風見パパになる
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黒ずくめの組織にNOCだとばれた。
降谷さんの迷惑にならないに自殺しようと死場所に向かっていた途中、ベルモットに見つかった。
「鬼ごっこはおしまいよ」
「別に逃げてた訳じゃない…死場所を探してたの。
さすがに人通りの多い街中で死ぬ訳にはいかないから」
「ふうん?」
ベルモットは懐から何かの小さなケースを取り出して、私の方へ投げる。
それをキャッチすると、開けてみなさいと言われた。
「これは…」
「APTX4869。
それを飲むと猛毒で苦しんで…」
確か、研究所でシェリーが…。
作りかたのデータも見たことがある。
これを飲んだ人間は皆死亡した。
ああ、けど工藤新一の遺体だけ発見されてないか。
なぜなら工藤新一は江戸川コナンとして生活しているから。
「貴方という存在を消すためよ。悪く思わないで。
貴方に真っ赤な花が咲く姿は見たくないの…」
「ベルモット、もしかして」
「早くしなさい。
ジン達に見つかる前に」
貴方という存在が、と引っかかる言い方。
これを飲んで別の姿になれって事か。
運が良ければ幼児化、悪ければ死がまっている。
まあどの道死ぬつもりだったし…。
「ありがと、ベルモット」
身体がだるい…。
重たい瞼を上げて、周囲を見渡す。
どっかの路地裏のようだ。ベルモットが私を運んだのか。
APTXを飲んだが生きているようだ。
手をついて立ち上がろうと思ったら違和感を感じた。
…手が小さい
服も靴もがぶかぶかだ
持っていた電源の入っていないスマホで自分の姿を確認する。
「小さくなってる…」
見たところ小学一年生といったところか。
どうやら自分は小さくなって生きているようだ。
そうと分かったら即行動だ。
今は夜で人通りも少ない。引きずるズボンとパンツを脱いで、片手に抱えた。
近くの公衆電話に駆け込み、小銭を取り出して、なれた手つきで風見のスマホに電話をかけた。
『はい』
「名字だ。
訳あって今は子供の姿になっている。
この事は絶対誰にも言うな。場所は……」
一方的に用件だけ言って通話を切った。
あまりここに留まって、人目につきたくないから。
大人の服を着た子供なんて明らかに不審者だ。警察に保護なんて事があったら、たまったもんじゃない。
数分後、見なれた車がやって来た。
物陰に隠れていた私は急いで走って、車の窓ガラスをノックする。
こっちを向いて私の顔を確認すると、風見は助手席のドア開ける。
ドアを閉めてシートベルトをした。未だ困惑している風見に早く車をだせ、と指示をすればアクセルを踏んだ。
「盗聴機は無い…か。
ありがとう風見。助かった」
「い、いえ……。
この喋り口調…本当に名字さん、なんですね」
「ああ。
場所は風見の家で頼む」
「承知しました」
風見の家にはすぐに着いた。
マンションの扉を開けて、リビングに通された私は全て話した。
NOCだと組織にバレた
ベルモットに見つかった
そのベルモットがAPTX4869の薬を渡してきて、ソレを飲んだ事
私が生きているとバレたら周りの人間が危ない。
だけど自分は、スマホも通帳も何も使えない。
上司なのに部下の風見に、生活の金銭面をお願いします、なんてプライドを捨ててまで私は頭を下げた。
「頭を上げてください」
「風見…」
「名字さんの為なら協力を惜しみません。
貴方には今まで、数えきれないほどの恩がある。だから今度は――」
貴方を支え、恩を返す番だ
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