風見パパになる
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スーパーで買い物をした帰り道、遠くの方から煙の臭いがした。
「(火事か…まあ私には…)」
関係ないと一瞬思った。
煙の臭いに混じって風見と降谷さんの匂いがする。
まさか火事に巻き込まれた?
スケボーに乗って臭いのする方へ向かえば、降谷さんが自力でベランダをよじ登ってるじゃないか。
「これはどういう状況。
なんであの人がこんな危険な事をしている」
「なまえ!?どうしてここに…!
子供が一人取り残されていて、ふる…安室さんが救助に…」
「あの人は私の大切な人だ。なんでわざわざあの人に行かせた。あの子供の親か他の奴に行かせれば良いだろう」
「も、申し訳ございません。
ですがなまえが来れば安心ですね。ワイヤー銃を使って安室さんと子供の元へ行けば…」
「今日はメンテナンス中で持ってない」
「ええっ!?」
「あっという間に6階に!!」
「……見とれている場合じゃない…我々は我々に出来ることを!!」
「「「オウ!!」」」
安室さんはカーテンを引きちぎって、自分の身体に子供が落ちないようにカーテンで固定してる。
おっさん達と風見は布を広げて落ちて来ていいように受け止める準備をし始めてるし、安室さんを応援している野次馬共が…。ああ、こいつら全員邪魔だ。
「パパ、おっさん達邪魔。退け」
「何を言ってんだ!安室さんと子供が見えないのか!」
「子供は危ないから退いてなさい!」
「見えててアンタら邪魔だって言ってんだよ。
あの人の命をアンタらに預けられない。
私の邪魔をするなら…どうなるか分かってんのか?」
「…ここは自分の娘に任せましょう。
安室さんと子供にもしもの事があれば自分が責任をとります。皆さんは下がって!」
「けど…」
「早く!!」
風見の声でおっさん達がこの場から遠ざかった。
風見には後は任せてと言ってスーパーの袋とスケボーを持たせ、ここから距離をとってもらう。
降谷さんは5階4階と降りては来てるが…焦ってる。そのうち手を滑らすだろう。
だったら落ちて来てもらった方が良いな。
落下場所は…だいたいここらへんか。
「表!!桜!!!」
「(っ、名字の声!)
ああ…今そっちに行くよ!!」
降谷さんが手すりから手を離して落ちて来る。周りが悲鳴を上げてるが問題無い。
私は落ちて来た降谷さんを横抱きして受け止めた。
うん、やはりこれくらいの重さなら問題無かったな。
降谷さんを地面に降ろすと子供を地面に降ろして、私の頭を優しく撫でた。
「助かった。ありがとう」
「無茶するな。私の大切な人なんだから」
「無茶しても助けてくれるんだろ?」
「ふっ…まあな」
「なまえ!安室さん!」
風見が駆け寄って来て私の身体をペタペタと触り、どこもケガしてないかと訊かれたが大丈夫と答える。
私の心配より降谷さんの心配をしたらどうだ。
おっさん達が集まって来て、私に謝ったりお礼を言ったりしてきた。
別にお礼を言われるような事はしていない。
私は降谷さんだから助けただけだ。もしお前らが同じ目にあっても絶対に助けない自信がある。
「それても凄い娘さんだねえ。
落ちて来る男性と子供を軽々と…」
「ええ凄いでしょう?
将来僕のお嫁さんになる人です」
「おっ、安室さんのお嫁さんか!」
「十数年後が楽しみだねえ!」
花嫁姿楽しみにしてるよと、おっさん達がはしゃいでる。
いやいや結婚しないから。笑顔を振り撒いて嘘つくなよ。
「さあ帰ろうか。今日の夕飯は何かな」
「何、食べるの」
「僕も手伝うから良いだろう?」
「勝手にして」
安室さんは私を抱えて歩くから、風見が私達の後を慌てて追った。
…うん。
三人一緒に帰るのも悪くないな。