風見パパになる
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特売でつい多めに買ってしまった…。
野菜が腐る前に、風見に弁当でも持たせるか。
スーパーで買い物をした私は、両手に買い物袋を持ってスケボーを走らせた。
「あ、やばっ……」
初めはポツポツと雨が降っていたが、ざあざあと雨の威力が増してきた。
洗濯物は行く前に部屋に入れておいたから大丈夫。
けど、風邪をまた引いたら風見に迷惑かかるから早く帰らないと。
スケボーの速度を上げて家に向かっていると、偶然通りかかった白のRX7が助手席を開けて私に声をかけてきた。
「なまえちゃん、乗って」
「安室さん…ありがと」
びしょ濡れだがお構い無しに、助手席に座った。
スケボーは立て掛けて、買い物袋は自分の膝の上に乗せる。
「急に雨が降ってきたね」
「ん…」
「大丈夫?寒くない?」
「へーき…」
当たり障りない会話をしていると、もう目的地に着いた。
駐車場に停めて、安室さんは後部座席に置いていた傘を手に取る。
買い物袋を貸してと言われ、大人しく渡すと片手に二つの買い物袋、もう片手には傘。
外に出て助手席側に回った安室さんに、おいで、と言われたのでスケボーを脇に抱えて安室さんの傘に入る。
扉のカギを開けて、玄関にスケボーを壁に立て掛けて置く。
安室さんは傘立てに傘を入れて、ずかずかと部屋に入って行った。
「おじゃまします」
おじゃまします?
もしかして居座る気なの?
送ってくれたのはありがたいけど、風見の機嫌が悪くなるから帰って欲しいな…。
野菜室に野菜を詰めた安室さんは、笑顔でこちらに近寄ってくる。
「お着替え手伝ってあげる」
「…えっ?」
「下着が透けてるなまえちゃんも可愛いけど、風邪引いちゃうと困るから、ね?」
安室さんに下着のラインを指でなぞられて、ぞわり、と鳥肌がたった。
「一人で、できる」
「おうちまで送ってあげたから、僕のお願い聞いてくれるよね」
「ぅ…」
乗らなきゃ良かった…今さら後悔しても遅いが。
こくんと頷けば、脱衣場で待っててねと言われたので大人しく向かう。
少し経つと、私の洋服と下着、タオルを抱えた安室さんが戻って来た。
「なまえちゃん、ばんざーい」
「ん」
服とキャミソールを一気に脱がされ、上半身裸になった。
下半身もズボンと下着を脱がされて、今の私は全裸だ。
まあ一度だけ一緒にお風呂を入ったことがあるから、見られたって構わないが…。
「タオルで身体、拭こうねぇ」
「自分で、拭ける」
「拭かせてくれないの?」
「やだ」
舌舐めずりして、タオルを持って迫ってくる安室さんが気持ち悪い。
「安室さん、知ってる?」
「どうしたの?」
「パパ、もうすぐ帰って来るの」
「今日は夕方に帰ります。良い子で待っていてくださいね」今朝、頭を撫でられて言われた。
現在、五時。そろそろ帰って来る頃だ。
「拭かれるの嫌。パパに言いつける」
「それは…困るなぁ」
安室さんを睨み付けていると、玄関の方からカギを回す音が聞こえた。
風見が帰ってきたっ!私は安室さんからタオルを奪って、身体に巻き付けながら玄関に向かって走る。
風見の顔を見て安心した私は、ジャンプして胸に飛び込む。
私をキャッチしてくれた風見の胸板に顔を埋めていると、優しく頭を撫でてくれた。
「パパぁ!」
「ただいま帰りました。
…なまえ、その格好どうしたんですか?
それに傘立てに入ってる傘、男物のクツ、もしかして……」
「安室さん…いる」
「そう、ですか」
はぁ…とため息をこぼして、私を抱えながら部屋の中へ入って行った。
「あの人はどこにいますか?」
「脱衣場」
「分かりました」
風見と一緒に脱衣場に戻ると目を疑う光景があった。
安室さんが私の濡れた下着の匂いをくんくん嗅いでいる。
気持ち悪いっ…風見の服をぎゅっと握ると、安室さんに近寄って素早い手つきで私の下着を奪い取り、洗濯かごに入れた。
「酸性雨となまえちゃんの匂い付きの下着が……!」
「安室さん…貴方いい加減にしないと、警察に突きだしますよ」
「僕、なにも悪い事なんてしてませんよ?」
「しているでしょう。
なに下着の匂い嗅いでいるんですか」
「大切な子の下着の匂いを嗅いで、何が悪いんですか?」
「ダメです!悪いですから!
なまえが嫌がっているでしょう!!」
「なまえちゃん、嗅ぐのダメだった?」
ダメに決まっているだろう。何バカなこと言ってんだ。
首を大きく縦に振れば、そっか…と悲しそうな顔をした。
そんな顔したって騙されないからな。
「早く帰ってください」そう言って風見は、手でしっしっと安室さんを追い払う仕草をする。
粘り強い安室さんは、せめて夕飯だけでも…と言われたので、私はしぶしぶ三人分の料理を作った。