風見パパになる
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午後は玉入れとダンス。
本気だせば玉入れの玉を全て放り投げてかごに入れることはできる。
だがこれ以上目立つのは避けたいため、一つだけ玉を入れて後は外しておいた。
ダンスは一学年皆でやった。
まあダンスっていってもポンポンを振って、かんたんな踊りをしただけだが。
作り笑顔をして踊るのは別に構わない。
だが私が移動するたびに安室さんが着いてきて「なまえちゃん可愛いよ!」とバカみたいにはしゃいでいるのがウザかった。正直、持ってるポンポンを顔面に投げつけたかった。耐えきった自分えらい。
後は応援席で競技を見て、得点発表で終わり。
ああけど得点に関係無いが、親の障害物競争があったな。
あれは大人の自由参加で、風見には関係の無いことだ。
今日の夕飯は何にしようかな。
後ろにいる風見に夕飯のリクエストを聞こう。
そう思い、後ろを振り向いたら安室さんがストレッチをしていた。
「安室さん…?」
「ん?ああ。
障害物競争にエントリーしたんだ。
弟子の僕が優勝して、毛利先生の顔を立てようと思ってね」
「そう…」
探偵の弟子も大変だな。
今度安室さん用にお菓子でも作ってあげようか。
「なまえちゃん」
「なに?」
「僕が一番になったらなまえちゃんのキスが欲しいな」
何言ってんだ。競う相手は一般人だぞ。
公安の安室さんが出場したら、安室さんが一位に決まっているだろう。
「安室さん、キス、やだ」
「なまえが嫌がってるんです。
ダメに決まっているでしょう」
「キスを阻止したかったら風見も出場すればいい」
「お断りします。
その手にはのりません」
安室さんとキスはやだって言ってんじゃん。
日本語がまるで通じてない。頭おかしい。私はデメリットしかないぞ。
安室さんを睨みつけたら、顎に手をあてて何やら考えこんでいる。
「うーん。そうだなあ…。
じゃあ美味しいメロンをあげる」
「メロン…!」
「なまえちゃん食べたいでしょう?」
「食べたいっ」
「ちょっ、なまえ!
食べ物につられちゃだめでしょう!」
けど安室さんが美味しいメロンをくれるんだよ?タダだよ?
じーっと目で訴えたら、風見は首を横に振った。
「なまえの唇が自分以外の人に奪われるのは嫌です」
「私の唇、パパの。奪われる気、ない」
「貴方が奪われる気がなくても、勝負する前から結果が目に見えているでしょう」
「何で?
やってみないと分からない。
毎日努力してるの、知ってるよ」
「(名字さん……)
分かりました。貴方が自分を信じるなら、自分はエントリーします」
「貴方にカッコいいところを見せて、自分に惚れさせますよ」そう言って頭を優しく撫でるから、こくりと頷いて風見の腕にキスをした。
私はもうとっくに風見にめろめろだよ。早く気づいて?
コナンside
すげぇ…グラウンドが二人によって盛り上がっている。
安室さんは公安で、もちろんだが運動神経が抜群に良い。
その公安の安室さんと互角に渡り合えてるなまえちゃんの父親も凄い。なまえちゃんの父親は一体何者なんだ。
そういえば、安室さんの大切な人が幼児化して、付き合いがまあまあ長い風見さんに頼って家に居候している……なんて話していたな。
もしかしてなまえちゃんの父親は公安警察━━?
「ねえなまえちゃん」
「なあに?」
「なまえちゃんのお父さんって…おまわりさん?」
「何のお仕事か、知らない。
お仕事の事、話したことない。
お家帰って来たら、いっぱいちゅうしてくれる」
「そうなんだ」
「パパね、たくさん、可愛がってくれるの」
なまえちゃんは頬を染めて嬉しそうに話している。
ウソついてるようには見えねえし…やっぱ俺の勘違いだな。
そうこう考えている間に二人は同時にゴールテープを切って、グラウンドが歓声につつまれた。
「同着だったけど、二人共凄かったね」
「0.2秒速かった」
「えっ?」
歓声の中、なまえちゃんが呟いたが聞き取れず、何言ったか聞こうとしたらなまえちゃんはお父さんの元へ駆け出して、抱き上げられると頬にキスをしていた。
やっぱりなまえちゃんは、ただのお父さんが大好きな子どもだ。
昼飯の時、いかがわしい雰囲気になったと思ったが気のせいだったか。
「パパ、一番おめでとう」