風見パパになる
名前
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「本当は一日中居たいけどお仕事だから…またねなまえちゃん」
「ん…安室さん、またね」
安室さんを玄関先まで見送り扉のカギを閉めて、早足で風見の部屋に向かう。
結局、風見の傍で看病できなかった。
安室さんが風邪が移ると言って、風見の部屋に入らせてくれなかったからだ。
ノックをして扉を開ければ、布団の中で大人しく横になっていた。
「風見、熱どう?」
「それが…。
降谷さんが布団の横でセロリの魅力について語って、身体が熱くてダルかったのに寒くなって……」
「うわぁ…」
かわいそう…。
風見をいっぱい甘やかして早く元気になって欲しいな。
頭を撫でられば嬉しそうな表情をしたので、朝に貼った熱冷ましシートを剥がしておでこにキスをする。
…うん、朝と比べると熱下がってるからキスされても大丈夫。
「布団から出て食べられる?」
「はい。名字さんがおでこにしてくれたおかげで元気がでましたから」
「良かった。
じゃあリビングのイスで待っててね」
熱がでた時は消化の良いうどんに限る。
さっき作ったうどんと、箸だと掴みにくいだろうからフォークを一緒にテーブルに置く。
自分の分もテーブルに置いて風見の正面に座っていただきますをする。
「味の濃さは少し薄めにしたよ」
「これくらいでちょうど良いです。
あんまり味濃いと食が進まないので…」
「風見の口に合って良かった。
そういえばさ、安室さんがお昼作るって言ってたけど…どうだった?」
ぴたりと風見のフォークの動きが止まった。
どうしたのだろう。
私が首をかしげると、風見は眉間にシワをぐっと寄せてぽつりと呟いた。
「セロリ…」
「セロリ?
風見セロリ苦手でしょ」
「おかゆにセロリ…混ぜられてた…」
「うわぁ…」
それは看病というより嫌がらせでは…。
自分が好きな食べ物を苦手な人に押しつけて食べさせるのは良くないでしょ。
いや、元々安室さんが家に居座った原因は私が呼んだからだ…完全に私が悪い。
「風見ごめん」
「はい?」
「「ごちそうさまでした」」
うーん、誤算だった。
いつもより食べないだろうと思って少なめの量しか作らなかったから、なんだか物足りない表情をしている。
まさか安室さんが風見にセロリを食べさせるとは…。
使った食器を洗い終わって、濡れた手をタオルで拭いて風見の元に向かった。
「まだ何か食べる?」
「少し物足りないですが今日はもう止めます。
名字さんと一緒に横になりたいんですが…ダメですか?」
「良いよ。
その前に歯みがきしようね」
歯を磨き終わって風見は私を抱き上げて自分の部屋に向かい、布団の中に入って食べ物の消化に良い右向きに寝そべった。
匂いをくんくん嗅げば布団の中が風見の汗の匂いでいっぱいだ。
私は風見の匂いは嫌いじゃない。何て言うか…心が落ち着く?
「はあ…。
やっぱり名字さんとくっついてると心が休まるな…」
「そう?」
「はい。
その…もう少しだけ、ぎゅってして良いですか」
「私も、離れてた分だけ風見にぎゅってされたい」
「ほんと、貴方は可愛い事を言いますね…」
唇が頬に近づいてきて、キスしてくれるのかなって思ったら離れてしまった。
そういえば、風見にキスはダメって言ったんだった。
おあずけはイヤだから、たくさんキスしてとおねだりする。
そしたら頬に何度もキスをして私を可愛がるから身体が熱を帯びる。今度は私が熱になっちゃいそうだ。
「かざみ、あついよ…っ」
「自分も…貴方に触れて、また熱がでそうなくらい、身体が熱いですよ」