毎日部活が終わり，急いで着替えて帰る支度をして道場を出る。それは，ある人と待ち合わせをしているから…


「先輩，遅くなってすみません！」


「いや大丈夫だよ，行こうか」


一つの上の弓道部の先輩である佐瀬大悟先輩とこうやって待ち合わせをして一緒に帰ることが定番だった。


「今日の部活も疲れましたね」


「大会前だから練習する時間も長いよな，たくさん引いて腕が疲れた」


お互い笑いながら話をしているのがとても楽しくて疲れも忘れるくらいだ


すると，彼女から彼にある質問をした。


「佐瀬先輩は，最近夢中になっているものってありますか？」


「いきなり何だ？」


「菅原双子と話をしていた時に聞かれたんですよ。ちなみに双子は愁君の射の観察だそうです」

「正直，アイツらの答えとかどうでもいいぞ。何故，俺に教えた？」


「佐瀬先輩双子と仲良いので…」


そういう風にいうと彼はやれやれという感じでため息をついて話を続けた。


「ちなみに結華は，俺が何に夢中になっているか分かるか？」


「そりゃあ分かりますよ！のりりんですよね」


「さすが俺の彼女だな…と言いたいところだが違う」


一番自信があった答えを違うと言われ彼女は驚きを隠せなかった。さらに彼に質問をしていく。


「えっ！？じゃあ弓道ですか？」


「それでもないな」


「えっ全然分からない…先輩，答え教えてくれますか？」


「いいぞ，答えはな…」


彼は，優しく微笑んで彼女の頭をポンポンと撫でた。

「お前だよ… 結華 」


「へっ…！？」


「のりりん以上にお前に夢中だよ」


「佐瀬先輩，それはずるいです！」


予想していなかった答えに彼女は自分の頬が熱くなっていくのを感じた。


そんな彼にもっと夢中になっていった。


〇 佐瀬 大悟 の I love you の訳し方
＝「のりりん以上にお前に夢中だよ」