風見パパになる番外編
名前
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降谷side
これはまだ
名字がいなくなる前の話だ
「風見」
「なんでしょう」
「私とカップルになって」
警察学校からずっと片思いをしている。その相手は名字名前。
素直になれなくて気持ちを伝えられず数年。
その名字は周りを気にせず、風見に堂々と告白して。
しかも座ってる風見の背後から腕を回してぎゅっと抱きついた。
「名字さん…。
貴女、最後にいつ寝ましたか?」
「えーっと、たしか三日前」
「はぁ…。
寝てください」
「まだ平気」
そうか、徹夜で頭がおかしくなっているんだな。
名字の腰をつかんで風見から引き剥がす。
よろけた名字は僕の背中にもたれかかって「降谷さんだ。いつからいたの?」のんきに僕の顔を見上げて言った。
頭をコツンと軽く叩けば、頭を手でおさえて「風見ぃー降谷さんが暴力振るってきた!助けて!!」風見の元へ再び行こうとするものだから、つかんでいた腰をぎゅっと圧迫させれば抵抗してきた。
「離せ怪力!」
「離して欲しかったら、カップルなんてバカな事を風見に頼むな」
「だって、パフェ食べたい」
「パフェ?」
どうやら名字はテレビで特集されていたカップルパフェというのが食べたくて。
その名のとおり、パフェはカップル限定らしく…それで風見にカップルになってくれと頼んだらしい。
「何で風見に頼むんだ」
「頼める人が風見しかいないから」
「僕がいるだろう」
「やだ」
こうも即答されると、イラっとくる。
少しは僕の気持ちを考えろ…!
「降谷さんとは行きたくない。
安室透は胡散臭いからヤダ。風見が良い」
「このやろ…っ」
「ほら、すぐそうやって口が悪くなる。また暴力するんでしょ。
何で降谷さんに殴られながらパフェ食べないといけないの」
「分かった、殴らないよ」
頭を撫でて名字をあやす。
抵抗をやめたので「良い子だな」と。
今度は犬の首を撫でる感じで顎の下を触れば気持ち良さそうにしている。
「顎の下、もっと触って」
「じゃあ明日は僕と出掛けること。
約束したら…もっと触ってあげる」
「ん、出掛ける」
…うん、ちょろいな
翌日。
名字のセーフハウスまで車で向かって、インターホンを鳴らせば名字がバタバタと音をたてて玄関までやって来た。
「おはよう降谷さん」
「ああ、おはよう」
名字の格好は白のTシャツ、黒のパーカー、下はズボン。
今日はカップルだっていうのに色気のカケラもない。まあ名字らしいが。
目的地付近まで僕の車で向かい、駐車場に停めたら名字の手を握って歩いた。
「降谷さん。
手を繋がなくても、迷子にならないよ」
「何言ってんだ。
カップルなんだから手ぐらい普通だろ」
「へえ、そうなんだ」
「それと…下の名前で呼んでくれないか」
幼なじみだと分かっていたが、いつも陣平と呼ばれている松田が羨ましかった。
試しに名前で呼んでくれと言って、イヤと即答され、名字の頭をひっぱたいたのが懐かしい。
「ほら、はやく」
「ゼロさん?」
「それはあだ名だろ」
このばか。
しかも、あだ名にさん付けってなんだ。
思わず手がでそうになったが、何とか耐えきった僕すごい。
「ほら、零って呼んでみて」
「零さん?」
「さんはいらない」
「…零。
これでいいの?」
「ああ、それでいいよ…名前」
さらりと僕も名前呼びをしてみたら名字…いや、名前は眉間にシワを寄せて「うわぁ…」と呟いた。
「名前で呼ばれると…すっごい違和感。
いつも通り名字でいいよ」
「僕が名前で呼びたいんだ」
「そう?」
僕が初めて名前で呼んだっていうのに名前の態度は何なんだ。
名前がヒロと萩と伊達に名前を初めて呼ばれた時と全然違う。
わざとなのか?
頭を叩かれたいのか?
少しくらい喜んでくれたっていいだろう…。
「ほら名前、着いたぞ」
扉を開けて店内に入る。
平日の午前だからか、思ってたより人が少ない。
店員に二名と告げて、案内された席に座る。
逃げられないように名前を奥に座らせてから、その隣に僕が座った。
「すみません。
カップルパフェ一つお願いします」
以前名前は厨房の見えない店には入りたくないと言ってたが、この店はガラス張りになっている。どうりで来たかった訳だ。
パフェの他にはフルーツサンド、パンケーキなどを作っているのが見える。甘い物しかないのか。
「おまたせしました」
僕と名前、テーブルのちょうど真ん中らへんに置かれたカップルパフェ。
てっきり一つの容器に二人分入ってると想像していたが…三人分はある。
何か飲み物を頼もうとメニュー表を見たら甘ったるい飲み物しか無かった。
これはお冷やで乗り切るしかない。
「ふる…じゃなかった。
零、食べたいから繋いでる手を離して」
「繋ぎながらでも食べられるだろ?
名前が容器を支えて、僕がスプーンで掬ってあげる」
「えっ…」
「カップル、だもんな」
カップルという言葉を強調させれば名前はコクンと頷く。
まず初めに、一番上に乗っかっていたハート形のチョコを指で摘まんで名前の唇にちょんと触れた。
「はい、あーん」
「あーん」
「美味いか?
僕の愛情を乗せたハートのチョコレート」
僕が笑顔で言ったら吐き出そうとするから「食え」と口パクする。
ごくんと飲み込んだのを確認して、お手拭きで指を拭いてから頭を撫でる。
「よしよし、良い子だ」
「ほんと?」
「ああ本当。
良い子だから、他も食べさせてやるからな」
美味しそうにもぐもぐ食べる姿を見て、恋人というよりペットに餌を与えてる感覚だ。
半分食べ終わったら、もういいよと言ったのでスプーンを名前に手渡す。
「食べさせろって意味かな?
はい、あーん」
「あーん…」
見た目からして甘ったるいと思っていたが、食べてみたらやっぱり甘い。
名前が楽しそうにひょいひょいとパフェを口につっこむから、食べるペースが早いなんて言えない。
これで早いなんて言ってみろ。
絶対に「じゃあ自分でスプーンを持って食べてね」って言われる。
「ごちそうさま」
「私も…ごちそうさまでした」
完食したらお冷やを一気飲みをする。
水がこんなにも美味いと思ったのは初めてだ。
大した金額ではないので僕が全額払って店を出る。
車の助手席に座った名前は、お金を返そうと財布をだしたので「お金はいらないよ」と言えばお礼を言って財布をしまった。
車を発進させればパフェを食べ終えたのに名前は僕の名前を呼んでくれた。
「今日はありがとう。
零のおかげで美味しいパフェを食べれたよ」
「それは良かったな」
「送ってくれるのは嬉しいけど、セーフハウスの近くまでで大丈夫だよ。また明日ね」
「はあ?」
食べたからもう解散か?
自分の用が終わったからさっさと帰るって…お前、本当に僕に関心が無いんだな。
せっかく休みを取ってまで、こうして名前とパフェを食べに来たっていうのに…。
口の中は甘いし、名前は帰ろうとするし…名前の頭をひっぱたきたい。
どうして僕の気持ちを理解してくれないんだ。
「…零?
おーい、黙ってどうしたの?」
運転中なのに僕の顔の前で手を上下に振ってきたので、左手で名前の手首を掴めば目をぱちぱちさせた。
「名前。
ウチに寄ってお昼、食べないか?」
「お昼…?いいよ」
もっと名前と一緒にいたいから
まだ帰さない。
今度は僕の食べたい物に付き合ってもらうぞ。
セロリたっぷりの…フルコースでな。
これはまだ
名字がいなくなる前の話だ
「風見」
「なんでしょう」
「私とカップルになって」
警察学校からずっと片思いをしている。その相手は名字名前。
素直になれなくて気持ちを伝えられず数年。
その名字は周りを気にせず、風見に堂々と告白して。
しかも座ってる風見の背後から腕を回してぎゅっと抱きついた。
「名字さん…。
貴女、最後にいつ寝ましたか?」
「えーっと、たしか三日前」
「はぁ…。
寝てください」
「まだ平気」
そうか、徹夜で頭がおかしくなっているんだな。
名字の腰をつかんで風見から引き剥がす。
よろけた名字は僕の背中にもたれかかって「降谷さんだ。いつからいたの?」のんきに僕の顔を見上げて言った。
頭をコツンと軽く叩けば、頭を手でおさえて「風見ぃー降谷さんが暴力振るってきた!助けて!!」風見の元へ再び行こうとするものだから、つかんでいた腰をぎゅっと圧迫させれば抵抗してきた。
「離せ怪力!」
「離して欲しかったら、カップルなんてバカな事を風見に頼むな」
「だって、パフェ食べたい」
「パフェ?」
どうやら名字はテレビで特集されていたカップルパフェというのが食べたくて。
その名のとおり、パフェはカップル限定らしく…それで風見にカップルになってくれと頼んだらしい。
「何で風見に頼むんだ」
「頼める人が風見しかいないから」
「僕がいるだろう」
「やだ」
こうも即答されると、イラっとくる。
少しは僕の気持ちを考えろ…!
「降谷さんとは行きたくない。
安室透は胡散臭いからヤダ。風見が良い」
「このやろ…っ」
「ほら、すぐそうやって口が悪くなる。また暴力するんでしょ。
何で降谷さんに殴られながらパフェ食べないといけないの」
「分かった、殴らないよ」
頭を撫でて名字をあやす。
抵抗をやめたので「良い子だな」と。
今度は犬の首を撫でる感じで顎の下を触れば気持ち良さそうにしている。
「顎の下、もっと触って」
「じゃあ明日は僕と出掛けること。
約束したら…もっと触ってあげる」
「ん、出掛ける」
…うん、ちょろいな
翌日。
名字のセーフハウスまで車で向かって、インターホンを鳴らせば名字がバタバタと音をたてて玄関までやって来た。
「おはよう降谷さん」
「ああ、おはよう」
名字の格好は白のTシャツ、黒のパーカー、下はズボン。
今日はカップルだっていうのに色気のカケラもない。まあ名字らしいが。
目的地付近まで僕の車で向かい、駐車場に停めたら名字の手を握って歩いた。
「降谷さん。
手を繋がなくても、迷子にならないよ」
「何言ってんだ。
カップルなんだから手ぐらい普通だろ」
「へえ、そうなんだ」
「それと…下の名前で呼んでくれないか」
幼なじみだと分かっていたが、いつも陣平と呼ばれている松田が羨ましかった。
試しに名前で呼んでくれと言って、イヤと即答され、名字の頭をひっぱたいたのが懐かしい。
「ほら、はやく」
「ゼロさん?」
「それはあだ名だろ」
このばか。
しかも、あだ名にさん付けってなんだ。
思わず手がでそうになったが、何とか耐えきった僕すごい。
「ほら、零って呼んでみて」
「零さん?」
「さんはいらない」
「…零。
これでいいの?」
「ああ、それでいいよ…名前」
さらりと僕も名前呼びをしてみたら名字…いや、名前は眉間にシワを寄せて「うわぁ…」と呟いた。
「名前で呼ばれると…すっごい違和感。
いつも通り名字でいいよ」
「僕が名前で呼びたいんだ」
「そう?」
僕が初めて名前で呼んだっていうのに名前の態度は何なんだ。
名前がヒロと萩と伊達に名前を初めて呼ばれた時と全然違う。
わざとなのか?
頭を叩かれたいのか?
少しくらい喜んでくれたっていいだろう…。
「ほら名前、着いたぞ」
扉を開けて店内に入る。
平日の午前だからか、思ってたより人が少ない。
店員に二名と告げて、案内された席に座る。
逃げられないように名前を奥に座らせてから、その隣に僕が座った。
「すみません。
カップルパフェ一つお願いします」
以前名前は厨房の見えない店には入りたくないと言ってたが、この店はガラス張りになっている。どうりで来たかった訳だ。
パフェの他にはフルーツサンド、パンケーキなどを作っているのが見える。甘い物しかないのか。
「おまたせしました」
僕と名前、テーブルのちょうど真ん中らへんに置かれたカップルパフェ。
てっきり一つの容器に二人分入ってると想像していたが…三人分はある。
何か飲み物を頼もうとメニュー表を見たら甘ったるい飲み物しか無かった。
これはお冷やで乗り切るしかない。
「ふる…じゃなかった。
零、食べたいから繋いでる手を離して」
「繋ぎながらでも食べられるだろ?
名前が容器を支えて、僕がスプーンで掬ってあげる」
「えっ…」
「カップル、だもんな」
カップルという言葉を強調させれば名前はコクンと頷く。
まず初めに、一番上に乗っかっていたハート形のチョコを指で摘まんで名前の唇にちょんと触れた。
「はい、あーん」
「あーん」
「美味いか?
僕の愛情を乗せたハートのチョコレート」
僕が笑顔で言ったら吐き出そうとするから「食え」と口パクする。
ごくんと飲み込んだのを確認して、お手拭きで指を拭いてから頭を撫でる。
「よしよし、良い子だ」
「ほんと?」
「ああ本当。
良い子だから、他も食べさせてやるからな」
美味しそうにもぐもぐ食べる姿を見て、恋人というよりペットに餌を与えてる感覚だ。
半分食べ終わったら、もういいよと言ったのでスプーンを名前に手渡す。
「食べさせろって意味かな?
はい、あーん」
「あーん…」
見た目からして甘ったるいと思っていたが、食べてみたらやっぱり甘い。
名前が楽しそうにひょいひょいとパフェを口につっこむから、食べるペースが早いなんて言えない。
これで早いなんて言ってみろ。
絶対に「じゃあ自分でスプーンを持って食べてね」って言われる。
「ごちそうさま」
「私も…ごちそうさまでした」
完食したらお冷やを一気飲みをする。
水がこんなにも美味いと思ったのは初めてだ。
大した金額ではないので僕が全額払って店を出る。
車の助手席に座った名前は、お金を返そうと財布をだしたので「お金はいらないよ」と言えばお礼を言って財布をしまった。
車を発進させればパフェを食べ終えたのに名前は僕の名前を呼んでくれた。
「今日はありがとう。
零のおかげで美味しいパフェを食べれたよ」
「それは良かったな」
「送ってくれるのは嬉しいけど、セーフハウスの近くまでで大丈夫だよ。また明日ね」
「はあ?」
食べたからもう解散か?
自分の用が終わったからさっさと帰るって…お前、本当に僕に関心が無いんだな。
せっかく休みを取ってまで、こうして名前とパフェを食べに来たっていうのに…。
口の中は甘いし、名前は帰ろうとするし…名前の頭をひっぱたきたい。
どうして僕の気持ちを理解してくれないんだ。
「…零?
おーい、黙ってどうしたの?」
運転中なのに僕の顔の前で手を上下に振ってきたので、左手で名前の手首を掴めば目をぱちぱちさせた。
「名前。
ウチに寄ってお昼、食べないか?」
「お昼…?いいよ」
もっと名前と一緒にいたいから
まだ帰さない。
今度は僕の食べたい物に付き合ってもらうぞ。
セロリたっぷりの…フルコースでな。