風見パパになる
名前
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「名字、正直に答えてくれ。
降谷さんが夜ご飯を食べに来た時、そう言われた。
隣に座ってる風見からは白米を噛まないでごくんと飲み込んだ音がする。そんなあからさまな態度をとってたら降谷さんに疑われるぞ。
「ライの拳銃を奪って自殺して死んだでしょ」
「その時キミはその場に居なかった。
それなのに、どうしてライの拳銃を奪ってなんて知っている」
「ライフル越しで見たんだよ。
ライを狙撃して負傷させた隙に逃げてもらおうとしたが、その前に殺されたんだ。
まあその死体は持って帰って、大切にしてるけど」
「じゃあその死体を見せてくれ。今も大切にしているんだろう」
「嫌だ。
降谷さんは、また死体になった親友を見たいの?」
「そうだ。死体でも良いからもう一度あいたい」
「そう…。
まあ私は大切な人が黒焦げでバラバラになった姿を見たら、奴を火炙りにして、ゆっくりと殺したくなるけど。それが無理なら狙撃する。
けどそれは叶わない。降谷さんのせいでね」
「そうだな…。
それで、あわせてくれないのか」
「人に頼らないで自分で探せば」
ご飯が冷めるからこの話はもうおしまい。そう言って強制的に終わらせて、白米を口に放り込んだ。
降谷side
あの会話で確信した。名字は嘘をついている。
頭の良い名字だったら瞬時に風の向き風圧などを計算してすぐ狙撃ができる。拳銃だって一ミリも狂わず同じ場所に撃てる奴だぞ?
そんな奴だったらライの拳銃を奪う前に狙撃ができるし、スコッチが自殺しようとしてる姿をスコープ越しで見る余裕があるならライを狙撃できる。
それに…風見の瞬きが多すぎて、あきらかに不自然だ。
街の防犯カメラを確認したがなまえちゃんとコナン君の姿が一ミリも映ってなかった。
今分かる事は…なまえちゃんが帰って来た方向と、チーズケーキが販売してる事、コナン君は景光に会ってるって事だ。
こういう時はなまえちゃんとコナン君を探るより、風見を探った方が真実にたどり着ける。
名字が眠いと言ってなぜか風見の寝室に入って、風見も名字の後に着いて行こうとするから肩を掴んで引き止めた。
「風見、知っているなら吐け」
「あの人が今どうしているのかは知りません。
ですが…この世界のどこかに存在します。
いまの言葉は彼女に内緒にしてください。怒られますので」
「(景光が…生きてる…!)」
死んでいたと思っていた大切な人が生きている。その情報だけでも得られたのは嬉しい。後は探すだけだ。
もう少しだけ待っててくれるか、景光。
「かじゃみぃ…まだぁ…?」
「すみません今行きますね。
布団は彼女のを使ってください。
では、おやすみなさい降谷さん」
「ああ…おやすみ」
目元をこすりながら戻って来た名字を風見は抱き上げて寝室に向かった。
さて、時間は早いが自分も寝るか。リビングの電気を消してなまえちゃんの寝室に足を踏み入れた。なまえちゃんの布団は子供サイズで足が飛び出るから下は着たままで上だけ脱ぐか。
「(って、違うだろう!)」
何で自分が子供サイズの布団で一人寂しく眠らないといけないんだ!風見があまりにも自然に会話をするから騙されるところだった。
扉を勢いよく開けると、風見は寝息をたてている名字の頭を優しく撫でていた。
掛け布団を取っ払って名字を風見から引き離し、自身の腕の中に納めた。
「名字は貰って行く」
「強引すぎます!返してください!」
「返してもいいが…。
上に掛け合って仕事の量を倍に…いや、五倍にしてあげてもいいが?」
「っ…卑怯ですよ」
「何とでも言え。
今日は名字を貰って行くからな」
「今日はじゃなくて、今日もでしょう…」
名字の部屋に戻って上半身の服を脱いだ後、布団の中に入って名字を抱き締めた。
ああ…好きな女と同じ布団で寝れて幸せだ。
名字の頬に軽く唇を当てれば腕から逃れようと動いて、ゆっくりと瞳が開いた。
「んぅ…ふるやさん?
かざみとねた…はず」
「君と寝たくて今日だけ風見に譲ってもらった」
「かざみが…ゆずる、ありえない。おどした…?」
「まあな。
だから今日はおとなしく一緒に寝ような」
「んー、しかたない、やだけど…」
そう言ってすぐに瞳を閉じて、すうすうと寝息が聞こえた。
寝るのが早すぎるとも思ったが、それだけ自分を信頼しているのだろう。
「おやすみ名字。
君の夢に俺がでてきますように」