風見パパになる

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降谷side

時刻は朝の五時。
今日は目覚めが悪い。
風見に何度もキスされてなまえちゃんがとろとろおめめになってる夢をみたからだ。昨日のせいで悪夢をみたに違いない。


「今日は…朝からポアロだったな」


昨日入らなかったから、朝シャワーを浴びて。
悪夢のせいで食欲が無いからヤカンでお湯を沸かしてお茶を一杯飲んだ。


「出かける前に風見に連絡するか…」


さすがにこの時間帯なら起きているだろう。
充電器を引っこ抜いて風見のスマホに電話をする。


『…はい』

「僕だ。
なまえちゃんを虐めた犯人を確保した」

『ありがとうございます。
これでなまえが安心して学校に行けます』


それにしても風見の声が小さいな…。
寝起きか?と訊いたらなまえちゃんが寝ていて小声で話しているらしい。
僕が泊まった時、なまえちゃんは早起きして朝ごはんを作ろうとしていたから、てっきり起きているのかと思ったが…夜更かしでもしていたのだろうか。


『それで…誰がなまえを苛めていたのです?』

「公安の女だ」

『犯人は公安?
もしかして原因は…』

「風見じゃない、原因は僕だよ。
名字が死んだと思ったらなまえちゃんが現れてジャマだったと言っていた。
その女は病院送りにしたから安心してくれ」

『…はい?』


手首の骨を折って顔に生ゴミをかけておいた。
僕の大切ななまえちゃんを虐めたから当然の事をしたまでだ。
後で部下に聞いた話だが骨にヒビがはいってたらしい。きっと靴で踏み潰した時だろう。
…と、風見に話したらやりすぎだと注意された。やりすぎ?どこがだ。


「そもそもな、風見は人に甘すぎるんだ。
もう少し心を鬼にして『名前さん!!』


電話越しから名字の名を呼ぶ声と何かがぶつかった音が聴こえた。
何があったんだと呼びかけたが反応が無い。


『なんで自殺しようとしているだ!!』


名字が自殺?
なまえちゃんが名字なら自殺なんてしないだろう。
名字が最も憎んでいるアイツが生きているんだ。
それに幼児化してまで生きたいと思ったから生きているんだろう。
よく聞こえるようにスマホの音量を最大限に上げて耳をすませばなんとか声が聞き取れた。


『俺は…貴方が好『私は死ぬ気無いよ』

『……………はい?』

『風に当たってただけだって。
自殺する人がわざわざスリッパ穿く訳ないでしょ?』


貴方がす…か。
僕の気持ちに気づいているのに告白しようとしてたな。
まあ会話を遮られたから告白は失敗に終ったが。


「…はっ?」


今電話越しで名字がとんでもない事言ったんだが。
私は風見がいない世界なんてイヤ?
なんだそれ。羨ましすぎる。僕も言われたい。
風見のポジションが良すぎてズルい。嫌われてる僕のポジションと替わってくれ。


『そういえば降谷さんとの通話は?』

『ああ、そうでした…』


足音が近づいてきたので通話終了した。
本当は今すぐ風見のセーフハウスに突撃したいが、もうしばらく様子を見よう。


「今の会話でなまえちゃんが名字だと確定したな…」


やっぱり自分の目に間違いは無かった。

初めは死んだと聞かされて。
僕も死ねば名字とアイツらに逢えると思っていたが…。


「アイツらに逢うのは、まだ先になりそうだ」


風見より自分の方が名字を何年も想っていたんだ。
必ず自分の物にしてやる。風見に負けてたまるか。


名字を手に入れるのは…この俺だ」


 
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