風見パパになる番外編
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「…はい、どうぞ。
味が薄かったら自分で濃くしてね」
「ありがとうございます。
では、いただきます」
年越した瞬間、風見に明けましておめでとうって言えなかった。
何で起こしてくれなかったのと風見に言ったら、自分も眠くて寝ちゃいました。困った顔して言うもんだから、いっぱいちゅっ、ちゅっ…と風見の顔にキスして許してあげた。
今度は私の顔にいっぱいキスしてくれてメロメロになっちゃったよ。
「おいしいっ!
味もいつもどおり、自分好みで最高です」
おせちを食べ終わった後テーブルの上にお雑煮を置いて、それを美味しそうにパクパクと食べるから作った甲斐があるなぁと思う。
自分も食べようといただきますをして一口…うん、不味くは無い。
私が三分の一を食べ終わった頃、おかわりありますか?と訊いてきたから鍋に一杯分だけあるよと返事をする。
風見は席を立って戻って来ると律儀にいただきますと言ってから再度食べ始めた。
「それにしても…」
「うん?」
「その小さい口で一生懸命おもちを食べてる姿を見ると…かなりぐっとくるな…」
「うん、すごく食べづらいよ。
一つ食べるだけで大変だもん」
もぐもぐとよく噛んでからごくんと飲み込む。
お椀の中にはおもち一つ残ってるけど、食べるの疲れてきちゃったな…。
はぁ…とため息を吐いたら、風見は席を立ち上がり私を膝の上に座らせて座った。
風見と正面向きにされたら残りのおもち食べれないよ。
「おもち、自分が食べても良いですか?」
「うん」
「ありがとうございます」
どうやら食べたりなかったらしい。
私の箸を使っておもちをもぐもぐと食べてる風見をじっと見る。
さっきまでは食べるの疲れたと思ってたけど…風見の食べかけのおもちが輝いて見える。
「ね、食べたい」
「良いですよ。一口サイズにちぎるので待ってくださいね」
ちぎるってどうするんだろ…?
風見はおもちを口に含んで箸でちぎったら大きなおもちをお椀の中に戻した。
口に含んだおもちを箸で掴んで口から取り出せば私の口元にちょんと当てる。
「はい、どうぞ」
「へっ!?」
「…食べませんか?」
「た、たべるっ!」
食べかけのおもちが欲しかったのに、口に含んだおもちをくれるなんて…。
風見は微笑ましそうに私の顔を見るから、私は嬉しいけど恥ずかしくて顔が真っ赤になった。
「味はどうですか?」
「おいしぃ…」
正直言うと味なんて分からない。
おもちを飲み込めば、もう一口食べますかと訊いてきたから首を横に振った。
「もうお腹いっぱいだよ」
「そうですか…。
それでは食後の運動でもしましょうか」
この後布団の上でたくさん可愛がってくれた。
新年早々風見の愛情をたくさんもらって私は幸せ者だなぁ。
今年もたくさん風見に可愛がってもらえる一年になりますように。