青色のパンジーを貴女に
名前
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会社は定時になったらさっさと帰る派だ。
これだから最近の若者は…とか言われてるけど気にしない。
一生に一度しかない自分の人生、残業するより自分の時間を大切にしたいからね。それに陣平が耳元で暇だ暇だってうるさいし。
「で、あれどうしようか?」
ここ最近スーツ姿の眼鏡をかけた男がストーカーしてくる。
ただ遠くから見てくるだけなんだけど、視線を感じて嫌なんだよなあ…。
「自撮りしてるフリして男の写真撮って、サツに行って相談する。って言っても何もしてくれねえか」
「そうだよ。
警察は何かあってからじゃないと動いてくれないんだから」
「じゃあボコる」
「ん、よろしく」
松田side
いつものように身体の中に入って、狭い路地裏まで歩いて誘導。
止めて離してと、人に絡まれた感じの演技をすれば見事にあの男が引っ掛かって走って来てくれた。
「こんにちは。
よくもストーカーしてくれたなこの野郎」
「…気付いてたのか」
「当たり前だろ。
二度と近寄って来ねえように、ここでお前をボコる」
男は息を吐くと、左足を前に出して構えた。柔道経験者か。まあ何だろうとコイツはここでボコってやる。
肩にかけてた鞄を地面に放り投げて、男に向かって走りだす。
少しやってみて分かった。
コイツは強いが零より弱いから勝つのは俺だと確信した。
重いストレートが決まると男はよろけて倒れた。
ソイツに馬乗りになって死なない程度に痛めつけてやれば、降参だと言ってきたから最後に蹴りを食らわせた。
鞄を拾って男を放置して路地裏を出ると、お前はどっかで監視してたのかってくらい零がタイミングよく現れて挨拶をしてきた。
「こんにちは。こんな場所で何をしていたんですか?」
「ストーカーをボコってた」
「お怪我はありませんか?」
「それは誰の心配だ?お前の仲間の心配か?」
「何を言ってるんです?
もちろん貴方の心配ですよ」
「懐に入ってた警察手帳が見えたんだよ」
あー鞄が傷になってんな。まあいいか。で、コイツはいつまでついてくるんだ。
スーパーで夕飯の材料を買わなきゃなんねえが、今身体を返したら零に何されるか分かんねえから戻れねえ。
このままスーパーに寄って、意識が無いのを良い事にカゴに魚と野菜とちょっと高い肉を入れてレジで会計しようとすれば零が金を払ってくれた。
払ってくれるって分かってたならもっと高いの買ってたんだがな。
「荷物持ちますよ」
「自分で持つ」
「そうですか…。
気になっていたんですが彼氏と同居を?二人分の食材を買っていたので」
「だったら何だ。お前に関係ないだろ」
「実は…女性にあそこまで追い詰められたのは初めてなので、貴方に興味がありまして」
「へたくそなナンパか?
彼氏がいるからごめんなさい。じゃあな、もう着いてくんなよ。
後最後に……その喋り方すげえ気持ち悪ぃから普通に喋れよ」
勝手に彼氏いる事にしちまったがまあいいか、後で説明すれば。
玄関に着いてから名前に身体を返し、一緒に夕飯を作りながらさっきの事を話した。
「へえ、じゃああのイケメンは陣平の警察仲間で、ストーカーがイケメンの仲間…と。
けど私がストーカーされる意味無いよね」
「零って呼ばれたのがマズかったんだろ」
「何で?」
「あいつが公安警察だからだ」
「じゃあ陣平は公安警察二人にケンカ売ったってこと?面白いね」
「面白いって…他人事だな。
もしかしたら明日ストーカーが部屋まで来て、難癖つけて名前を逮捕するかもしれねえぞ。公安警察ってのはそういう所だからな」
「そしたら陣平が守ってね」
「おうよ。
まあ元はといえば俺が零に殴りかかったせいだけどな」
いつもより高い肉を食って腹が膨れた後、名前が食器を洗って、俺はリモコンやらスマホやらを分解して組み立てて楽しんだ。
名前がお風呂に入っている間は、名前のスマホで音楽を聞いてごまかす。
シャワーの音が聞こえると、中の様子を想像してアレがああなっちまうからだ。
まあ想像しなくても扉すり抜けられるし見放題だが、そんな事したら飯抜きにされるのが目に見えるから、絶対にやらねえけど。
「あれから四年か……」
警察学校を卒業した時一枚だけ名前に写真を送った事がある。
下へ下へとスクロールをすれば、あの時の最後に撮ったあいつらとの思い出が残っている。
萩原は死んだ。零は生きてる。
景の旦那と班長は分からない。
あれから会ってないが、二人共元気にやってっかな。
「陣平、お風呂出たよ」
「おう」
まあ、今はこんな身体になっちまったけど名前との生活は悪くない。
