風見パパになる
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今日は授業参観日。
子供たちは親に見てもらうのが嬉しいのか、はしゃいでいる。
自分はというと安室さんが泊まったあの日、風見にお知らせのプリントを見せずに捨てたから関係の無い事だ。
…と、さっきまでは思っていた。
「なまえ」
「…パパ?」
「プリントをゴミ箱から発見しまして…。
なまえ見たさに午前中休みを貰って、ここに来ました」
ああ、どうりで……。
今日の風見はほんの少し口元が上がっていた。
その時に理由をきいて追い返せば良かったな。
いや、そもそも私がプリントを破いて捨てなかったのが悪いのか。
風見は他人より身長が大きい。
顔立ちも悪くない。そのせいで目立っている。
ウチの旦那よりカッコイイなんて言ってる奴がいるぞ。
だから来て欲しく無かったのに…。
まあ、来てしまったものは仕方ない。
「…いてもいいよ。
午後、お仕事頑張って」
「はいっ」
風見が中腰になって私の頭を撫でていると、廊下から黄色い悲鳴がきこえてくる。
何だ?アイドルでも来たのか?
振り返って見ると、よく見慣れた人物がこの教室へ入ってきた。
「おはようなまえちゃん。
風見さん、お久しぶりです」
「…安室さん、おはよう」
「お、お久しぶりです…!?」
黄色い悲鳴の原因は安室さんだったのか。
コナンくんが驚いて、どうしているのと安室さんに尋ねる。
少年探偵団の三人はポアロのお兄さんが来て嬉しそうだ。
「ああ…。
以前サンドイッチを差し入れに持って行った時、探偵事務所に置いてあった授業参観日のプリントが目に入ってね…。
毛利先生に僕が行ってもいいか訊いたたら、好きにしろと言われて」
「いや、えっ?
安室さん、仕事は?」
「ポアロはお休みをもらったよ」
ということは、安室さんも風見と同じで午後から公安か。
こんなところでのんびり授業参観…これでいいのか。もっと他にやることないのか。
「席に着いてー!
授業を始めます!!」
一時間目は算数。
太郎君がリンゴを五つ、二郎君がリンゴを六つ買いました。あわせていくつでしょう。
小学一年生がやる問題なんてこんなもんだ。
退屈すぎて欠伸がでそうになるが、必死に堪える。
二時間目は国語で、ひらがな練習。
教科書はひらがなで読みづらくて、目が疲れる。
三時間目は音楽。
子供向けの曲を皆で声を合わせて歌う。
こんな私の姿を観て、何が楽しいんだ風見…。
「次の授業は体育ですか」
「ん…。
教室もどる。着替え」
「着替え…まさか男子と同じ教室で……?
なまえの可愛らしい身体のラインを他の奴がいやらしい目で見られているのが分からないんですか!
なまえは世界一可愛いんですよ!!」
小学一年生がそんな目線で見るわけないだろ
「こういう時はトイレで着替えましょう」
「いや、えっ、ちょ…パパっ」
私を抱き上げて教室へ。
体操着袋を掴んで男子トイレの個室へ向かう。
止まってと肩を叩くが、むしろ足の運びが速くなる。
まるで話を聞いてくれない。誰か風見を止めてくれないか。
「おや?
風見さん、どこへ行かれるのですか?」
「ふるっ…安室さんですか。
教室で着替えると言うので、トイレの個室で着替えさせようかと」
降谷さんと言いかけた風見はぴたりと歩くのをやめて、安室さんと向き合った。
安室さんは顎に手を添える。
この過保護風見を止める手段を考えているのか。
「それはいけません」
「なぜです?」
「今日だってコナン君の保護者というのは建前です。
僕の本当の目的はなまえちゃんのお着替えシーンですから。
だから風見さん。独り占めはやめましょう。
ここは僕と二人でお着替えシーンを楽しみませんか?」
「しかしですね…」
「今日のために、僕は三徹したんだ。
だから…見させろ」
ペロリと下舐めずりする安室さんに恐怖を感じる。
風見の腕から逃れて、体操着袋を奪いとり、そのまま女子トイレへ駆け込んだ。
着替えて出てきた私を見て安室さんは舌打ちをしたので、近くを通りかかったコナン君の背に隠れた。
…授業参観なんて嫌いだ