風見パパになる番外編
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「おはようなまえちゃん。
今日はなまえちゃんとのデートだから、興奮して夜眠れなかったよ。だから僕の隣に座ろうね」
「デートじゃない。私、後ろ座る。
っ、やだ!触らないで!」
「拒まれると興奮するなあ」
「気持ち悪い!気持ち悪い!離してー!」
後部座席に座る気だったが安室さんに抱えられ、助手席に座らせられるとシートベルトをつけられた。
私がシートベルトを外す前に安室さんが素早い動きで運転席に座り、車を発車させたものだから仕方ない。諦めよう。
「パパ…逢いたい」
「キミのパパは夜までお仕事だよ」
「分かってるもん」
どうして安室さんと一緒に出かける事になったかというと「風見さんが僕の服を買わないって言ったから、僕の服を一緒に買いに行くよね、なまえちゃん」と言われたからだ。
「服ぐらい一人で買いに行けば」と言えば「一緒に行ってくれないなら、パンツ一枚でなまえちゃんの玄関前で居座ろうかな」なんて言いだして。
安室さんならやりかねないと思った私は首を縦に振るしかなかった。
「なまえちゃん、着いたよ」
安室さんは片手運転をして、空いている片方の手で私はずっと手を握られていた。
しかも握られていた手が汗ばんでいて、その事を安室さんに伝えれば「なまえちゃんの柔らかい手で興奮しちゃった」音符がつきそうな声のトーンで言われ、ずっと鳥肌が立ちっぱなしだ。
カバンから除菌用ウェットティッシュを取り出して安室さんの汚い手汗を拭いていたら安室さんに抱えられて車を降ろされると、また手を握られたので安室さんの手汗で汚くなった。
「手を離したらなまえちゃんは僕と距離を置いて歩くでしょ。
それと、風見さんにキミを見張ってるように言われてるからね」
「どっかいかない、ちゃんと隣歩く。だから手を離せ」
「僕がなまえちゃんと繋ぎたいんだ」
「私は安室さんと繋ぎたくない」
「あれ?
なまえちゃん、いつもと口調が違うよ?」
「おまわりさん呼ぶ?」
「ごめんごめん。
キミの機嫌が直るようにキスするから、ね?」
手を離して私の目線に合わせてしゃがみ、顔を近づけてくるものだから、おもいきり足を踏んだ。
それなのに、なまえちゃんの愛の鞭が…と気持ち悪い事言ってたので安室さんを放置して店の中に入る。
「僕を置いていくなんて小悪魔ななまえちゃん。そんなところも可愛いよ」
「安室さん、早く服、買う」
メンズコーナーにやって来た私と安室さん。
とりあえず一周廻って服を見ようと歩こうとすると安室さんがまた手を繋いできたので、諦めて歩いた。
「まあなまえちゃんが僕のために選んでくれるなら、僕は何でも着こなすけどね」
「そう。
イヤな色、ある?」
「赤は…ちょっと…。
けどなまえちゃんが着て欲しいなら、僕は体調が悪くなっても着るよ」
「じゃあ、赤やめる。
これ、安室さん、着こなす」
人差し指で指したのは、絵柄付きTシャツとパーカー。
安室さんの顔を窺えば口元がひきつっている。
「なまえちゃん、これは……」
「なんで?
赤色、入ってない」
「着たら目立つよ」
「何でも着こなす、言った。
くまさん、可愛い」
「可愛いよ、可愛いけど、でも…!」
私が選んだ服はドット柄のように服全体にくまがプリントされている。
これを町中で二十九歳の男が着るのは勇気がいるはずだ。それを分かってあえて選んだ。
何でこの柄か、だって?安室さんへの嫌がらせだよ。
「なまえちゃん、他の服はどうかな?
例えばほら、このチェック柄とか…」
「くまさん…」
「キミに泣かれると困るんだ。だから泣かないで?
なまえちゃんが選んでくれた、くまさん柄買うから」
「ほんと?
着てくれる…?」
「うん。明日ポアロで着るから」
次の日ポアロに行ったら本当に着てた。
だが一緒に来店したコナン君が安室さんの体調がおかしいと疑われるくらい、安室さんにくま柄の服はヤバかった。