風見パパになる
名前
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「ありがとうございます。
これでなまえが安心して学校に行けます」
眠たい目を擦って布団から起き上がれば風見が小声で誰かと電話していた。
窓の外を見ると日が昇っている…もう朝か。
あれ、何で私は風見の部屋で起きているんだ?
昨日は朝から風見に可愛がってもらって、夜のお風呂上がりにアイス食べてから風見に可愛がってもらって…。
そうだ、気持ち良くてまた眠ってしまったんだ。
「(気持ち良いといえば…)」
ふと、アイツとの会話を思いだした。
女は夜の営みをした翌日は腰が痛くなるとか…。
私がしてもらったのは夜の営みでは無いが、一日二回も可愛がってもらったのに身体がどこも痛くないしダルくもない。加減してくれているのかな?
いやいや、その会話をした時は…。
「へー、女ってのはそんなに腰が痛くなるのか」
「さあな、俺も男のダチから聞かされた話だ。
俺は彼女なんて作ったことねえし、実際どうだかな…。
まあ俺には幼なじみの##NAME1##がいるし、彼女なんていらねえよ」
高校一年生の時、未経験のアイツが人伝に聞いた話だ。
結局アイツは私の幸せを願って死んでしまったが…。
「犯人は公安?もしかして原因は…」
風見の近くまで寄ってみれば、どうやら画ビョウを入れた犯人の話をしているようだ。
私が起きた事を伝えるために片足にぎゅってくっついたら頭をぽんぽんされた。
風見に触れられただけで嬉しい。
元の姿の時、風見に触れても何とも思わなかったのになあ…。
アイツの言ってた幸せってこういうことなのだろうか。
だけど…風見が朝起きて一番に会話した相手が私じゃないのがイヤだ。
そう思う私は欲張りでワガママかな?
「…………」
もう一度ぎゅってしたら相手にしてくれない。
どうやら私より降谷さんの方が大切らしい。
何だかつまらないな…。
風見が降谷さんに夢中で構ってくれないから、窓でも開けて風に当たってこよう。
窓を開けてスリッパを履き、ベランダの柵を持って身を乗り出す。
うーん、風が気持ち良い
このまま柵に座ってしばらく風に当たってようかな。
よいしょっと柵に片足をかけ、もう片足も柵にかけようと身を乗り出したらぐいっと引っ張られて、ぐらりと後ろに倒れた。
「名前さん!!」
ぽすんっと風見の胸の中に収まった。
片腕で私を抱きしめた風見はベランダの窓を勢いよく閉めて。
スリッパを履いたままなのに床に下ろされて、顔を向き合うようにして肩をぐっと捕まれた。
「なんで自殺しようとしているんだ!!」
えっ?ええっ?
どうしてこうなったの?
何で私が自殺する話をしてるの?
風見は今にも泣きそうな…顔をくしゃりと歪ませている。とりあえず落ち着かせないと。
「俺は…貴方が好「私は死ぬ気無いよ」
「……………はい?」
「風に当たってただけだって。
自殺する人がわざわざスリッパ穿く訳ないでしょ?」
視線を足元に移すと大きく息を吐いて、私を壊れ物を扱うように優しく抱きしめた。
「床、汚れちゃったね」
「床なんて、どうでもいいですよ。
貴方が死ぬかもって思って、自分は…」
「前に言ったのに。
風見が捕まって、敵が何十人、何百人いても必ず助ける。
私は風見がいない世界なんてイヤだって」
「そう…ですね」
そういえば降谷さんとの通話は終わったのかな。
風見に訊いてみたら、通話の途中でスマホを放り投げて急いで私の元へ向かったらしい。
私を抱えて辺りを見回していると壁際にスマホが転がっていたので、手にとって画面にキズがないか確認する。
「カドがキズついてるが…他は大丈夫そうですね」
「画面、通話終了になってる」
「ええ…。
放り投げた時、自分が画面を押したんだと思います。
あの会話を聞かれていたら、降谷さんは真っ直ぐここに向かって来ると思いますし」
もう自殺に見える行動は止めてくださいね。
ほっぺにちゅっとされただけで首を縦に振る私はかなりちょろいと思う。
~おまけ話~
「そういえばさ…」
「なんですか?」
「さっき言いかけてた言葉、何だったの?
貴方がす、って」
「あ、あああああれは、貴方とすき焼き食べたい、って言いかけたんですよ。今晩すき焼き食べましょう!!」
「うん…?」