青色のパンジーを貴女に
名前
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
今日からコンビニで対象のお菓子を三個買うとクリアファイルがもらえるというキャンペーンが始まった。
午前十時から開始ということで、昼休みに近くのコンビニに行ったが、一人が全て買い占めたから無いと言われ、このクソ店員が制限しろやと小声でぼやいてコンビニを出た。
会社に戻り、上司に体調が悪くなったから早退すると言って会社を出た。
上司が体調管理もできないなんてこれだから若者はとかグチグチ言ってたけど気にしない。
「陣平、私は転売屋から高い金を払ってまで買わない。正規ルートで手に入れてやる」
「おー」
米花町で転売をする奴がいるなら、米花町より治安が悪い杯戸町に向かった方がいい。
転売屋も死ぬリスクが高い場所にわざわざ行って買い占めないだろう。
杯戸町に着くと、人だかりの中から黄色い規制テープがちらりと見えた。
ああ、やっぱり治安悪いな。けど私には陣平がいるから平気だ。
刃物で刺されそうになったら陣平が助けてくれるだろう。
コンビニに入ってすぐにお目当てのファイルが視界に入った。
ラスイチじゃんラッキー!と思い、お菓子より先にクリアファイルを手に取ろうとしたら背後から伸びてきた手によって奪われた。
え、ここまで来て転売屋?
もうこうなったら陣平に転売屋をボコってもらって、クリアファイルを強奪するか?と考えてたら覚えのある声が聞こえた。
「あなたはポアロの…」
「こんにちは。
キミもこれを?ちょうど良かった」
安室さんはお菓子三個を手に取り、そのままレジに向かって会計をしに行った。
う、うそだろ…目の前でファイルを取られるなんて…せっかくここまで来たのに。
こうなったら安室さんを人気の無い場所まで連れて行って、陣平にファイルを奪い返すようお願いするか…?
けど安室さんの言葉で油断した自分も悪いし、お金払ったのも安室さんだ。安室さんは転売目的で買ったって訳じゃない…と信じたい。
…諦めて違うコンビニに行こうかな。
コンビニから出て、次に行くコンビニをスマホで検索する。
こっから少し遠いが仕方ない。待ってろよクリアファイル。
「次の場所に走って向かう」
「おう、頑張れ」
意気込んで走りだそうとしたら、コンビニから出てきた安室さんに呼び止められた。
大切な用があるので呼び止めないでくださいと会話を断ったら、安室さんはファイルとお菓子の入ったビニール袋を私の手に握らせた。
「こないだ部屋に入った時このアニメのグッズがあったから、プレゼントしたら喜ぶかなと思ってな」
「えっ?」
「えっ?」
「いや、えっと、ありがとうございます。本当に貰っても良いんですか?」
「ああ、キミ…名前に渡すために買ったから。返されても困る」
「それなら…本当ありがとうございます!」
部屋に入ったっていつ?
てっきり食べ物を貰った時、玄関まで入れてはいさようならってしたのかと思ってた。部屋に入ったなんてはじめて聞いたんだけど。
まあいつ入ったかなんてどうでもいいか。アニメグッズを盗まれたわけじゃないし。
いきなり名前呼びをしてくる距離感がおかしい安室さんと別れて米花に戻り、スーパーに寄ってから帰った。
「今日はもらった板チョコを使ってマフィンとクッキーを作ろうかな」
「おー楽しみにしてる」
