風見パパになる
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沖矢昴に誘われて波土禄道のリハーサル見学に来た私。
初対面の毛利蘭と鈴木園子に自己紹介を終えた後、リハーサル見学が中止と関係者の人に言われ一緒にショッピングに行こう?と毛利蘭が私に気をつかって言ってきた。
私がこくりと頷けばコナン君が待ったをかける。そりゃあそうだ。組織の情報が手に入るかも知れないのだから。
「そうは言ってもね…。
実は…私も園子も、そこまで熱を上げてるわけじゃないの。ゴメンね、コナン君」
「えっ、それじゃあ一体誰が…」
「━━僕ですよ」
背後から嫌な気配と声がしたので後ろを振り向く。
そこには安室さんと榎本梓に変装したベルモットが居た。
「ポアロの店で僕が波土禄道さんの大ファンだと話したら、リハーサルを見られるように園子さんが手配してくれたんです」
榎本梓に変装したベルモットに話し掛ける毛利蘭と鈴木園子。
榎本梓が波土禄道のファンだなんて言ってるが聞いたことがない。
やはり今回の件は黒ずくめの組織が絡んでいるのだろうか。
などと考えていたら、榎本梓が安室さんの腕に自らの腕を絡めていた。
安室さんも嫌な顔してないし、顔は榎本梓だから、まんざらでもないのか…?
「でね、お店のシフトを終えてここへ向かう安室さんのアトをつけて来ちゃったってワケ!」
「驚きましたよ!ここへ入ろうとしたら彼女に呼び止められて。
まぁスタッフに事情を話してなんとか入れてもらいましたけど」
正直、組織の事より二人の関係が気になる。
私に高価な時計をプレゼントして結婚しようとか言っておきながら、やっぱり本命は榎本梓だったのか。
それとも安室さんはベルモットと付き合ってる…?
向こうの方から叫び声が聞こえて、走りだした三人。
他の人達も一緒になって様子を見に行ってるその隙に「待って」と榎本梓の服を掴んで引き留めた。
「事件はあの人達に任せて、お話しようよ」
「それじゃあ、あそこに座ってお話しようか?」
「うん」
いったん外に出て、人気のないベンチに腰かける。
榎本梓は自販機でジュースを買って私に渡したので、それを受け取りキャップをひねってペットボトルに口をつけて飲んだ。
「ジュースありがと」
「いいのよ。
子供はジュースが好きでしょ?」
「子供じゃなくてもジュースは好きだけど」
「ふふっ、相変わらず変わってないのね。なんだか懐かしく感じるわ」
半分飲んでジュースのキャップをしめると、今の名前を聞かれたので素直に答えた。
「なまえって名前をつけてもらった」
「バーボンに?」
「違う。そもそもバーボンは私だってこと気づいてない。
気づかれてたら、とっくにあの世逝きだよ。今は公安の人に世話なっているんだ。
そっちは最近どう?」
「そうね…。
ジンが甘いジュースを飲んでいたわ」
「はあ?」
タバコ中毒のジンがジュース?
頭おかしくなったんじゃねーの。
ジンに病院行くように勧めてと伝えれば、ベルモットは楽しそうに笑っている。
「頭がおかしいって…本当、貴方最高ね。
貴方、ジンからジュースをもらっていたでしょう?」
「ああ、期間限定のとか買って来てくれたけど…」
「ジンは貴方が居なくなって寂しいのか、貴方が美味しそうに飲んでいたジュースを飲んでいたわ。
気づいてなかったでしょうけど、ジンは貴方の事を気に入ってたの」
「ジンが私を?」
「ええ。ジンに私が貴方を殺した事を告げたら、胸ぐら捕まれ額にはベレッタを突き付けられて…。
貴方はNOCだったのに『何でアイツを殺した』って言われたわ。
きっと貴方をどこかに隠して、甘やかして可愛いがりたかったんでしょうね」
もしもベルモットではなくジンに見つかってたら、ジンに可愛いがられて毎日を暮らしていた…想像しただけで気持ち悪いな。
両手両足を鎖に繋がれて監禁される方がしっくりくる。
「…なあ話変わるけど、ベルモットってバーボン?安室さんと付き合ってるの?」
「はあ?
どうしてそうなるのよ」
「さっき腕絡めてたから」
「付き合ってる訳ないじゃない。
…もしかして貴方、安室透の事━━」
「なまえちゃん!!」
声のする方を見れば、安室さんが走ってこっちにやって来る。
どうしたんだろうと少し首を傾ければ肩をぐっと掴まれて怒鳴られた。
そして眉間にしわを寄せてギロリとベルモットを睨み付ける。
「勝手にいなくなったらダメだろう!
しかもこの人と二人きりなんて!!
まさかなまえちゃんが飲んでたジュースに盛ってないたろうな…!」
「やだあ、酷い言いがかり。
私がなまえちゃんにする訳ないでしょう?」
「はっ、どうだかな。
人気のない場所に誘い込んで、貴方ならやりかねない」
具合悪くない?
どこも痛いところない?
安室さんは私の身体をペタペタと触って安否を確かめる。
どこも痛くないと頷いたが、安室さんに掴まれた肩が痛い。口にだしたら面倒だから家に帰って風見に見てもらおう。
「僕は悪い人を捕まえるのに証拠集めをするから、キミから少し離れなくてはいけない。
だからなまえちゃん、良い子だから僕の言うこと聞いてくれるかな。
今日は沖矢昴と一緒にいて。あの人ならなまえちゃんを守ってくれるよ」
「ん…」
それじゃあ行こうかと手を繋がれて、さっきの場所に戻って来た。
コナン君は私の顔を見るなり、どこかケガをしていないか、変な薬を飲まされてないかと心配された。どんだけベルモット信用されてないんだ。
「それでは僕は事件の捜査に…。
沖矢昴さん、なまえちゃんをよろしくお願いします」
「ええ、任せてください」
安室さんと繋いでいた手を離すと、沖矢昴に抱き上げられる。
暇になった私は残りのジュースを飲んで沖矢昴に空のペットボトルを渡せば、外に出て自販機の横にあるゴミ箱にペットボトルを捨てた。
「…で、何か情報得られたのか?」
「ジンが甘いジュース飲んでたって」
「ほう…。
ということは、キミが組織から消されて寂しがってるのかな」
「ジンは寂しがるキャラじゃないだろ」
面白い話を聞いたから後でボウヤにも教えてあげよう。
沖矢昴が楽しそうに言うものだから、私の正体ばれるから止めろと口止めする。
「ボウヤに言わないかわりに、休日料理を作りに来てくれないか?
キミの料理が恋しくなって自分で同じメニューを作ったが、どうも同じ味にならないんだ」
「料理?別にいいけど。
って、ちょっ…やめろって」
なぜか沖矢昴にキスされそうになって手のひらガードをすれば、お礼のつもりだったなんて言うもんだから、いらねーよと突っ返した。