風見パパになる
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学校の帰り道、少年探偵団と別れて今はコナンと自分だけ。
今日は風見が帰って来れないから、自分はポアロに寄って安室さんと帰る約束になっている。
中身は子供じゃ無いんだから一人でいられるのにとは思っているが口にはださない。風見に言ったら面倒な事になるのは分かっているからだ。
「昨日買った小説があるんだけど、すげえ面白くてさ」
「ん…」
「まだ半分も読めてないんだけど、主人公が…」
遠くにポアロの看板が見える。
コナン君はポアロでジュースを頼んで話しの続きをしそうな勢いだ。
まあ安室さんのシフトが終わるまで一時間くらいあるし、暇つぶしにはなるが…。
約五メートル後ろから拳銃を持ち歩いてる奴の気配がする。
誰を打つ気だろうか。まあ組織の奴らの気配じゃ無いから自分では無いと思うが。
と思っていたが、早足でこっちに近づいてくる。
まさか自分?と思い振り返ったらコナン君に狙いを定めてる。
このまま打たれて死んだって構わないが…。
「危ない」
コナン君の手を掴んで、スケボーを発進させて奴から逃げる。
「離さないで。狙われてる。心当たりは?」
「無いよ!
それよりなまえちゃんっ」
「分かってる」
一時停止していた車が私達の後を追いかけて来る。
ポケットからスマホ取り出して赤井秀一に電話をかける。
数コールすれば沖矢昴ではなく赤井秀一の声が聞こえた。まあどっちだろうと要件は変わらないが。
「狙われてる、逃げてる、車三台に増えた、撃って」
『場所はどこだ?指定した場所に誘導できるか』
「分かった」
目の前の信号は赤だが、そんなの気にしてたら殺される。スケボーのスピードをあげてポケットにスマホを入れようとしたら安室透の電話番号が表示された。無視すると後でうるさいからでるか。
『今どこにいるんだ!?
僕もそっちに向かう!』
「逃げてる、平気。
後でポアロ寄る」
『子供の身体でコナン君連れて逃げられると思っているのか!目的地は!』
「海辺にある倉庫」
通話を切ってポケットにスマホを入れるとコナン君に狙いを定めて撃ってきた。まあもちろん避けたが。周りに人がいなくなったら撃ち放題か。
拳銃を持っていればすぐにでも反撃するが、手持ちにはワイヤー銃と警棒しかないから無理だ。
弾を避けながら走っていると海が見えてきた。
そろそろか…と思ってたら追われてた三台の車のタイヤがパンクした。
スケボーのタイヤが砂に絡まって走りづらいし、そろそろ降りるか。
コナン君に隠れるよう指示するが、靴のダイヤルを回してベルトからサッカーボールをだして一人の男に命中させて気絶させた。まあ一人やったところで他にもいるが。
後は赤井秀一の狙撃でどうにかなるだろう。
奴らが撃ちながら追いかけて来るが、一人また一人と拳銃が狙撃によって壊される。それでも追いかけて来る奴らは足を狙撃されて動けなくなった。
「なまえちゃん、この狙撃って…!」
「友達、助けてくれてる」
奴ら傷口に砂が入って痛いだろうなあ。まあ自業自得だけど。
地面を這いつくばってる奴らを見ながら赤井秀一に電話してありがとうと言ったら、お礼は手作り料理をと返された。分かったよ。そのうち作りに行くよ。
こいつらをここに放置するとまたやって来そうだし風見に電話して引き取ってもらうかと思っていたら、遠くの方から白い車が近づいてくる。あれは…安室さんの車か。
「なまえちゃんケガは!?」
「平気、友達、助けてもらった」
「この狙撃…。
なまえちゃんが無事で良かった。コナン君は大丈夫かい?」
「うん、平気だよ」
「警察には電話した?」
「まだ」
安室さんはしゃがんで私の顔と上半身をペタペタ触って本当にケガしてないか確認してから、スマホで公安の方に電話をかけている。そりゃそうか。赤井秀一が撃ちまくったんだから。
「至急回収して欲しい物がある。車三台と黒スーツを着た━━」
這いつくばった男がポケットから拳銃を取り出して安室さんに狙いを定めてる。安室さんは奴に背を向けているから気づいてないのか。
ああ、私の大切な人を殺ろうなんて生意気な奴だなあ。安室さんの懐に隠して持ってる拳銃を奪って撃った。
拳銃を弾き飛ばすのに一発と肩に一発。奴が何か言ってるな。汚い声。喉打ってやろうかな。
引き金に指をかけてもう一発…と思ったら安室さんが銃口を手で塞いで首を横に振ってた。私じゃなかったら今頃手が吹っ飛んでるぞ。
「僕を助けてくれてありがとう。
後はこっちに任せるんだ。奴らはもう動けない」
「安室さんを殺そうとしたんだよ」
「今日はキミの好きな料理を作るよ。何が食べたい?」
「ハンバーグ」
「帰ったら一緒に食べようね」
拳銃を返すと頭を撫でられて、コナン君と手を繋がされた。大人しくしろってことか?
安室さんはコナン君に私が撃った事とライフルの狙撃を誰にも言わないようにと話してる。
「大丈夫。誰にも言わないよ」
「ありがとう。
今度ポアロでごちそうするよ」
しばらく待ってると公安の奴らがやって来た。
もしかしたら風見を一目見られるかもと思ったが風見は来なかった。いつもの降谷さんだったら風見を呼んでこき使うのに。コナン君がいるから呼ばなかったのか?
安室さんの車に乗ってコナン君を毛利探偵事務所に送って、それからスーパーに行って買い物して自宅に戻った。
「いただきます」
「いただきます」
ハンバーグが食べたいと言ったら、テーブルにロコモコ丼がだされた。まあ別にいいけど。
「さっきの件だが…」
「赤井秀一だよ。私が電話で頼んだ」
「やはりか。アイツに仮をつくるなんて…」
「しょうがないだろ。拳銃持ってたら自分でやってる。風見が子供だから持つなって」
「持ってたら構わず撃つだろ」
「うん、撃って殺す」
ため息を吐いてからご飯を口に運んだ。
知ってるよ。降谷さんが人を殺すのに反対してるの。
けど私は大切な人以外死んだって構わないから躊躇なく引き金を引くけど。
あの時は…
「そこを退け。私の大切な二人を殺した奴をぶっ殺して地獄に落としてやる」
「だめだ。
どうしてもと言うなら…俺を殺してから奴を殺せ」
「っ、この…!」
「大切な人…名字に殺されるなら構わないよ」
結局、殺せなかった。
今ごろ私の大切な二人を殺した奴は刑務所でぬくぬくしてると思うと腹立たしい。
けど私には降谷さんを殺すことなんてできないから…。
「さっきの奴らの事だが…毛利小五郎が警察の時、刑務所に入れられた奴らだった。
毛利小五郎を直接狙わないで子供を殺して絶望を味わわせたかったんだ。
まあその子供…コナン君は毛利探偵事務所の居候だけど」
「ふーん」
「普段の名字だったら見過ごすのにどういう心の変化なんだ?」
「別に、何となく」
「そうか」
食べ終わった後、食器を持ってキッチンへ向かう。
服の袖を捲った降谷さんがスポンジに食器洗剤をつけてるって事は洗ってくれるのか。
「降谷さん」
「そこに置いといてくれ。
ああそうだ。さっきから顔にハンバーグのソースが付いてるぞ」
「どこ?」
「取るから動くなよ」
まあ今は食器持って両手が塞がってるし。大人しく取ってもらおう。
中腰になった降谷さんに顎をくいっと上げられて、降谷さんとの距離がおかしいくらいに近くなってる。
え、何か唇が触れそうなんだけど。
一歩後ろに下がると、左手が後頭部に移動した。
いやいや、息かかってるから!むりむりむりっ!!
耐えられなくて降谷さんの足を踏んづけたら眉間にシワが寄った。
「自分でとるから退け!近い!」
食器を降谷さんの手に乗せて洗面所へ走って、水で顔全体を洗ってタオルでごしごし拭く。
あー、早く風見帰って来て欲しい。