風見パパになる
名前
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降谷side
「降谷さん」
「なんだ?」
「自分とせきをいれても良いって事ですか」
籍を入れても良い…!?
告白してないのに、まさかの名字からアプローチだと!?
付き合ってもないのに籍は気が早すぎるんじゃないか、なあ名字。
けどまあ、そんなに言うなら降谷名前にしてやってもいいがな。
公安に泊まりがけで今日は風見が帰って来ないから名字の事を任された。つまりは朝まで二人きり。
ここは風見の家だが名字が誘って来たんだ。今日はたくさんキスをして可愛がってあげようじゃないか。
「風見が言ってたんだけど」
「は…?
今のは風見に言われた言葉だったのか」
「うん。自分の事好きですかって訊かれたから好きだよって答えたら、さっき言った言葉を言われた。
けどさあ言ってる意味が分からなくて、昨日から考えてるんだ」
「意味が分からない?」
「真似するとこんな感じでね……自分…とせきを、いれても良いって事ですか」
危ない危ない…つい告白だと思って返事をしてしまうところだった。
名字は風見に告白された事に気づいてない。名字がアホで良かったな。
「それはだな…せき…石を淹れる。石はお茶の事を指して、いれるはお茶を淹れる。
つまり風見はお茶が飲みたくて、自分でお茶を淹れても良いか聞いたんだ。言葉遊びみたいなものだよ」
「食後はプリンなのに?」
「日本人だからお茶を飲みたくなったのだろう。
名字だって急に抹茶アイスが食べたくなる時あるだろう?」
「ある」
「そういう事だ」
無理矢理すぎたか?と思ったが、名字は納得してくれた。
降谷さんは仕事で疲れているから私が料理を作ると言ってるので、ここは大人しく甘えておこう。
「名字の部屋にいても良いか?」
「いいよ。
あさられて困る物置いてないし」
部屋に入ると、ぬいぐるみが壁に寄りかかって机の上にはランドセル。見た目は女児の部屋だ。
だが押し入れを開けて見ると、怪しげな実験器具?が入ってる。これを使って何するつもりなんだ。
「…これは」
机の引き出しに小さなケースが入っていて、ふたを開けてみると赤と白のカプセル、青と白のカプセルが詰まってた。
もしかして名字は病にかかっているのか…?
鼻歌を歌いながら料理している名字にこれは何だとケースを見せれば「降谷さんは食べないでね」と言われた。
「俺は健康だから薬は飲まない。
もしかして…その身体になって、なにかの病気になったのか」
「いやいや普通に健康体だって。
青は元の姿に戻る薬、赤は子どもの姿になる薬。アポトキシンの作り方は記憶してたから改良した」
「そうか…」
「元の場所に戻してきて」
「ああ」
盗るなとは言われてないし、一種類ずつ貰っておくか。
薬をジッパー付きの小さなビニール袋に入れてポケットに突っ込み、躊躇なくタンスの引き出しを開けた。
「さて…お次は名字の下着を眺めるか」
前に見た時より下着が増えてるな。
小さな青色リボンがワンポイントで付いてる下着なんて無かったぞ?
手に取って匂いを嗅ぐが、やはり柔軟剤の香りしかしない。
名字の尿道口が触れる下着の布の位置はここらへんか?
どうせばれないんだ。手垢を擦りつけて、名字が身につけるのを楽しみにしてよう。
「ふう…これで良し」
これで全ての下着が俺の手垢付きになった。名字が身につけるの楽しみだな。
下着をキレイに折り畳み、元の位置に戻してタンスを閉じた。
平然とした顔でキッチンに行けば、俺に笑顔で手招きしてきたじゃないか。
「降谷さんお皿運んで」
「分かった。
今日のメニューはこれか」
名字が作ったのは、麻婆豆腐とシーザーサラダとスープとご飯。うん、なかなか悪くない。
料理をテーブルに運んで、手を合わせていただきますをした。
「(麻婆豆腐が甘いような…?)」
二口三口と食べてみるが、やはりピリ辛じゃないな。子どもでも食べられる甘い麻婆豆腐だ。
「麻婆豆腐甘いな」
「ああごめん、つい風見と二人で食べる用の辛さにしちゃった。イヤだったら棄てて良いよ」
「いや、食べる」
ここで調味料で味を変えて、文句を言ったらケンカになるから止めよう。
棄てて良いなんて言葉を真に受けて、本当に棄てたら名字に一生無視される。このまま食べるのが正解だ。
「━━ごちそうさま」
「えっ、もう食べたの?」
「ああ」
やはりと言うべきか、俺が食べ終えても名字は半分も食べ終えてない。
俺が食器を先に洗って、その間に名字が食べ終えた皿を持ってきてくれた方が効率が良いが、このまま食べ終えるのを待とう。
「……ねえ」
「何だ?」
「顔見ないで」
「別に良いだろ。減る物じゃないし」
名字は眉間にシワを寄せて不機嫌アピールをしてるが、その姿もまた可愛い。
じっと見つめていると、俺に背を向けるようイスの向きを変えて食べだした。そんなに俺が嫌いなのか。
名字の座ってるイスの向きを元に戻し片手で持ち上げた。じたばたと暴れているがお構いなしだ。
俺はイスに座り膝の上に名字を座らさせ、動けないように両腕で抱きしめる。
「ほら、さっさと食べろ」
「離せ!」
「あんまり暴れると…頬にキスするぞ」
「急いで食べます」
こいつ…俺と風見の時とずいぶん態度が違いすぎじゃないか。
風見が名字にキスする時、すごい嬉しそうな顔してたぞ?
もしかして名字は風見の事が……そんな訳無いか。
亡き友のアイツと名字なんて子どもの頃からずっと一緒にいたのに、恋愛に発展しなかったし…。
いや、アイツの方はどう想ってたかは分からないな…。
「ふぅ…ごちそうさま。もう離して食器洗うから」
「俺にやらせてくれないか?
タダ飯食って風呂入って寝るのは嫌なんだ」
「分かった。
じゃあお風呂の着替え用意してくる」
二人分の食器を洗い場まで持って行き、スポンジに食器洗剤をつけて洗う。まあ洗うっていっても二人分しかないからすぐに終わるが。
そうだ。洗うと言って名字の太ももをたくさん撫で回すのはどうだろう。
「降谷さん…もう、洗わないでいいよぉ…」「いや、念入りに洗ってキレイにしたいんだ」なんてやり取りしたら、名字は俺の事意識してくれるんじゃないか?想像しただけで興奮するな…。
「降谷さんのバカー!
下着が降谷さん臭い!!」
「…ん?
風呂の用意しないのか」
「するわけないだろ!
下着が全部降谷さんのムカつく臭いがするんだから!」
こんなパンツ穿けるか!と、ぷりぷり怒ってる名字が可愛い。
今日はお風呂入らないで寝ると言いだして背を向けるから、脇の下から両腕を通して動きを封じた。
「ばれないと思ってやったが…ばれたなら仕方ない」
「やっぱりわざと臭い付けたんだ!
……うわーん!コナン君助けてぇ!」
「呼んでも誰も助けは来ないぞ。
なまえちゃんは大人しくお兄さんと入りましょうねー」
両腕を通したまま名字を持ち上げ風呂場へ向かった。
風呂場の前まで来たのはいいが、足をバタバタと暴れさせて地面に降ろせない。
このまま地面に降ろしてみろ。そしたら名字の足が負傷して風見に怒られ、なまえちゃんに二度と近寄るなと言われる。
どうしたものか…と悩んでいるとインターホンが鳴った。
こんな時間に誰だ…と思いドアを開けると、スケボーを抱えて息を切らしてるコナン君が立っていた。
「なまえちゃん!!」
「コナン君!?」
「やっぱり犯人は安室さんだったか…!」
そういえばさっきなまえちゃんがコナン君に助けを求めてたな…。
瞳から涙をポロポロ溢してるなまえちゃんを見た時のコナン君の顔は、言葉では表せないくらいとても怒っていて、ダイヤルを回すと靴が光った。そのまま僕の足の蹴りかねないな。
「もう何もしないよ」と言えば大人しくなったので地面にそっと降ろす。
「なまえちゃんに謝って」
「ごめんね、なまえちゃん」
「……」
なまえちゃんの目線にあわせてしゃがんで謝ったのに、なまえちゃんはコナン君の背に隠れて僕を睨んでる。
「モナカのアイス買って来たら許す、だって」
「えっ?
なまえちゃん喋ってないよね?」
「喋ってないよ」
何で喋ってないのになまえちゃんの事が分かるんだ。
テレパシーか?いやいや超能力者じゃないんだから…。
コナン君がウソついている顔してないし、ここはコナン君の言うとおりモナカのアイスを買って来よう。
「アイス何個欲しいのかな?」
「…いち」
「分かった。それじゃあ行ってくるね。
コナン君、なまえちゃんとお留守番しててね」
「分かってるよ」
二人で留守番してとは言ったが、僕がいない間にコナン君が何するか分からないからな…。
早歩きして近くのコンビニに向かっていると前方からジンがやって来た。
いつもポルシェに乗っているジンが徒歩?
ジンを無視する訳にはいかないし、とりあえず挨拶をしておこう。
「こんばんは」
手にはコンビニ袋、中身はなまえちゃんが食べたがっていたモナカアイスが入ってる。ジンがアイスなんて珍しいな。
自分も早くアイスを買ってなまえちゃんにあげないと…。
「おいバーボン、アイツに近寄るな」
「アイツとは誰のことです?」
「とぼけるな」
懐から銃を取り出し、僕の額に照準を合わせた。
ということはなまえちゃんの正体に気づいてるって事だ。
それでもジンは名字を庇っている。さすがはジンのお気に入りだ。
ここは大人しくジンの言うことを聞くべきか。それとも…。
「…あの子に近づいたのは、あの子の父親が警察なので組織の情報漏れが無いか探っていただけですよ。こないだ組織の人間が捕まったでしょう?
一応言っておきますけど、僕は子どもに興味ありませんので」
「ふん…今はそういう事にしてやる。
情報漏れはあったのか」
「いえ、まだ聞きだせてないです」
ジンは銃をおろすとなまえちゃんの家方面へ歩きだした。
これでしばらく殺される事は無さそうだ。
「コナン君に電話するか…」
なまえちゃんの家にジンが来たら、コナン君は何するか分からないからな。
近くの公衆電話でコナン君の携帯番号にかけると、なまえちゃんの声が聞こえた。
「だれ…?」
「なまえちゃん?安室だけど…。
今からジンがなまえちゃんのおうちに来るかも知れない」
「ん…」
「僕はこのまま自宅に帰るよ。
おやすみなまえちゃん」
「…おやすみ」
電話ボックスから出て、僕の携帯から風見に連絡をする。
組織の奴に偶然会って、怪しまれているから風見の家に帰れない事。
僕が風見の仕事を引き受けるから、早く帰宅するようにと言った。
「名字…」
ジンが名字の周りをうろつくとなると、僕がNOCだとバレる可能性が高まる。
組織の中心に潜り込んで、早く組織を崩壊して名字と一緒にいたいな。
そのためならどんな犠牲がでても構わない。例え名字が大切に想ってる人でも。
そしたら名字は大切な人をとるのかな。
それとも…僕の味方をしてくれるのかな。
「なんて…そんな考えでいたら死んだアイツらに怒られるかな」
大丈夫。まだジンにバレていないんだ。
あせらずゆっくりと組織崩壊を目指そう。
僕は前に誕生日プレゼントにもらったネックレスを壊れないよう優しく握った。
「降谷さん」
「なんだ?」
「自分とせきをいれても良いって事ですか」
籍を入れても良い…!?
告白してないのに、まさかの名字からアプローチだと!?
付き合ってもないのに籍は気が早すぎるんじゃないか、なあ名字。
けどまあ、そんなに言うなら降谷名前にしてやってもいいがな。
公安に泊まりがけで今日は風見が帰って来ないから名字の事を任された。つまりは朝まで二人きり。
ここは風見の家だが名字が誘って来たんだ。今日はたくさんキスをして可愛がってあげようじゃないか。
「風見が言ってたんだけど」
「は…?
今のは風見に言われた言葉だったのか」
「うん。自分の事好きですかって訊かれたから好きだよって答えたら、さっき言った言葉を言われた。
けどさあ言ってる意味が分からなくて、昨日から考えてるんだ」
「意味が分からない?」
「真似するとこんな感じでね……自分…とせきを、いれても良いって事ですか」
危ない危ない…つい告白だと思って返事をしてしまうところだった。
名字は風見に告白された事に気づいてない。名字がアホで良かったな。
「それはだな…せき…石を淹れる。石はお茶の事を指して、いれるはお茶を淹れる。
つまり風見はお茶が飲みたくて、自分でお茶を淹れても良いか聞いたんだ。言葉遊びみたいなものだよ」
「食後はプリンなのに?」
「日本人だからお茶を飲みたくなったのだろう。
名字だって急に抹茶アイスが食べたくなる時あるだろう?」
「ある」
「そういう事だ」
無理矢理すぎたか?と思ったが、名字は納得してくれた。
降谷さんは仕事で疲れているから私が料理を作ると言ってるので、ここは大人しく甘えておこう。
「名字の部屋にいても良いか?」
「いいよ。
あさられて困る物置いてないし」
部屋に入ると、ぬいぐるみが壁に寄りかかって机の上にはランドセル。見た目は女児の部屋だ。
だが押し入れを開けて見ると、怪しげな実験器具?が入ってる。これを使って何するつもりなんだ。
「…これは」
机の引き出しに小さなケースが入っていて、ふたを開けてみると赤と白のカプセル、青と白のカプセルが詰まってた。
もしかして名字は病にかかっているのか…?
鼻歌を歌いながら料理している名字にこれは何だとケースを見せれば「降谷さんは食べないでね」と言われた。
「俺は健康だから薬は飲まない。
もしかして…その身体になって、なにかの病気になったのか」
「いやいや普通に健康体だって。
青は元の姿に戻る薬、赤は子どもの姿になる薬。アポトキシンの作り方は記憶してたから改良した」
「そうか…」
「元の場所に戻してきて」
「ああ」
盗るなとは言われてないし、一種類ずつ貰っておくか。
薬をジッパー付きの小さなビニール袋に入れてポケットに突っ込み、躊躇なくタンスの引き出しを開けた。
「さて…お次は名字の下着を眺めるか」
前に見た時より下着が増えてるな。
小さな青色リボンがワンポイントで付いてる下着なんて無かったぞ?
手に取って匂いを嗅ぐが、やはり柔軟剤の香りしかしない。
名字の尿道口が触れる下着の布の位置はここらへんか?
どうせばれないんだ。手垢を擦りつけて、名字が身につけるのを楽しみにしてよう。
「ふう…これで良し」
これで全ての下着が俺の手垢付きになった。名字が身につけるの楽しみだな。
下着をキレイに折り畳み、元の位置に戻してタンスを閉じた。
平然とした顔でキッチンに行けば、俺に笑顔で手招きしてきたじゃないか。
「降谷さんお皿運んで」
「分かった。
今日のメニューはこれか」
名字が作ったのは、麻婆豆腐とシーザーサラダとスープとご飯。うん、なかなか悪くない。
料理をテーブルに運んで、手を合わせていただきますをした。
「(麻婆豆腐が甘いような…?)」
二口三口と食べてみるが、やはりピリ辛じゃないな。子どもでも食べられる甘い麻婆豆腐だ。
「麻婆豆腐甘いな」
「ああごめん、つい風見と二人で食べる用の辛さにしちゃった。イヤだったら棄てて良いよ」
「いや、食べる」
ここで調味料で味を変えて、文句を言ったらケンカになるから止めよう。
棄てて良いなんて言葉を真に受けて、本当に棄てたら名字に一生無視される。このまま食べるのが正解だ。
「━━ごちそうさま」
「えっ、もう食べたの?」
「ああ」
やはりと言うべきか、俺が食べ終えても名字は半分も食べ終えてない。
俺が食器を先に洗って、その間に名字が食べ終えた皿を持ってきてくれた方が効率が良いが、このまま食べ終えるのを待とう。
「……ねえ」
「何だ?」
「顔見ないで」
「別に良いだろ。減る物じゃないし」
名字は眉間にシワを寄せて不機嫌アピールをしてるが、その姿もまた可愛い。
じっと見つめていると、俺に背を向けるようイスの向きを変えて食べだした。そんなに俺が嫌いなのか。
名字の座ってるイスの向きを元に戻し片手で持ち上げた。じたばたと暴れているがお構いなしだ。
俺はイスに座り膝の上に名字を座らさせ、動けないように両腕で抱きしめる。
「ほら、さっさと食べろ」
「離せ!」
「あんまり暴れると…頬にキスするぞ」
「急いで食べます」
こいつ…俺と風見の時とずいぶん態度が違いすぎじゃないか。
風見が名字にキスする時、すごい嬉しそうな顔してたぞ?
もしかして名字は風見の事が……そんな訳無いか。
亡き友のアイツと名字なんて子どもの頃からずっと一緒にいたのに、恋愛に発展しなかったし…。
いや、アイツの方はどう想ってたかは分からないな…。
「ふぅ…ごちそうさま。もう離して食器洗うから」
「俺にやらせてくれないか?
タダ飯食って風呂入って寝るのは嫌なんだ」
「分かった。
じゃあお風呂の着替え用意してくる」
二人分の食器を洗い場まで持って行き、スポンジに食器洗剤をつけて洗う。まあ洗うっていっても二人分しかないからすぐに終わるが。
そうだ。洗うと言って名字の太ももをたくさん撫で回すのはどうだろう。
「降谷さん…もう、洗わないでいいよぉ…」「いや、念入りに洗ってキレイにしたいんだ」なんてやり取りしたら、名字は俺の事意識してくれるんじゃないか?想像しただけで興奮するな…。
「降谷さんのバカー!
下着が降谷さん臭い!!」
「…ん?
風呂の用意しないのか」
「するわけないだろ!
下着が全部降谷さんのムカつく臭いがするんだから!」
こんなパンツ穿けるか!と、ぷりぷり怒ってる名字が可愛い。
今日はお風呂入らないで寝ると言いだして背を向けるから、脇の下から両腕を通して動きを封じた。
「ばれないと思ってやったが…ばれたなら仕方ない」
「やっぱりわざと臭い付けたんだ!
……うわーん!コナン君助けてぇ!」
「呼んでも誰も助けは来ないぞ。
なまえちゃんは大人しくお兄さんと入りましょうねー」
両腕を通したまま名字を持ち上げ風呂場へ向かった。
風呂場の前まで来たのはいいが、足をバタバタと暴れさせて地面に降ろせない。
このまま地面に降ろしてみろ。そしたら名字の足が負傷して風見に怒られ、なまえちゃんに二度と近寄るなと言われる。
どうしたものか…と悩んでいるとインターホンが鳴った。
こんな時間に誰だ…と思いドアを開けると、スケボーを抱えて息を切らしてるコナン君が立っていた。
「なまえちゃん!!」
「コナン君!?」
「やっぱり犯人は安室さんだったか…!」
そういえばさっきなまえちゃんがコナン君に助けを求めてたな…。
瞳から涙をポロポロ溢してるなまえちゃんを見た時のコナン君の顔は、言葉では表せないくらいとても怒っていて、ダイヤルを回すと靴が光った。そのまま僕の足の蹴りかねないな。
「もう何もしないよ」と言えば大人しくなったので地面にそっと降ろす。
「なまえちゃんに謝って」
「ごめんね、なまえちゃん」
「……」
なまえちゃんの目線にあわせてしゃがんで謝ったのに、なまえちゃんはコナン君の背に隠れて僕を睨んでる。
「モナカのアイス買って来たら許す、だって」
「えっ?
なまえちゃん喋ってないよね?」
「喋ってないよ」
何で喋ってないのになまえちゃんの事が分かるんだ。
テレパシーか?いやいや超能力者じゃないんだから…。
コナン君がウソついている顔してないし、ここはコナン君の言うとおりモナカのアイスを買って来よう。
「アイス何個欲しいのかな?」
「…いち」
「分かった。それじゃあ行ってくるね。
コナン君、なまえちゃんとお留守番しててね」
「分かってるよ」
二人で留守番してとは言ったが、僕がいない間にコナン君が何するか分からないからな…。
早歩きして近くのコンビニに向かっていると前方からジンがやって来た。
いつもポルシェに乗っているジンが徒歩?
ジンを無視する訳にはいかないし、とりあえず挨拶をしておこう。
「こんばんは」
手にはコンビニ袋、中身はなまえちゃんが食べたがっていたモナカアイスが入ってる。ジンがアイスなんて珍しいな。
自分も早くアイスを買ってなまえちゃんにあげないと…。
「おいバーボン、アイツに近寄るな」
「アイツとは誰のことです?」
「とぼけるな」
懐から銃を取り出し、僕の額に照準を合わせた。
ということはなまえちゃんの正体に気づいてるって事だ。
それでもジンは名字を庇っている。さすがはジンのお気に入りだ。
ここは大人しくジンの言うことを聞くべきか。それとも…。
「…あの子に近づいたのは、あの子の父親が警察なので組織の情報漏れが無いか探っていただけですよ。こないだ組織の人間が捕まったでしょう?
一応言っておきますけど、僕は子どもに興味ありませんので」
「ふん…今はそういう事にしてやる。
情報漏れはあったのか」
「いえ、まだ聞きだせてないです」
ジンは銃をおろすとなまえちゃんの家方面へ歩きだした。
これでしばらく殺される事は無さそうだ。
「コナン君に電話するか…」
なまえちゃんの家にジンが来たら、コナン君は何するか分からないからな。
近くの公衆電話でコナン君の携帯番号にかけると、なまえちゃんの声が聞こえた。
「だれ…?」
「なまえちゃん?安室だけど…。
今からジンがなまえちゃんのおうちに来るかも知れない」
「ん…」
「僕はこのまま自宅に帰るよ。
おやすみなまえちゃん」
「…おやすみ」
電話ボックスから出て、僕の携帯から風見に連絡をする。
組織の奴に偶然会って、怪しまれているから風見の家に帰れない事。
僕が風見の仕事を引き受けるから、早く帰宅するようにと言った。
「名字…」
ジンが名字の周りをうろつくとなると、僕がNOCだとバレる可能性が高まる。
組織の中心に潜り込んで、早く組織を崩壊して名字と一緒にいたいな。
そのためならどんな犠牲がでても構わない。例え名字が大切に想ってる人でも。
そしたら名字は大切な人をとるのかな。
それとも…僕の味方をしてくれるのかな。
「なんて…そんな考えでいたら死んだアイツらに怒られるかな」
大丈夫。まだジンにバレていないんだ。
あせらずゆっくりと組織崩壊を目指そう。
僕は前に誕生日プレゼントにもらったネックレスを壊れないよう優しく握った。