風見パパになる
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「なまえちゃん、そろそろお腹すくと思って作ったよ。
熱いからふーふーしてあげるね」
目の前にだされたのはお粥。
匂いがすると思っていたが、これを作っていたのか…。
安室さんは私の一口分をレンゲで掬い自分の口元に寄せて、息を吹きかけて冷ます。
「ふーっふーっ……はい、あーん」
「んっ…」
「おいしい?
なまえちゃん好みの味にしたんだけど」
小さく頷けば、良かったと安室さんは言った。
正直、熱で味がよく分からないんだが。それは言わないでおこう。
半分食べると、お腹がいっぱいになった。
安室さんにその事を伝えれば分かったと言う。
残ったお粥はどうするのだろう…捨てるのかな
せっかく作って貰ったのに悪いことをした気分だ。
「ごちそう、さま」
「半分食べれて偉いね、なまえちゃん。
残りの半分は僕が食べようかな」
「えっ」
「ん?」
僕なにかおかしなこと言った?みたいな顔してるの。
安室さんは私の使ったレンゲで、躊躇なくお粥を掬って食べた。
「んっ…おいしい。
なまえちゃんの味がする。
僕の体内になまえちゃんの唾液が入っちゃった♪」
私の味って何!?
なに嬉しそうに、唾液が入っちゃった♪って言ってんの!?
キモいキモいキモい!!
ぁ…ヤバイ、吐く
「なまえちゃん!!」
食べたお粥が口まで戻ってきて、床に撒き散らした。
安室さんは私に心配する声をかけるが、お前のせいだからな。
「ふぇーん!
パパっ、パパぁ!!」
「泣かれてると困るな…。
待ってて、今パパに電話を掛けてあげるからね」
安室さんと二人きりなんて、もう限界だ…!
風見に助けを求めれば、安室さんはスマホを取り出して風見に戻って来るよう連絡している。
びいびい泣いている私を抱き上げてあやすが、ウソ泣きは止めない。
「━━なまえっ!!」
「ぱぱぁ…!!」
数十分後。
汗をたらして風見は家に帰って来た。
安室さんは私を風見に渡す。
風見は、しがみついて泣いている私の背中を落ち着かせるようにゆっくりとさする。
こんなゲロと涙と鼻水まみれの私を気持ち悪がらず、優しく接してくれるから、本当にありがたい。
「よしよし…もう大丈夫ですよ。
自分がいない間、たくさん汗をかいて、体の中にいるバイ菌と戦って、えらいですね。
涙と鼻水拭いて、洗面所に行って口をすすぎましょうか。
安室さん。申し訳ありませんが、床を拭いてもらえますか?」
「はい」
風見はイヤな顔一つせず、ティッシュで涙と鼻水を拭いた。
私のコップを手にとって洗面所に向かうと、コップに水を注いで、私が水を口に含みやすいように丁度良い角度でコップを傾ける。
うがいをすれば、口の中がスッキリする。
風見は「良くできました」と私の頭を優しく撫でた。
床に撒き散らした物を拭き終わった安室さんは「風見さんが帰ってきたのでもう安心ですね。僕はそろそろ帰ります。お大事に」ひらりと手を振って帰った。
残ったお粥は…うん、捨てよう。
「ごめん、かざみ…。
安室さん、気持ち悪くて、吐いた…」
「自分こそ申し訳ございません。
安室さんに頼まないで、仕事を休んで看病すれば良かった…」
「名字さんが治るまで、ずっとそばに居て、看病しますね」風見が微笑みながら言って、私はそれに答えるように風見の手を握った。