風見パパになる
名前
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
食事を食べ終わった後、録画してたアニメを風見と一緒に観ようとテレビの電源を入れたら、また不倫騒動のニュースがやってた。
人の不倫と結婚は世界一どうでもいいニュースだと思うのは自分だけだろうか。
「ねえ風見」
「はい?」
芸能人のはどうでもいいけど、不倫について風見はどう思っているのか気になるから訊いてみよう。
「不倫ってどう思う?」
「自分は名字さん以外の女性と、あれこれしたいと思いません。
これから先も、名字さんと素敵な時間を過ごせたらと思います」
「へっ…!?」
「おはようからおやすみまで名字さんと居られる自分は、世界中の誰よりも幸せ者ですね」
不倫について賛成か反対か訊いただけなのに、それじゃあ質問の答えになってないよ。
だけど、風見がそんな風に思ってくれてるのはすごく嬉しい。
正面向きになるように風見の膝の上に座って見上げると、いつもとはまた違った風見のカッコいい顔の角度。
あんまり見つめ過ぎるとドキドキしちゃって顔が赤くなるから、顔を見られないように風見の胸板に顔をくっつけた。
「私も、風見と一緒にすごせたら…って思う。
子供の姿だったらずっと一緒にいられるのにね」
「名字さん…?
自分は、元の姿に戻っても一生貴方と過ごせたら、と思って言ったのですが。
接吻をしたいと思うのは名字さんだけです」
「私も、風見と…」
唇にキスしたいよ。
ぱっと顔を上げると、風見がカッコいい顔でじっと私を見つめている。
私が立ち上がって風見と同じ目線になればキスしてもいいのかな?
キスの事で頭いっぱいになってると、リモコンを手に取った風見はテレビの電源を消して部屋が静かになった。
「名字さん…」
風見の顔がゆっくり近づいてきてドキドキがとまらないよ。
思わずうつむいたら、アゴに手を添えられてクイッと上に向かされた。
もうだめだ。カッコ良すぎてこれ以上直視すると心臓が破裂しちゃいそう。うつむくことはできないから、きゅっと目を瞑って耐えていると風見の息が顔にかかって、すぐ近くにいることが分かる。
もう少しで風見とキスできるんだ━━
「電話…。
名字さん、失礼します」
「えっ?」
膝の上に座っていた私を降ろすと、着信音が鳴っているスマホをポケットから取り出して、立ち上がった風見は自室に行ってしまう。
私は風見の後ろ姿をただただ見送ることしかできない。
「う、うそでしょ…」
あそこまで顔が近づいたのにしないの?
キスしてから電話にでたっていいでしょ。
風見はカッコいい顔を上手に使って私をもてあそぶ小悪魔だ。
「おまたせしました。さっきの続きをしましょうか」
「っ、するわけないでしょ!
もう風見のほっぺにキスしないんだから!!
今から三十分間、絶対しないんだからー!」
啖呵を切ってあそこまで言ったんだから我慢しないとだめだ。
近くにいるとキスしたくなるから風見の自室に向かう。
バタンと扉を閉めたら風見のシーツにくるまって、くんくん匂いを嗅いで寂しさを紛らわす。
「(さっきの続きを~じゃないでしょ。ムードの欠片も無いじゃん。
はあ…風見とキスしたかったな…)」
「名字さん」
「なに?」
「貴方はほっぺにキスしないと仰ってましたが、自分は貴方の頬に口づけしないと言ってませんよ」
シーツを被りながらちらりと見ると、近寄って来た風見にシーツを取られた。
シーツを返して欲しくて両手を差し出したら抱えられて、ほっぺにいっぱいキスもらったよ。
風見のカッコいい顔が離れて少し寂しくなったら頭を優しく撫でてくれた。
時計を見るように言われて首を動かそうとしたけど頭がぽーっとして風見の顔しか見れない。
「三十分経ちました。
頬に口づけ、くれませんか?」
「あげたいけど、動けない…」
「いけませんね…。
動けるように魔法をかけてあげましょう」
そう言って、ほっぺにたくさんキスしてくれた。
嬉しいけど、それじゃあ動きたくても動けないよ。
何度もされて身体の力が入らなくなり胸板に倒れこんだら、お布団に寝かせてくれた。
風見のキスは嬉しいけどそろそろ休憩したいと思っていたから、ほっとして息を吐く。
本当は唇同士でしたいけど…。
ほっぺだけでこんなになっちゃうなら、唇にされたら身が持たないよ。
「ね、風見。
動けるようになったら、ほっぺにあげるね」
「はい、待ってますね」