風見パパになる
名前
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毛利小五郎が食事券を福引きで当てたので一緒に行こうとコナン君に誘われ、雨の中店に行ったのだが…。
「ええっ!?
今日はパーティーで貸し切りだと!?」
パーティーというのは仮面をつけた婚活パーティーらしい。私には一生縁のない話だが。
食事券は期限が切れており、仮に入ったとしても結構な値段がしただろう。
コナン君が誘ったのにごめんと謝ってきたので平気と返した。
「なまえちゃん、何か食べたいものある?」
「ん…」
「おじさん、なまえちゃんがハンバーグ食べたいって」
「ハンバーグ?
調べるから待ってろ」
近くにハンバーグのある店があったのでそこに入店し、ご飯を食べた。
ハンバーグからは肉汁がでて、ポテトとにんじんもついていて、見た目の割りには安い。
食べ終わり、お金を払ってもらったのでお礼を言って店を出た。
店に入る前は雨が降っていたが、今は上がっている。
「あれ…」
「どうしたのお父さん」
「家の鍵…落とした」
どうやら毛利小五郎は家の鍵を落としたらしく、スマホを出した時にポケットから落ちたのではないかという事で、婚活パーティーの場所に戻って来た。
「この辺だと…思うんだが…」
「あ!
あったよ!コレでしょ?」
コナン君が鍵を見つけたその時、婚活パーティーの店の中から悲鳴が聞こえた。
三人が店の中に入ったが、自分は面倒事に巻き込まれたくないので外で待つことにする。
少し経つと店から萩原千速が出て来て、顔が整ってるのに婚活なんてしなくてもよりどりみどりだろうに…と思っていると、話しかけられた。
「また会ったな、少女」
「…萩原さん」
「いや…陣平の嫁と呼んだ方が良いかな━━名前」
「私、なまえ」
「そうか、ならこれはどうだ?」
萩原千速は懐から四角い箱を取り出し、箱を開いて私に見せた。そこには二つの指輪が収まっている。
「指輪の内側に、一つは松田陣平、一つは松田名前と英語で彫られている」
「なに…」
「陣平の部屋を親が片付けに行った時に見つけ、捨てられずそのまま実家に持って帰ったそうだ。
だがその名前は陣平の葬式に来ず、連絡も途絶え、どこで何をしているか分からない。
まず考えられるのは陣平に内緒で子を産んで陣平の前から消えた。
そうなると君の名字は名字のはず。だが風見だ。
名前は陣平の事を誰よりも大切にしていたのに他の男と結婚はありえない」
「……」
「次に考えられるのは公安警察。
公安だとしたら葬式に来なかったのも納得する。私が名前に電話をかけても一度も出なかったしな」
「意味が分からない」
「あれから年月が経ち、名前は何らかの事件によって姿を隠すことにし……自ら幼児化した。
そして風見という人物の世話になっている。その風見って人も公安警察で、同期か部下って所か。
どうだ、当たっているか?」
認めない。
認めたらまた面倒な事になる。
それに陣平が好きな人は萩原千速であって私ではない。萩原千速のハッタリだろう。
「認めないならそれでいい。
この指輪は陣平の墓に置いて来るよ。
陣平の愛した女はこの指輪がいらないってな」
「っ…」
「それとも…。
陣平の思い出ごとゴミとして処分するか」
「…ざけるな」
陣平との思い出がゴミだと?この女は何言ってんだ。
「お前に陣平との思い出を汚されるのは不愉快だ。
お前がその気なら、お前を灰にしてやる」
「私は陣平の親友の姉だぞ?」
「自分は大切な人以外死んだって構わない」
「私は大切な人では無いのか。残念だ」
「たった今お前は最悪な奴に格が下がった」
懐からワイヤー銃を取り出し、首を切って真っ二つにしてやろうと思ったら、指輪の箱を顔面に投げられキャッチする。
「それはキミに渡そう」
「……」
「あくまで想像だが、陣平は弟のケリがついたら結婚しようとしてたのだろう。だからその指輪はキミのだ」
「私、なまえ…」
「さっき認めただろう。自分は名前だと。
それと、勘違いしているようだから言う。
何を思って陣平が告白してきたのかは分からないが…。
その時、研二と名前が結婚したら祝福してくれるかと聞いたら、怒鳴って言ってきたよ。
“例え萩原でも渡さない。名前と結婚するのはこの俺だ!“ってな」
「……」
「まあ、だからといって名前が陣平に縛られる必要は無い。
気になる男がいるなら、その男と付き合って結婚すればいい。
陣平はもう…この世にいないからな」
用は済んだと言って店の中に戻って行った萩原千速。
「(縛られる必要は無い、ね…。
だったら、どうして私に指輪を渡してきたんだ)」
小さい頃からずっと一緒だった陣平。
自分の中で一番優先すべき大切な人。
「(だけど、陣平が居なくなって…私は……)」
想いが片寄り始めているのに気づいている。
陣平より風見の事ばかり考えてる時間が多いんだ。
遠くからパトカーのサイレンが聞こえる。この店で事件があったのだろう。
面倒事にわざわざ首を突っ込みに行く気は無いからスマホでコナン君に帰ると文を送信する。
抱えてたスケボーを地面に置いて、乗って自宅に帰った。
家に風見が居ない事にほっとしてる自分がいて、机の引き出しに指輪をしまった。
「(もし風見に指輪を見られたら…どうするべきか)」
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