風見パパになる
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今日は学校の帰りにコナン君と寄り道。
推理映画を観に行くかと誘われ首を縦に振った。
風見には帰りが遅くなると電話をしたから問題無い。
「━━すげー楽しかった!」
「ん」
映画を見終わると、どこのシーンで犯人を何人までしぼっただの、このシーンで犯人が分かっただの、アクションシーンの迫力が…と熱く語っている。
「レモンパイ」
「ああ、あそこの店の美味しいってネットに書いてあったな」
「食べる」
「時間も時間だし一つを半分にして食べるか」
店にはカップルと思われる奴と女がたくさんいる。
そんな目を気にせず堂々と店に入るコナン君。
知ってるよ。ネットページでレモンパイガン見してたもんな。
注文をして待ってる間もコナン君の話しは途切れない。
「それであそこのシーンが…」
「あら?
コナン君じゃない」
コナン君は声のする方に顔を向けるとこんにちはと挨拶している。
この声は…佐藤と宮本だったか。顔を見られると面倒だ。警察学校卒業の時、顔を見られてる。
コナン君の座ってるソファーの隣に移動して、腕にしがみついて顔を見られないように伏せて隠した。
「なぁに?この子。
彼女?見せつけちゃって…」
「違うよ由美さん。
この子は人見知りなだけなんだ。
大丈夫だよなまえちゃん、このお姉さん達は悪い人じゃないから。僕の知り合いの警察の人」
警察だって知ってるよ。だから顔を見られたくないんだよ。
コナン君に引き剥がされて女たちに顔が見えるように顔を向かされた。よけいな事をしないでくれ。
「この子…どっかで見覚えが…」
「確かに…どっかで見たかも」
「……あーっ思いだした!
松田君の女よ!」
「松田君の…女?」
「いつも胸ポケットに写真を十枚以上入れてて、俺の大切な女だーって見せびらかして言ってたんけど、その時の写真とこの子が似てるの」
俺の大切な女…そう言ってくれたのは嬉しいけど。
何で胸ポケットに写真を入れてるんだよ。
ようやっとレモンパイと飲み物がきてコナン君と分けあって食べる。顔がばれたなら仕方ない。さっさと食べて帰ろう。
「ねえ佐藤刑事、そのお姉さんの写真って一枚も残ってないの?」
「ええ」
「ふーん、そのお姉さんってどんな人だろうなあ」
「松田君が言うには、世界中の誰よりも可愛くて強くて最高の女だって」
私の事持ち上げ過ぎでしょ。
人がいない時に何言ってんの。
けど…まあ、私も陣平の事は大切な男だ。
あの頃は幸せだったなあ。
陣平がいて、萩がいて、諸伏君、伊達班長、降谷さん。
私が公安なんかに行かなければ今頃、陣平と私は…。
「…コナン君」
「ごめんなさい。
二人共、今日はもういいかな?
なまえちゃんが疲れちゃって…」
「知らない人に似てるだなんて言われたら嫌だったよね。
私達は立ち去るわ。ごめんなさいね、コナン君なまえちゃん」
「こっちこそ色々聞いちゃってごめんなさい。さようなら」
レモンパイを食べてる時はお互い無言で、完食したらコナン君に代金を半分支払った。
店から出て後は家に帰るだけ。私のスケボーにコナン君を後ろに乗せて探偵事務所まで走る。
ポアロの前に着くとコナン君はスケボーから降りて、ちょっと待ってと言ってからポアロに入った。
コナン君が出て来ると安室さんが後ろから着いてきた。
安室さんがなまえちゃんこんにちはと挨拶してきたから一応返事をしておこう。
「どうしたんだい?コナン君」
「あのさ…安室さんなら知ってるよね。松田刑事について」
「なんの事かなあ」
「観覧車に仕掛けられていた爆弾によって殉職した松田刑事。
その松田刑事には大切な女の人がいて、その大切な女の人がなまえちゃんそっくりだって事。
だから安室さんはなまえちゃんを構っているんじゃないの。
その写真の人となまえちゃんが同一人物だから」
「同一人物だって証拠は?」
「…佐藤刑事が松田刑事が持ってた写真の人となまえちゃんが似てるって言ってた」
「数年前に観覧車が爆発したのは知ってるよ。
けど数年前なんて人の記憶は曖昧だし、証拠となる写真も無いんだよね?コナン君にしては雑な推理だなあ」
「っ…」
「それとさ、なまえちゃんに失礼だと思わないのかい?
なまえちゃんは別人だって言って、なまえちゃんの存在を否定するのは」
「それは…安室さんだって前に言ってただろ。大切な人がなまえちゃんかも知れないって」
「あの時の話は僕の勘違いでなまえちゃんに謝罪したよ。
なまえちゃんは風見なまえだ。
もうこの話は良いかい?仕事をしないと梓さんに注意されるからさ」
安室さんはコナン君に背を向け、ドアノブを握って扉を開けると、店内から梓さんが安室さんを呼ぶ声が聞こえる。そのまま何も洩らさずポアロに戻ってくれ。
「待って、最後に一つだけ!
松田刑事の大切な人と竈門炭さんは同一人物なの!?」
「それを解き明かすのはコナン君じゃないのかな。
まあ…君を思って言うなら…解き明かすより、迷宮入りにする方をおすすめするよ」
ドアが閉まると歯をくいしばって悔しそうにしているコナン君。
私にごめんと謝ると階段を登って帰って行った。
まあ安室さんが言わなくても、赤井秀一がコナン君に情報を洩らすかもしれないし。
「(その時はコナン君を…)」