風見パパになる番外編
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風見side
「ただいま帰りました」
「おかえり。
風見って、福神漬け食べるよね」
「はい」
「テーブルに置いとくね」
「ありがとうございます」
この香りは…俺が昨日リクエストしたカレーだ。
スーツを脱いでラフな格好に着替えてから、手洗いうがいを済まして名字さんのいる部屋へ向かう。
カレーの横には別のお皿に福神漬け。コップには氷が入ったキンキンに冷えた水。
俺は何も言ってないが求めているものが揃っている…ありがたい。
「「いただきます」」
見た目からしてうまそうなカレーを、スプーンで掬って一口食べてみた。
これは…辛いけど美味いっ!
福神漬けもカレーによく合うし、水を飲むと口の中にさらに辛さが広がる。
俺は目の前にいる名字さんに味の感想を言おうと顔を上げた。
「このカレーおいし…って名字さん、どうしたんですか!?」
「ふっ、うぅ…っ、かざみぃ……」
「待ってください、今そっちに行きますから」
ポロポロと涙を溢して鼻水を啜っている名字さんの元に、俺は慌てて向かう。
涙を親指で拭って、ティッシュ箱からティッシュを二枚取り出し、名字さんの鼻に当てた。
「啜らないでちーんして…。
…はい、上手にできましたね。
使ったティッシュはごみ箱に捨てますよ」
「ありがと…手間かけさせてごめん。
風見に迷惑かからないように、頑張る……」
「頑張る?」
突然の涙と鼻水…もしかして名字さんは無理してカレーを食べているのか?
辛いの苦手ですか?と訊いたら、やはりと言うべきか名字さんは首を縦に振った。
「カレー辛いの苦手…。
だけど風見が、辛いのに目がないって言ってたから……」
「そう、か…」
これは完全に俺が悪い。
余計な事を言ったから、名字さんに無理をさせたんだ。
「ここで座って待っていてください」
「…風見?」
カレーがのったお皿をキッチンまで持って行き、コンロに置きっぱなしにされている鍋に具とルーを戻した。
辛いカレーを甘くする方法は確か…。
冷蔵庫を開けると、リンゴがあった。
きっと食後に食べようとしていた物だろう。
俺はリンゴを手に取って、使い慣れていない包丁で皮を剥き、そのリンゴをすりおろしてカレーの中に入れた。
よくかき混ぜてからお皿の上にのせる。
出来上がったそれを名字さんの目の前に置けば、ぱちぱちと瞬きをした。
「食べてみてください」
「うん…」
名字さんは恐る恐る口に運んで、もぐもぐと口を動かした。
ごくんと飲み込めば目を輝かせて、美味しい!と声を上げる。
「これなら食べられる」
「そうですか、それは良かった」
俺もカレーを食べてみる。
…うん、さっきより辛みが引いている。これなら大丈夫そうだな。
「名字さん」
「ん?」
「これからは無理しないでください。
自分は別に中辛でも甘口でも構いませんから」
「そうなの…?」
「そうですよ」
身を乗り出して名字さんの頭を撫でれば、その手を優しく掴まれる。
「風見…」
「はい?」
「ありがと」
名字さんが笑顔で言うものだから、つい俺まで笑顔になってしまう。
やっぱり名字さんは笑顔が似合っているなあ、としみじみ感じた。
「ただいま帰りました」
「おかえり。
風見って、福神漬け食べるよね」
「はい」
「テーブルに置いとくね」
「ありがとうございます」
この香りは…俺が昨日リクエストしたカレーだ。
スーツを脱いでラフな格好に着替えてから、手洗いうがいを済まして名字さんのいる部屋へ向かう。
カレーの横には別のお皿に福神漬け。コップには氷が入ったキンキンに冷えた水。
俺は何も言ってないが求めているものが揃っている…ありがたい。
「「いただきます」」
見た目からしてうまそうなカレーを、スプーンで掬って一口食べてみた。
これは…辛いけど美味いっ!
福神漬けもカレーによく合うし、水を飲むと口の中にさらに辛さが広がる。
俺は目の前にいる名字さんに味の感想を言おうと顔を上げた。
「このカレーおいし…って名字さん、どうしたんですか!?」
「ふっ、うぅ…っ、かざみぃ……」
「待ってください、今そっちに行きますから」
ポロポロと涙を溢して鼻水を啜っている名字さんの元に、俺は慌てて向かう。
涙を親指で拭って、ティッシュ箱からティッシュを二枚取り出し、名字さんの鼻に当てた。
「啜らないでちーんして…。
…はい、上手にできましたね。
使ったティッシュはごみ箱に捨てますよ」
「ありがと…手間かけさせてごめん。
風見に迷惑かからないように、頑張る……」
「頑張る?」
突然の涙と鼻水…もしかして名字さんは無理してカレーを食べているのか?
辛いの苦手ですか?と訊いたら、やはりと言うべきか名字さんは首を縦に振った。
「カレー辛いの苦手…。
だけど風見が、辛いのに目がないって言ってたから……」
「そう、か…」
これは完全に俺が悪い。
余計な事を言ったから、名字さんに無理をさせたんだ。
「ここで座って待っていてください」
「…風見?」
カレーがのったお皿をキッチンまで持って行き、コンロに置きっぱなしにされている鍋に具とルーを戻した。
辛いカレーを甘くする方法は確か…。
冷蔵庫を開けると、リンゴがあった。
きっと食後に食べようとしていた物だろう。
俺はリンゴを手に取って、使い慣れていない包丁で皮を剥き、そのリンゴをすりおろしてカレーの中に入れた。
よくかき混ぜてからお皿の上にのせる。
出来上がったそれを名字さんの目の前に置けば、ぱちぱちと瞬きをした。
「食べてみてください」
「うん…」
名字さんは恐る恐る口に運んで、もぐもぐと口を動かした。
ごくんと飲み込めば目を輝かせて、美味しい!と声を上げる。
「これなら食べられる」
「そうですか、それは良かった」
俺もカレーを食べてみる。
…うん、さっきより辛みが引いている。これなら大丈夫そうだな。
「名字さん」
「ん?」
「これからは無理しないでください。
自分は別に中辛でも甘口でも構いませんから」
「そうなの…?」
「そうですよ」
身を乗り出して名字さんの頭を撫でれば、その手を優しく掴まれる。
「風見…」
「はい?」
「ありがと」
名字さんが笑顔で言うものだから、つい俺まで笑顔になってしまう。
やっぱり名字さんは笑顔が似合っているなあ、としみじみ感じた。