風見パパになる
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どういう訳か盗聴機は次の日に無くなっていた。
一週間は設置してると思ったんだけどな。
風見曰く、かかってきた電話で安室さんが訳分からない事を言ってたらしい。そのせいだろうか。
「なまえちゃん、帰り道大丈夫?
よかったらスケボーに乗って家まで送るけど」
「…平気」
今は下校中。
皆と別れて、残ったのは私とコナン君だけ。
コナン君が私を心配している理由は、
最近、児童失踪事件があるからだろう。
しかもその児童は、一人下校している女の子限定。
警察も捜索しているが手がかりがつかめず。
まあ私が不審者なんかに捕まる訳ないが。
「家に帰るまで絶対にスケボーから降りたらダメだからな」
「分かった」
「じゃあ、また明日」
「ん…バイバイ」
手を振ってコナン君と別れ、スケボーを発進させる。
しばらく進むと信号が赤色で立ち止まった。
信号待ちの最中、後ろからコートを着た男が私の真横に立ったので一瞬だけ横目で見る。
「ねえ、お嬢ちゃん」
うわ、話しかけてきた。聞こえないフリをしよう。
早く信号変わってくれないかなと信号機をじっと見た。
「お嬢ちゃん、道を教えてくれないかな」
肩を叩かれたので無視するわけにもいかない。
知らない人に話しかけられて怯えたフリをして「なに…?」と言えば手書きの地図を見せてきた。
…手書きの地図がぐちゃぐちゃで汚い、どこがどこだか読みとれない
「知らない…分からない」
「それじゃあ手を貸してくれる?」
男が手を伸ばして私の腕を掴もうとしてたので、スケボーを乗ったまま一歩下がった。
男はチッと舌打ちをして、もう一度私の腕を掴もうとしてる。
ああ…これ、完全にコナン君が言ってたやつだ。
ここで私が不審者を捕まえれば、他の女の子が狙われなくて済むな…。
スケボーに乗ったまま懐から警棒を取り出せば、男は持っていたスタンガンを私に向けた。
「大人しくすれば、痛い思いしなくて良かったのに…ずいぶん反抗的だ」
「知らない人について行ってはだめってパパに言われてるの」
それにしても近くに一般人がいなくて良かったな。
まあスケボーに乗りながら避ければ当たることは無いだろうし。
相手が疲れたら警棒で気絶させようか。
奴の攻撃をさけながらそんな事を思っていたら、後ろから人が近づいてきてナイフを振り降ろしてきた。
「わあ、人が集まって来た」
周囲に気配を感じると思っていたが…まさか全員敵だったとは。
全部で五人。複数班なんて聞いてない。
しかも五人中三人は武道経験者の動きだ。
「子供一人に対して随分必死だな…」
まあ、負ける気はしないけど。
子供の身体だから、始末するのに時間はかかるがいけるだろう。
まず一人目はコイツ…と狙い目を定めたら、後ろからスケボーの走る音が聞こえた。
振り返って見ると、コナン君のスケボーを乗った安室さんが凄いスピードでこちらに向かって来ている。
コナン君がやっぱり私の後を追っかけようとして、安室さんにスケボーを取られたのかな。
「キミが心配で後を追ってきたんだ。
僕が来たからには安心して。
すぐに悪い奴をやっつけるからね」
「ん…」
ここは殺気をだしてファイティングポーズしている安室さんに任せよう。
警棒をしまって邪魔にならない場所に移動してじっと安室さんを見る。
一人二人…と次々に気絶させ、一分もかからず奴らは地面に倒れこんだ。さすが公安だなあ。
本当は自分で何とかできたけど…安室さんが褒めて欲しそうな顔をしているのでお礼を言っておこう。
「もう安心だよ」
「安室さん、ありがと」
「どういたしまして」
安室さんは手袋を取りだして装着すると、気絶した奴のスマホを手に取って警察に電話を掛けた。
使い終わるとスマホをポケットに戻し、スケボーを脇に抱えて私を抱き上げる。
「そのうち警察が来るから、今のうちに僕と一緒にお家に帰ろうか」
「ん…帰る。
安室さん、お礼する」
「お礼…そうだなあ。
なまえちゃんの手料理…夜ご飯を一緒に食べたいな」
「んー…」
安室さんと夜ご飯はパパが嫌がるからな。けど断るなんてできないし…。
どうしようか悩んでると、スマホを貸してと言われたので、パパの電話番号を打ち込んで渡した。
「…はい、それではなまえちゃんとお家で待ってますね」
ああ…安室さんの会話を聞くと、やっぱり一緒に食べるのか。
安室さんに言ってやりたい。
安室さんが来ると風見は私との二人きりの時間が減ったと言って、パパの頬にたくさんキスしないと機嫌が直らないんだって。