………」
一緒に、いてください