風見パパになる
名前
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「今日は一緒に出掛けましょう」
「出かけるってどこに?」
「それは着いてからのお楽しみです」
クツをはくと風見は私を抱き上げて車の助手席に乗せる。
数分車を走らせて駐車場に車を停めた。
着いた場所は業務用スーパー。
風見に再び抱き上げられ、ガゴを持って店内へ入った。
「着きましたよ」
風見が立ち止まった場所はアイスコーナー。
降ろすとアイスが見えづらいでしょうから抱えておきますね。続けて言葉を発した風見の顔はにこやかだ。
「以前安室さんからアイスを頂いたでしょう。
その時名字さんがお風呂上がりにアイスを食べると安室さんがおっしゃってましたので」
ああ…降谷さんとそんな話をした覚えがあるような。ぼんやりとだが思いだした。
頭がまわらなくなった四徹目の夜、私と降谷さん二人で話をしていたような…。
降谷さんは朝シャワーを浴びて、布団で寝るときパジャマ派じゃなくて何だったか……。
まあこれ以上思いだせないから、考えるのはやめよう。
「色んな種類選んでいいですよ、ですがアイスは自分と半分こです。
アイスが溶けるのが心配なら、自分はお皿に取り分けて食べるので」
「…取り分け」
「それならなまえが気を使って食べる必要無いでしょう」
「パパ…ありがと、好き」
「っ!!」
風見のほっぺたに一瞬、唇を触れる。
子供の私だと、お礼はこれくらいしかできないからな。
私のためにそこまで尽くしてくれて、本当に良くできたパパだ。
笑顔を向ければ風見の顔は真っ赤になって、口元を片手で抑える。
「ずるいですよなまえ…」
「ん?」
「こんなことされたら、なまえをもっと甘やかしたくなるじゃないですか……!
自分もなまえが好きです、誰にも渡したくないっ」
渡したくないって、そもそも私には風見しか頼る人がいないし。
パパアイス、そう言って風見の肩を軽く叩くと私を両腕で抱えなおす。
「んっ、これとこれと…」
ガゴの中に六個入れる。
もう良いんですか?風見は首を傾けた。
「あと一個」
「あと一個と言わずもっと選んでも…」
「違う、選ぶのパパ。
パパが好きなアイス、いっしょ、食べる」
「っ、はい…!
一緒に食べましょう」
風見は少し迷ってチョコアイスを手に取った。
へえ…チョコ。
てっきりバニラかソーダを手に取るかと…。
いちご味と迷いました。照れくさそうにする風見を見て少しだけ可愛いと思った。
「待って。タラコ欲しい」
「タラコですか?」
「ん、お昼、タラコスパゲッティ」
タラコをガゴに入れてレジに向かう。
客のガゴの中、定員のレジスピードを見比べて、ここ並んでと風見に言った。
順番はすぐにまわってきて、会計して袋に詰めて車に乗り込んだ。
「パパ、何でアイス七個選んだか分かる?」
「いえ、どうしてですか?」
「それはね…」
来週もパパと一緒に来たいからだよ